【車中泊のポータブル電源】最大16Aの電流を1時間出力する「ミツルくん」がおすすめ ご飯が劇的にうまく炊ける

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「炊きたてのご飯がおいしい!」。ただそれだけで、幸せな気持ちになれる方も多いでしょう。筆者のように、家族で長期のキャンピングカー生活に出かける人間も同じです。シンプルな炊きたてご飯がおいしいだけで、キャンピングカー生活のストレスも低減します。車中泊では、JPN直流家のアウトドア炊飯器「タケルくん」を使っているという方も多いと思います。今回は、人気の「タケルくん」の弱点を克服する、直流家仕様ポータブル電源「ミツルくん」を試してみました。

執筆者のプロフィール

齋藤千歳(さいとう・ちとせ)

元月刊カメラ誌編集者。新しいレンズやカメラをみると、解像力やぼけディスク、周辺光量といったチャートを撮影したくなる性癖があり、それらをまとめたAmazon Kindle電子書籍「レンズデータベース」などを出版中。まとめたデータを元にしたレンズやカメラのレビューも多い。使ったもの、買ったものをレビューしたくなるクセもあり、カメラアクセサリー、車中泊・キャンピングカーグッズなどの記事も執筆。現在は昨年8月に生まれた息子と妻の3人、キャンピングカー生活にハマっており、約1カ月かけて北海道を一周するなどしている。

車中泊の定番炊飯器「タケルくん」の弱点

エンジンが動いているときにしか炊飯できない

車中泊やキャンピングカーでの生活を楽しんでいるなら、すでに多くの方が持っているのではないかと思われる、DC12V仕様アウトドア炊飯器の定番「タケルくん」。車両などで使用するときには、純正シガーソケットから直接電源をとって使用するように、注意書きがあります。また、分配やコンバーター電源なども使えません。しかも、安全性の問題から走行中は使用できないのです。すなわち、どこかに駐車してアイドリング状態で約30分の炊飯を行う必要があります。

車中泊炊飯器の定番JPNの「タケルくん」。アウトドアで炊きたてご飯が食べたい人は必携の炊飯器といえます。

直流炊飯器 タケルくん DC12V専用 JPN-JR001
最大炊飯量:1.5合 ・入力電圧:DC12V ・使用電流:8.5A ・消費電力:110~120W ・本体重量:592g
直流電気(DC12V)で炊飯する為に様々な工夫が施されたポータブル炊飯器となります。密閉釜と内部保温構造により、省エネでもふっくらと炊き上がる仕組みとなっております。
車両の純正シガーソケットに直接差し込んでエンジンを始動させる事で安定した電気を受ける事が出来、炊飯を可能にしております。
直流電気はシビアですので分配器などを経由すると電力が足りなくなります。延長等も専用ケーブルを使用しないと電流不足になります。
蓄電池などで使用する場合はDC12V-10A以上を安定して…
¥5,835
2021-03-06 8:05

購入時には「それくらい仕方ないよね」と思うのですが、実際に使い始めると不便を感じる方も多いでしょう。

キャンピングカーの電源で炊くとご飯がまずい

キャンピングカーで出かけ、道の駅で朝起きて、次の目的地への出発の準備をしながら朝食を用意する。当たり前の光景でしょう。では、このとき、ご飯を炊くのにアイドリングできますか?

すでに常識ですが、道の駅などの施設でのアイドリングは禁止です。道の駅だけでなく、一般的な駐車場でもアイドリングは禁止だと思います。しかし、基本的に走行中の炊飯はできない仕様です。そのため、仕方なくほかの人の迷惑にならず、安全性上の問題もない方法を選択します。そう、使ってはいけないと書いてあるキャンピングカーのバッテリーからの電源を使って「タケルくん」で炊飯するのです。

やってはいけないと書いてあるが、ほかに選択肢がなく、キャンピングカーのバッテリーからの電源で炊飯することもしばしば。

注意してほしいのは、車両などの純正ソケットから直接以外の使用を「タケルくん」は想定していないので、キャンピングカーのバッテリーからの電源などで使うのは自己責任です。故障などの可能性もあるので注意ください。さて、とはいえ、仕方のない状況で筆者は何度かキャンピングカーのバッテリー電源で「タケルくん」を使って炊飯をしました。

結果は、「驚くほどご飯がまずくなる!」のです。

そもそも、30分以上もアイドリングして問題のない駐車スペースの確保は、かなり難しい条件です。おそらくメーカーもそれはわかっていたのでしょう。

この問題を解決するためにJPNが投入したのが、直流家仕様ポータブル電源「ミツルくん」
です。

定番アウトドア炊飯器「タケルくん」の弱点を補うために開発された、ポータブル電源「ミツルくん」。実勢価格は35,000円前後です。

直流家仕様 ポータブル電源ミツルくん AC100V-200W USB出力4個 リチウムイオン60000mAh (DC12V-16A タケルくん・ワクヨさん用DC回路も搭載) JPN-JR16V
リチウムイオン容量60000mAh AC出力100V(50Hz)コンセント DC出力12V-16A(最大) DC5V(USB)
本製品は直流家シリーズのタケルくん12V用、ワクヨさん12V用のDC回路に合わせて開発されたポータブル電源となります。最大16Aもの安定した電流を継続的に1時間程度まで出力する事が可能となりますので他のポータブル電源では不可能なDC12V用のタケルくん2台同時使用及びタケルくん&ワクヨさんの同時使用を可能にしたポータブルバッテリーとなります。タケルくんで炊飯しながらワクヨさんでお湯を沸かす事が可能(環境や状態によっては専用ケーブルが必要)となりますのでアウトドアや車中泊時にカップラーメンとライスを食する事が出来ます。
¥32,416
2021-03-06 8:14

直流家仕様ポータブル電源「ミツルくん」とは?

60,000mAhの中出力程度ポータブル電源

車中泊やキャンピングカー泊を楽しんでいる人なら、1つくらいは持っているであろうポータブル電源。実際、筆者も小型のポータブル電源を所有しています。「ミツルくん」もそういったポータブル電源で、容量は60,000mAhで家庭用のAC電源のコネクタが2つ、AC100V-50Hzで200W(瞬間最大400W・疑似正弦波)、DC12Vのコネクタが4つ(シガーソケットのメス側にも変換可能)、さらにUSBコネクタが合計4つ(うち5VのUSBコネクタが2つ、QC-18W、TYPE-Cがそれぞれ1つずつ)用意されています。また、「ミツルくん」自体を充電するための家庭用ACアダプターと、クルマなどのシガーソケットから充電するためのDCアダプターが同梱されています。

白と黒を基調としたシンプルなデザインの「ミツルくん」。外観は普通のポータブル電源と大きな違いはありません。

「タケルくん」を使うための「でんだく回路」

本体サイズ約210×139×123mm、質量約2,400gの「ミツルくん」は、決して大容量ではありません。しかし、アウトドア炊飯器の「タケルくん」や車載用湯沸かし器の「ワクヨさん」など、高電流を必要するアイテムが使用できるように、直流家シリーズ共通の「でんだく回路」を採用。最大16Aもの電流を1時間程度まで出力することが可能になっています。

一般的なポータブル電源では、電流や電圧が徐々に低下し、「タケルくん」や「ワクヨさん」を使用するための許容以下になることがあり、筆者のようにおいしくご飯が炊けないという結果に。それだけでなく、故障の原因にもなるそうです。「ミツルくん」はまさに「タケルくん」や「ワクヨさん」を使うことを最優先した直流家仕様ポータブル電源なのです。

LED照明も搭載した「ミツルくん」。最大50時間以上点灯可能で、常時点灯、点滅、SOSモールス信号での発光もできます。

「ミツルくん」専用ケーブルもある

より効率を上げるための専用ケーブル

「ミツルくん」から「タケルくん」や「ワクヨさん」に電源を供給する場合、「ミツルくん」にシガーソケットのメスとあるアダプターを装着、これに「タケルくん」や「ワクヨさん」の電源についたシガーソケットのオスを差し込みます。これは、素人目にも変換が多くて、電気の効率が悪そうと思うのです。そのため「ミツルくん」には、「タケルくん」や「ワクヨさん」を直接DC電源に接続するための専用コードが用意されています。

「ミツルくん」から「タケルくん」、「ワクヨさん」に電源を供給するための専用コードが用意され、より効率的に電気を使うことができるそうです。

「ミツルくん専用・タケルくん電源コード」(写真:左)が実勢価格1,100円、「ミツルくん専用・ワクヨさん電源コード」(写真:右)の実勢価格が1,144円。配線抵抗を減らして効率的に電気を効率的に使えるだけでなく、シガーソケットアダプターでの接続を省略することで、電源周りがかさばらなくなるというメリットもあります。

専用コードを使わない場合(写真:上)と専用コードを使った場合(写真:下)。見た目もすっきりするのでおすすめです。

「ミツルくん」でご飯を炊くとどうなの?

炊きたてご飯がおいしく食べられる

過去の記事「【車中泊のご飯】車内で炊飯ができる炊飯器「タケルくん」レビュー!新米6種類で比較してみた!」などでも、筆者は、きちんとアイドリングをして「タケルくん」で炊いたご飯は自宅で炊いたご飯を遜色ないほどおいしい、と評価しています。ですが、アイドリングを避けて、キャンピングカーのバッテリー電源につないで「タケルくん」で炊いたご飯は、「イマイチ」いうよりも「イマニ」くらいでした。バッテリー電源で炊いたご飯はおいしくないので、お茶漬けや雑炊でごまかしていました。

一方、「ミツルくん」から電源供給をして「タケルくん」で炊いたご飯は、アイドリングして炊いたご飯と同じようにおいしいのです。ツヤツヤもっちりに炊けるので、卵かけごはんや納豆ご飯などを思う存分楽しめます。

「ミツルくん」+「タケルくん」で炊いたご飯はツヤが違います。朝のご飯が本当においしくなりました。

充電はどうするの?

約7時間で充電できる設計が秀逸

「ミツルくん」の充電は、家庭用AC電源アダプター、クルマのシガーソケットDC12Vからも可能です。すばらしいポイントは、AC電源でもDC電源でも約7時間で満充電できる点。オプションのトラック用充電器、受光条件により異なりますが、ソーラーパネルからも7時間で充電できるようになっているといいます。筆者の場合、キャンピングカー生活といっても乳児の息子といっしょなので、実際にクルマのエンジンが掛かっているのは、1日せいぜい5、6時間をいうことが多いのです。それでも、朝の出発から充電しておけば夕飯前には満充電ということが多く、実用的でした。

キャンピングカーのエンジンが動いているときはシガーソケットから充電して、夕方には満充電というイメージです。

ソーラーパネルの実力はわからず

直流家には、ソーラーチャージャーの「ソラさん」という製品もあります。実勢価格は24,000円前後です。こちらも、今回のキャンピングカー旅で持参しました。しかし、冬の北海道では、屋外は基本マイナス気温、そして日の出が7時で、日没が16時のイメージなので、太陽の出ている時間帯はキャンピングカーが動いており、その中に設置しても充電が行えない状態でした。「ソラさん」でも「ミツルくん」が7時間で満充電ということなので、別途どこかで、その実力を検証してお知らせしたいと考えています。シガーソケットからの充電と併用できるといいのにとも思ったのですが、それはできない仕様でした。

直流家のソーラーチャージャー「ソラさん」。「ミツルくん」を7時間で満充電するという実力をどこかで検証したいと思っています。

充電のリズムがつかめれば必要にして十分

「ミツルくん」は60,000mAhのポータブル電源なので、大容量ポータブル電源といった位置付けではありません。そのため、昼間キャンピングカーで走っているときに充電。停車後、原稿を書いたりするためのパソコンなどに電源を供給して、翌朝に「タケルくん」でご飯を炊いて、出発後のキャンピングカーが走っている状態で充電の繰り返しでは、電力が不足するのではないかと思いました。しかし、使用する電力と充電のリズムがつかめてくると、電池容量よりも充電にかかる時間が重要なことに気付いたのです。単純に容量が大きいだけでなく、シガーソケットなど、家庭用電源のない条件で短い時間で充電でき、毎日のサイクルのなかで繰り返し使えることが重要だといえます。「ミツルくん」は容量こそ、あまり大きくありませんが、この条件を満たしているので、とても使いやすかったです。

まとめ

「タケルくん」を使うなら必須の電源

キャンピングカーのバッテリー電源で「タケルくん」を使うと、「ご飯がまずい!」、そして故障の原因になることも理解していました。しかし、早朝に道の駅やRVパークでルール無視のアイドリングするくらいなら、まずいご飯を我慢するか、朝食をパンにするほうがマシです。この問題を解決してくれるポータブル電源が、直流家純正の「ミツルくん」です。「タケルくん」でご飯がおいしく炊けるなら、筆者はそれだけで「買い」だと思っていましたが、結果は筆者の期待以上でした。

また、電気容量はあまり大きくありませんが、シガーソケットでも満充電までの時間が短いなど、実際の車中泊に考慮された設計は、ポータブル電源としても満足の内容でした。「タケルくん」でご飯を炊くすべての方に、ぜひおすすめしたいです。

車中泊でもアイドリングなしでおいしい炊きたてご飯を食べたい!という方に必携のポータブル電源「ミツルくん」。

また、今回は検証しきれませんでしたが、ソーラーチャージャー「ソラさん」、車載湯沸かし器の「ワクヨさん」などとの組み合わせを含めて、さらに検証を行いたいと思っています。

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齋藤千歳(フォトグラファーライター)

元月刊カメラ誌編集者。新しいレンズやカメラをみると、解像力やぼけディスク、周辺光量といったチャートを撮影したくなる性癖があり、それらをまとめたAmazon Kindle電子書籍「レンズデータベース」などを出版中。まとめたデータを元にしたレンズやカメラのレビューも多い。使ったもの、買ったものをレビューしたくなるクセもあり、カメラアクセサリー、車中泊・キャンピングカーグッズなどの記事も執筆。現在はキャンピングカーを「方丈号」と名付け、約9㎡の仕事部屋として、車内で撮影や執筆・レビューなどを行っている。北海道の美しい風景や魅力を発信できればと活動中。

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