FFファンヒーターを装備したキャンピングカーは、マイナス10度下回るような極寒の車中泊もとても快適です。しかし、予想していなかった問題もあります。それは乾燥。常にFFファンヒーターで暖房している冬のキャンピングカーの室内は、恐ろしく乾燥するのです。この乾燥で、うちの息子(4カ月)が乾燥肌に。これを解決するために、ダイソーで500円(税抜)で販売されている「ミニ加湿器(車用)」を導入してみました。その様子を報告します。
執筆者のプロフィール
齋藤千歳(さいとう・ちとせ)
元月刊カメラ誌編集者。新しいレンズやカメラをみると、解像力やぼけディスク、周辺光量といったチャートを撮影したくなる性癖があり、それらをまとめたAmazonKindle電子書籍「レンズデータベース」などを出版中。まとめたデータを元にしたレンズやカメラのレビューも多い。使ったもの、買ったものをレビューしたくなるクセもあり、カメラアクセサリー、車中泊・キャンピングカーグッズなどの記事も執筆中。現在は昨年8月に生まれた息子と妻の3人、キャンピングカーで道の駅などを利用して北海道一周にチャレンジしている。
冬のクルマの「乾燥問題」
キャンピングカーに限らず、冬のクルマのなかは非常に乾燥しています。しかし、移動の時しか、そのなかにいない普通のクルマと違い、キャンピングカーは我が家のように家族そろって長時間車内にいることもあるわけです。そして、家族そろってキャンピングカーで北海道一周などと計画するなか、近場で何日か4カ月の息子と3人でキャンピングカー を使って車中泊のテストをしていると、息子の肌が乾燥で荒れてしまったのです。
生後4カ月の息子の肌が乾燥して荒れてしまった
当然、キャンピングカーのなかで加湿器を使うという方法を考えました。しかし、実は過去にキャンピングカーのなかで加湿器を使おうとして、失敗をしているのです。家庭用電源を使う大型のものは、電気の消費量が大きすぎてキャンピングカーのバッテリーへの負荷が大きく、しかも邪魔。さらにキャンピングカーのように動く環境で使用することを前提としていないので、振動や揺れで加湿器の水がこぼれてしまうことがありました。
それなら、小型の加湿器を使えばいいのでは、ということになります。実はこれも試しました。ペットボトルなどを利用して、車内など小さな空間を加湿するアイテムを購入したこともあります。しかし、これではキャンピングカーを加湿するにはパワーが足りないのです。また、筆者は以前に購入したものは、クルマの走行による振動で電源プラグが折れて、1カ月も保ちませんでした。なにかよい方法はないかと悩んでいたわけです。
ダイソーの「ミニ加湿器(車用)」
そんな折、なにかおもしろい商品はないかと「ダイソー」のサイトを眺めていて発見したのが「ミニ加湿器(車用)」です。さすがに100円ではないものの、破格の500円。買ってみてあまりよくなくても諦めのつく価格です。サイトの情報では、クルマ用で超音波加湿方式、USBで電源がオッケー、ブルーとブラックがあること、写真からはドリンクホルダーの入る程度の大きさであることくらいしか、わかりません。そのため、近所のダイソーで現物を確認、まずはひとつ購入しようと考えました。
クルマで使うことを前提とした加湿器がわずか500円
最初は不良品で返品交換…
恐ろしいほどリアルな話、最初に購入した「ミニ加湿器(車用)」はなんと不良品で電源が入らず、そのまま返品交換してもらいました。まあ、500円の製品ですし、そういうこともあるでしょう。
気を取り直して、交換してもらった新しいものをチェックしていくと、水の残量を検知して自動停止する機能やライトが付いていること、予備の吸水芯リフィルや80cmのUSBケーブルが付属していること、連続使用時間が4時間であることなどがわかりました。500円とは思えない充実の性能です。
ドリンクホルダーに対応するサイズなので、どこにでも設置できて便利
キャンピングカー用というわけではなく、普通にクルマ用なので、ドリンクホルダーに設置することを想定したサイズになっています。コンパクトなので、さまざまな場所に設置しやすく便利です。
USB電源タイプなので、さまざまな方法で使えて便利
「ミニ加湿器(車用)」はUSBから電源を供給するタイプなので、変換すればさまざまな方法で使えて、とても便利です。
汎用性の高いUSBから電源が供給できるので、本当に便利です。キャンピングカーでは状況によって使用できる電源に制限あるので、この点は重要なポイントになります。エンジンを切って車中泊というときもモバイルバッテリーで使うこともできるわけです。
倒れても水のこぼれない構造に感動
すべてをドリンクホルダーに設置すれば、走行中や多少の急ブレーキで「ミニ加湿器(車用)」が倒れることはありません。そして、平らな場所で斜めにしたりせずに使うのが大原則ですし、説明書の注意書きにもそう書いてあります。しかし、「ミニ加湿器(車用)」はしっかりとフタがロックされる作りで、きちんとフタとしておけば、倒れても水がドバッとこぼれない構造です。注意してほしいのは、横にして使ってはいけないですし、水がこぼれないことを保証する製品でもありません。しかし、実際に筆者が使っている限りでは、倒れても中の水がすべて出てきてしまうといったことはありませんでした。
感動して、さらに2台購入!
1台500円なので、まとめ買いも気にならない
「ミニ加湿器(車用)」は1時間あたりの噴霧量が20〜40mlしかなく、「使用上の注意」には「本品は部屋全体を加湿するものではありません。」とあります。そこで普通のクルマより広いキャンピングカーを加湿するために、さらに2台追加で「ミニ加湿器(車用)」を購入しました。それでも3台で1,500円コストパフォーマンスの高さが光ります。冗談抜きにそのくらい気に入ったのです。
まとめ
キャンピングカーだけでなく、普通車にもおすすめ
1台500円というコストパフォーマンスの高さ、クルマのなかで使うことを前提として倒れたとしても水がドバッと出てしまわないことに考慮した設計と、「ミニ加湿器(車用)」は本当におすすめです。現在は3台でキャンピングカーのなかを加湿していますが、外気の状態なども影響するのでしょうが、だいたい湿度は40〜60%を保ってくれてします。以前のような湿度20〜30%といった超乾燥は改善されました。また、500円なので、さらに加湿したければ、台数を増やせばいいと思っています。
唯一、気に入らない点は、連続使用時間が4時間であること。これは電源を入れて4時間経つと自動で切れてしまうのです。変更はできません。普通にクルマで使うには十分で便利なのでしょう。しかし、キャンピングカーで使うには4時間の自動電源オフは、ちょっと短い。寝ているうちに加湿器がとまってしまうので、時間が選択できるようになるとうれしいです。
とはいえ、「ミニ加湿器(車用)」を導入してから、FFファンヒーターを使ってもキャンピングカーのなかは極端に乾燥せず、明らかに過ごしやすくなりました。息子の乾燥による肌荒れも改善されるでしょう。「ミニ加湿器(車用)」は筆者のようにキャンピングカーの方はもちろん、普通車の方にもおすすめしたい商品になっています。クルマでの乾燥が気になる方は試してみてはどうでしょうか。