【アイスボックスクッキーの作り方】ベース・プレーン・カラー生地の作り方や基本レシピ 必要な道具と材料も紹介

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切っても切っても同じ絵柄が出てくるユニークな焼き菓子、みのたけ製菓のアイスボッククッキーってどんなもの?こだわりの材料で作る基本の生地の作り方をご紹介します。【解説】みのたけ製菓(河村愛子)

本稿は『切っても切ってもかわいい みのたけ製菓のアイスボックスクッキー』(マキノ出版)の中から一部を編集・再構成して掲載しています。

執筆者のプロフィール

みのたけ製菓(河村愛子)

菓子制作。雑誌の編集部に勤めるなかで料理関係の編集者を志すようになり、ル・コルドン・ブルー東京校に入学。フランス菓子と料理を学び、グランディプロムを取得。2012年より手づくり市等のイベントで、こだわりの素材を使った焼き菓子を販売。カフェやデリのメニュー開発等も手がける。なかでも、愛嬌ある動物を中心としたオリジナルデザインのアイスボックスクッキーが話題となり注目を集めている。著書『切っても切ってもかわいい みのたけ製菓のアイスボックスクッキー』(マキノ出版)が好評発売中。
▼みのたけ製菓(Instagram)

冷凍時間は目安です。室温や冷凍庫の条件によっても異なるため、様子を見ながら調節しましょう。
焼き時間は、機種や条件によって異なります。様子を見ながら調節しましょう。
本記事で紹介しているクッキーの保存目安は、生地の状態で冷凍保存して2カ月です。焼成後は陽の当たらない室内で保存し、2~3週間を目安になるべく早く食べ切りましょう。
本記事のクッキーデザインの商業目的での利用はご遠慮ください。

 

基本の道具を揃える

アイスボックスクッキー作りをはじめる前に揃えておきたい基本の道具と、あると便利な道具を紹介します。

ボウル
生地を作るときに使用するボウルは、直径25cm前後のものが使いやすい。複数のサイズを用意しておくと便利。

粉ふるい
薄力粉とカラーパウダーなどの粉ものを合わせてふるうときに使用。網がしっかりしているものがよい。

ホイッパー
生地を混ぜる必須アイテム。ワイヤーが固めなものを選ぶと使いやすい。

ゴムベラ
バターを柔らかくしたり、生地を混ぜ合わせるための道具。ゴム部分が柔らかいものがおすすめ。

スケール
パウダーを細かく計量するので、1 g単位で正確に測れるデジタルタイプを用意しよう。

のし棒
生地を伸ばしてシート状にするときの必需品。作る生地のサイズに合わせ、大小2つ用意しておくと重宝する。

竹串・つまようじ
パーツとパーツをなじませたり、動物のモチーフにヒゲを描いたりするときなどに使用。

ナイフ
パーツを必要な長さにカットしたり、パーツの形を整えるときに使用。刃が10cm前後のものが使い勝手◎。生地をスライスするときは、刃が15cmくらいの包丁が使いやすい。

定規
パーツのサイズを測るときに使用。メモリのついたカッティングマットを使って作業してもOK。

丸箸・角箸・ストロー
主に動物モチーフの目のくぼみをつけるときに使用する。つけたいくぼみの形に合わせ、角箸と丸箸を使い分けよう。

ルーラー
生地を均一に伸ばすための道具。ホームセンターなどで販売されている角材でも代用可。作る生地の厚さによって、0.2、0.3、0.5、0.8cmを使い分けて使用。

ベーキングマット
くり返し使えるうえ、焼いている間に油分が適度に落ち、サクッとおいしく仕上げてくれる、あると便利なアイテム。通常のオーブンペーパーでも代用可。

ラップ
パーツを作るときや生地を冷凍保存するときの必須アイテム。小さなパーツを作るとき用に、小さいサイズがあると重宝する。

材料を揃える

本書で使用しているベースとなる6つの材料と、着色に使用するカラーパウダーです。

ベースの材料

薄力粉
本書では焼き菓子用の薄力粉「エクリチュール」を使用。パーツを作ったり、組み立てたりといった作業をくり返して何回もこねても、さっくり焼きあがる。


常温のものをよく溶いてから量って加えるのがポイント。黄味と卵白の比率の関係上、Mサイズの卵を使用するのがおすすめ。

無塩バター
基本的に食塩不使用のバターを使用。有塩を使う場合は、塩は加えずに作る。

粉砂糖
生地に溶けやすく、なめらかな食感に仕上がる。上品な甘さも特徴。ダマがある場合はふるってから使用する。


少量加えると、味が引きしまる。天然のさらっとしたタイプが使いやすい。

アーモンドパウダー
クッキーに香ばしさをプラスし、サクッとした食感を作る決め手。

カラー生地用パウダー

すべて野菜や果物などから抽出した天然色のパウダー。cottaなどの製菓材料店で購入できます。

ココア
お菓子用の砂糖不使用タイプを使用。さまざまなモチーフで使いやすい茶色。ほろ苦さが味のアクセントに。

ブラックココア
黒いモチーフを作るときの必需品。これ自体にココアの風味はないので、ココアパウダーを少量加えて使用。

カボチャ
ほっくりとした優しい甘さの黄色いパウダー。焼き色がつきやすいので、焼き時間に注意。

紅茶
香りが飛びにくいアールグレイがおすすめ。製菓用でなくてもOKなので、ブロークンなど細かい茶葉を使おう。

抹茶
抹茶の渋みが大人な味わい。焼いたあとに直射日光が当たったり、日にちが経つと色があせやすいので注意。

きなこ(薄)
スーパーなどで販売しているものでOK。見た目が白っぽいきなこを選ぶと、焼いたあとが薄いベージュになる。

きなこ(濃)
色が濃いきなこは、そのままの濃いベージュに焼きあがるので、薄いベージュと使い分けて濃淡を出せる。

すりごま(黒ごま)
黒とグレーのまだらな色合いが特徴。粒が粗い場合はすってから使う。発色が薄い場合は、練りゴマ(黒)を足す。

バタフライピー
チョウマメと呼ばれる豆科の植物から抽出した、青く発色する天然のパウダー。量を調節し、色を調整しよう。

ラズベリー
赤い生地用パウダー。酸味が強く、クッキーの味のアクセントにもなる。焼き色がつきやすいので注意。

ストロベリー
少しくすんだピンク色に発色。優しい酸味が特徴。焼きすぎるとベージュになるので、焼き加減に気をつける。

紫イモ
ほっくりとした甘さを感じる紫色のパウダー。酸に反応すると発色がよくなるので、レモン汁を少量加えて使う。

アイスボックスクッキーの作り方のポイント

アイスボックスクッキーの魅力は、そのサクサクとした食感にあります。

美味しいクッキーを作るためには、生地の混ぜ方、温度管理、そして砂糖の種類が重要です。

それぞれの基本的なポイントをしっかりと押さえて、理想のクッキーを焼き上げましょう。

作り方のポイント①クッキー生地は触りすぎない

小麦粉にバター、牛乳、卵などの水分を加えて練ることにより、小麦の中に含まれる二つのタンパク質が反応して「グルテン」と呼ばれる成分が形成されます。このグルテンは、その粘りと弾力によって生地の質感を決め、グルテンの量が多いほど硬く固いクッキーができます。

そのため、アイスボックスクッキーの生地は「練らない」ことが重要です。

柔らかくしたバターに小麦粉を加える際は、ゴムベラを使用して生地を軽く「切る」ようにして混ぜ合わせ、生地の上下を優しく入れ替えましょう。
このやり方で、生地をさっくりと混ぜ合わせることができ、硬くなりすぎるのを防ぎます。

作り方のポイント②クッキー生地は冷たい状態で保つ

グルテンは温度が上がると増えるため、扱いに注意が必要です。アイスボックスクッキーは冷やしながら作るため、グルテンが過剰に発生する心配は少ないようですが、このタイプのクッキーには溶けやすいバターが多く使われています。

そのため、バターを室温で柔らかくする際には、過度に柔らかくなり過ぎないよう注意が必要です。

また、クッキー生地が完成したらすぐに棒状に成形するのではなく、一度冷蔵庫でしっかりと冷やしてグルテンを休ませることが大切です。これにより、生地が安定し、焼成時に理想的なテクスチャーを保つことができます。

作り方のポイント③砂糖の種類を変えてみる

使用する砂糖の種類によってクッキーの食感が異なります。今回は、口どけの良いホロホロとした食感になる粉砂糖を使用するレシピを紹介していますが、グラニュー糖を使うと、サクサクとした食感が楽しめます。

ベース生地の作り方

ベース生地とは、プレーン生地とカラー生地のどちらにも必要な、粉類を加える前の基本となる生地です。

*おいしく作るPOINT*

1 材料をムラなくしっかり混ぜ合わせる。
2 全卵は他の材料となじむよう、常温でよく溶いてから混ぜ合わせる。
3 粉物を加えて混ぜるときは、練らないように注意する。

▼材料(できあがり200gの場合)
無塩バター 100g
粉砂糖 75g
全卵 27g
塩 2つまみ

(1)バターを常温に戻し、ボウルに入れて、ゴムベラで扱いやすい状態になるまで練る。
※常温に戻りづらい場合は、電子レンジ(200W)で10秒ずつ加熱をして、柔らかくしてもOK。ただし、溶かさないように注意すること。

(2)ホイッパーに持ち替えて、粉砂糖を3回に分けて加える。加えるつど内側から外側、外側から内側へと交互に回し、ゆっくり丁寧に混ぜ合わせる。

(3)粉砂糖をすべて入れたら、塩を加え、円を描くように10回ほど力強く混ぜ、次に線を描くように左右に10回混ぜる。これを2度くり返す。

(4)途中、ホイッパーについた生地を取ってボウルに戻し、(3)の工程をさらに2度くり返す。

(5)室温に戻した溶き卵を加え、内側から外側へ広げるように回す。同様に逆回転でも混ぜ合わせる。

(6)(3)と同様に、円を描くように10回、左右に10回混ぜ合わせる。これを2度くり返す。

(7)ホイッパーについた生地を取ってボウルに戻し、ゴムベラに持ち替え、ボウルの底から混ぜ返してムラをなじませる。

(8)再度(6)(7)の工程を2度くり返し、完全に材料が混ざって生地がしっとりしたら、ベース生地の完成。

まとめて作り、色ごとに必要な量を
取り分けて使いましょう。

 

プレーン生地の作り方

プレーン生地は、ベースの生地に薄力粉とアーモンドパウダーを混ぜ合わせて作ります。

▼材料(できあがり200gの場合)
ベース生地 100g
薄力粉 83g
アーモンドパウダー 17g

(1)ボウルにベース生地を入れ、薄力粉とアーモンドパウダーを合わせてふるい入れる。

(2)ゴムベラで縦に切るように混ぜ、次に横に切るように混ぜる。

(3)粉が少し混ざったら、ボウルの底から生地をひっくり返すようにして、さらに混ぜ合わせる。

(4)ボウルの側面に生地を押しつけるようにしながらさらによく混ぜ合わせ、完全に粉っぽさがなくなるまで混ぜる。
練らないように注意!

(5)100gごとにまとめてラップし、冷凍庫で30分以上寝かせて完成。

カラー生地の作り方

プレーン生地(白)以外のカラー生地の作り方を紹介します。

▼材料(できあがり200gの場合)
ベース生地 100g
薄力粉 72g
アーモンドパウダー 14g
紫イモパウダー 14g
レモン汁(紫イモの場合のみ) 適量

※上記の分量はできあがり200gで紫イモ生地を作る場合。

(1)ボウルにベース生地を入れ、薄力粉、アーモンドパウダー、カラー生地用パウダーを合わせてふるい入れる。

(2)ゴムベラで縦と横に切るように混ぜ、粉が少し混ざったら、ボウルの底から生地をひっくり返すようにして、さらに混ぜ合わせる。

(3)レモン果汁を少量加え(紫イモ生地の場合のみ発色をよくするため)、さらにゴムベラでさっくりと混ぜ合わせる。

(4)ボウルの側面に生地を押しつけるようにしながらさらによく混ぜ合わせ、完全に粉っぽさがなくなるまで混ぜる。
練らないように注意!

(5)100gごとにまとめてラップし、冷凍庫で30分以上寝かせて完成。

なお、本稿は『切っても切ってもかわいい みのたけ製菓のアイスボックスクッキー』(マキノ出版)の中から一部を編集・再構成して掲載しています。詳しくは下記のリンクからご覧ください。

切っても切ってもかわいい
みのたけ製菓のアイスボックスクッキー
▼切っても切っても同じ絵柄が現れる素朴でかわいいアイスボックスクッキーの作り方を大公開!▼初心者でも作れる丁寧なプロセス付き!▼天然素材で作るカラフルな生地を組み合わせて、かわいいモチーフが作れる!
※(1)「アイスボックスクッキーとは」の記事もご覧ください。

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