キヤノンのベストセラー一眼レフ、EOS Kissの名を冠したミラーレス一眼の2代目モデルが「EOS Kiss M2」だ。撮像センサーや画像処理エンジンは先代から継承。瞳AFの性能向上や動画機能の強化、操作性の改善などによってさらに完成度を高めた。
今回のテストアイテムはこちらキヤノン「EOS Kiss M2」
実売価格例:8万4700円(ボディ)
●プロフィール
ベストセラー一眼レフ、EOS Kissの名を冠したミラーレス一眼の2代目モデル。撮像センサーや画像処理エンジンは先代から継承。瞳AFの性能向上や動画機能の強化、操作性の改善などによってさらに完成度を高めた。
SPEC
●撮像素子/APS-CサイズCMOS(約22.3mm×14.9mm)●有効画素数/最大約2410万●レンズマウント/キヤノンEF-Mマウント●記録画素数/最大6000ドット×4000ドット●ファインダー/0.39型有機EL(約236万ドット)●ISO感度/100~2万5600、拡張5万1200●連続撮影速度/最高約10コマ/秒●液晶モニター/3.0型(約104万ドット)●記録媒体/SD/SDHC/SDXC(UHS-I対応)●電源/専用リチウムイオン●サイズ/幅116.3mm×高さ88.1mm×奥行き58.7mm●重量/387g(ブラック)/388g(ホワイト)
◾️バリアングル式の3型液晶
動いている人の目にもピントが合う
いちばんの注目ポイントは、AF性能の向上だ。特に、人物の目にピントを合わせる瞳AFがサーボAF(一般的にいう「コンティニュアスAF」)に対応。スポーツの撮影でも、目にピントを合わせられるのがありがたい。
瞳の検出能力も向上。従来は上半身よりもアップでないと検出できなかったのが、本機では、画面に小さく人物を入れたぐらいの状態でもきちんと目をとらえてくれた。また、一度瞳を検出すると顔が横を向いても追尾できるので、歩きながらのポートレート撮影なども余裕でこなせる。
ありがたいのは、画面内に複数の人物がいるときに、モニター画面をタッチしてピントを合わせる人物を選べるようになったこと。大人数での記念写真でも、主役となる人を選べるので快適だ。
派手すぎない鮮やかな発色で、見疲れしない
スタイルとしては一眼レフふうだが、小型・軽量で片手で扱いやすくていい。
AFは、速くて快適そのもの。暗い被写体やコントラストが低いシーンではピントが迷うこともあったが、明るい日中の野外では問題なかった。
撮像センサーや画像処理エンジンは先代と同じで、画質面でも違いはない。今回は、ダブルズームキットのEF-M15~45ミリとEF-M55~200ミリの2本で試用したが、どちらもそれほど高性能なタイプではないこともあってカメラの実力を引き出しきれていない印象を受けた。
とはいえ、日常的に使うには十分な画質が得られるし、性能を欲張っていないぶん、軽快で使い勝手もいい。
発色も派手すぎない鮮やかさで、程良く目を引きつつも見疲れしにくい。SNSなどの用途なら、ISO3200ぐらいまで使えるだろう。
価格も手ごろなので、家族で楽しみたい人にも好適だ。
◾️鮮やかな発色だが、派手さはない
おすすめ度…A₊
AFのスピードが速く、瞳AFの精度もアップ。 小型・軽量で扱いやすい
ココが〇
軽快で持ち歩きが苦にならない。瞳AFの性能が向上して、人物撮影の快適度が向上。日常使いには十分な画質で、実売価格も手ごろだ。
ココが✖️
エンジンが最新のDIGIC Xではない。ファインダー倍率が低く、見える像が小さい。キットレンズの性能が、やや物足りなく感じる。
※価格は記事作成時のものです。
解説/北村智史(カメラライター)