久々に登場した35ミリフィルム専用スキャナーをレビュー。「OpticFilm 135i」は、本体に挿入したフィルムホルダーを、ゆっくりとスライドさせながらスキャンをしていく仕組み。スキャンの設定や操作は専用ソフトで行うが、本体にもスキャン開始ボタン(ポジ/ネガ/カスタムの3種)を装備。
今回のテストアイテムはこちらPlustek 「OpticFilm 135i」
●プロフィール
久々に登場した35ミリフィルム専用スキャナー。最高読み取り解像度は7200dpi。色深度はRGB各16ビットで、合計48ビットの情報が得られる。マウントなら4コマ連続、スリーブなら6コマ連続でスキャンが可能だ。
SPEC
●イメージセンサー/CCD●光源/LED●ハードウエア解像度/7200dpi●スキャン速度/600dpi:約52秒、3600dpi:約6分、7200dpi:約25分(カラー、6コマ、赤外線機能有効時)●対応OS/Windows 7/8/10(64bit)、macOS 10.10~10.15●接続/USB2.0●サイズ/幅175mm×高さ104.3mm×奥行き259.2mm●重量/1.56kg
■2種類のフィルムホルダーが付属
■設定は専用ソフトで簡単にできる
最高7200dpiの高解像度で読み取れる
昨今、フィルムスキャナーの主流となっているのは、内部にデジタルカメラを搭載し、フィルムを撮影するタイプ。だが、本機は、フラットベッド型スキャナーや、かつてオリンパスやニコンが製造していたフィルムスキャナーと同様のラインセンサータイプだ。一発で撮影してデータを生成するデジカメ内蔵タイプに比べ、フィルムを少しずつ動かしながらスキャンして最終的に1枚のデータを生成するため、精度が高く、階調の再現性に優れるとされる。
本機でスキャンして生成されるデータは、最高解像度の7200dpiで約5500万画素。読み取るフィルムの状態によって、得られるデータの質は当然変わってくるわけだが、データ量が多ければ多いほど、画像編集ソフトを使ってレタッチ(加工や修整など)を行うには有利だ。
カラーで48ビット(16ビット×RGB)、モノクロで16ビットの色深度を持つだけに、階調の再現性も十分。もし、レタッチを前提としないなら、7200dpi以外にも、3600dpi、2400dpiなど6種類から解像度を選択することができる。
専用ソフトの操作は簡単だが、機能は限定的
操作は、同梱の専用ソフト「QuickScan Plus(クイックスキャン プラス)」を使う。初期画面でスキャンモードを「ポジフィルム」「ネガフィルム」「カスタム」から選び、解像度などを設定したら「スキャン」ボタン(本体側のボタンでも可)を押すだけと、実に簡単だ。
なお、画像ビューワーと画像編集機能も備えているが、操作はシンプルながら機能は限定的。本格的にレタッチをしたいなら、別途、ソフトを用意したほうがいいだろう。
本体は、天板などのプラスチックは薄く、たたくと安っぽい音がする。価格からすると、もう少し剛性が欲しい。
おすすめ度…B₊
今や貴重なラインセンサー式。手軽に操作ができ、階調の再現性も十分
ココが〇
現在、手に入るフィルムスキャナーとしては貴重なラインセンサー式。高解像度でスキャンし、画像を仕上げる過程を楽しみたい人は買いだ。
ココが✖️
本体価格とスキャン作業の手間を考えると、画素数を求めないなら、メーカーやショップのスキャンサービスを利用したほうが、速くて確実かも。
※文中の「オススメ度」は、「A+」から「C-」までの9段階評価になっています。
※価格は記事作成時のものです。
●解説/諸星和明 (ウォーターマーク)