マイクロプラスチックが問題となっています。実は洗濯した時にもマイクロプラスチックは排出されています。フリースなどの化学繊維はマイクロプラスチックファイバーと呼ばれ、洗濯することで大量に下水に排水されてしまいます。そこでおすすめしたいのが日本の「糸くずフィルター付き」洗濯機です。
マイクロプラスチックと洗濯機の関係
マイクロプラスチックとは?
持続可能。サスティナビリティ。今からの大きな課題です。
人間は、知恵のある生き物ですが、その大半を、他者を出し抜くことに使っている様です。政治の話ではありません。社会の根幹をなす経済もそうです。産業革命以降、物凄い勢いで、資源消費、環境破壊を、「経済で豊かになるのは正義」との考えの基に、活動してきました。結果、腐らないプラスチックが世に蔓延っています。
腐らないプラスチックというのはある意味便利なのですが、熱、紫外線などによる経年劣化を免れることはできません。いつかは廃棄すると分かっていても、今日も、多量のプラスチックを読み出し続けます。
長さが5mm以下のプラスチックのことを、「マイクロプラスチック」と呼びます。問題は小さいこと。自然の循環システムである水の動き。水蒸気が塊り、雨雲に。雨が降り、小さい流れは川となり、海に注ぐ。川、湖、池などからも水分は蒸発しますが、一番は地球の70%を覆う海。この水の循環は、非常に重要です。
ところが、人間はいつしか川にゴミを流すと、いつの間にか自分が見えないところに行ってくれるということを学びました。日本では少ないと思いますが、今でも川にゴミ投棄する人は多いです。
その中でも槍玉にあげられたのが、レジ袋。薄い、軽いと、20世紀の後半は、風呂敷、買い物カゴに代るものとしてすごく重宝されたものですが、動物が食べたりすると、面積が大きい分だけ被害が酷いこともあって、今や法律で、有料が定められています。使う枚数を一枚でも少なくするための施策です。
しかし、レジ袋はそれなりに目立ちます。
地球環境にやさしい「糸くずフィルター」
いろいろな見方があると思いますが、目立たないのに怖いものがあります。それが、衣類の繊維ゴミです。というのは、今の衣類のほとんどは化学繊維。腐りません。洗濯機で洗うと、フリース などは大量の化学繊維をゴミとして出します。5mm以下ですからマイクロプラスチックになります。排水は、下水処理されますが、マイクロプラスチックを全て取り切ることはできません。
日本の洗濯機の多くは「糸くずフィルター」がついています。
実はこれ極めて有用で、マイクロプラスチックである化学繊維をかなり除去します。糸くずフィルターはマイクロプラスチックの除去を目的に作られたものではありません。衣類に付いたくず、擦り千切れたくずを回収するために作られたものです。
糸くずの大半は、化学繊維ですから、もともとがマイクロプラスチックサイズ(5mm以下の意)。これを除去するというのは、非常にいいことです
まとめ
日本メーカーは「糸くずフィルター」をもっとアピールするべき!
実は、この話あまり知られていません。考えてみると当たり前ですし、完全に取り去るというわけではありません。このためでしょうか?メーカーは積極アピールに出ていません。
しかし、多くの洗濯機に「糸くずフィルター」が付いている今、アピールすべきではないでしょうか?
レジ袋が有料になり、消費税10%化も加えて、コロナ禍。国民が褒められることはあまりありません。しかし、私たちが正しいモノを使っているというこくらい、声高に言ってもらっても悪くはないでしょう。その意味でも、今回レポートさせていただきました。
◆多賀一晃(生活家電.com主宰)
企画とユーザーをつなぐ商品企画コンサルティング ポップ-アップ・プランニング・オフィス代表。また米・食味鑑定士の資格を所有。オーディオ・ビデオ関連の開発経験があり、理論的だけでなく、官能評価も得意。趣味は、東京散歩とラーメンの食べ歩き。