サブスクと最も相性がいいのは、動画や音楽配信などの「デジタルコンテンツ型」。ほかには、家電やカメラなどのモノを一定期間利用できる「レンタル型」や、食品や飲料などを店頭や配送で入手できる「頒布会・定期便型」も登場している。「支払い方法」や「解約方法」などは、しっかり確認しておこう。
購入する場合に比べ費用を抑えられる
近ごろ、テレビや雑誌など、各種メディアで「サブスク」という言葉を目にする。「サブスク=使い放題」と漠然と考える人も多いだろうが、それは当たらずとも遠からず。おさらいしておくと、そもそもサブスクとは英語の「subscription」の略で、「定期購読」や「予約購読」の意味合いを持つ。
かみ砕いていえば「定額を支払うことで、一定期間、商品やサービスを利用できるビジネスモデル」を示す。
一昔前は、新聞や雑誌の定期購読がサブスクの代表例だったように、サブスク自体は「使い放題」と同義ではない。さまざまなサブスクがある中で、定額を支払う対価が「使い放題」のタイプもあると考えたほうが正しいだろう。当然、サブスクの中には、食事券のような利用回数に制限のあるサービスも多数ある。
サブスク流行の理由はいくつもあるが、最たる原動力となっているのが「コスパの高さ」だ。例えば、動画配信サブスクの「Hulu」では、月額1026円で約7万本の作品が見放題となる。レンタル換算で7万本のコストと比べると、考えるまでもなく圧倒的に安価だ。
一定期間の利用権を得るだけなので所有はできないが、「いろいろな商品を試したいが、保管の手間はかけたくない」「モノやサービスは利用できれば十分」といった、現在のミニマリスト的な風潮とも合致する。
サブスクのメリット
●購入する場合に比べて初期コストがかからない
●豊富な品数の中から選んで利用できる
●常に最新版の商品やデータを利用することができる
●保管やメンテナンス、修理などのコストがかからない
サブスクのデメリット
●基本的に解約すると手元に品物が残らない
●利用頻度が低くても月々定額の料金がかかる
※サブスクで得られるのは原則「一定期間の所有権」のみ。そのため、料金は割安だが、解約すれば手元に商品は残らない。
こうしたサブスク人気を追い風に、現在はさまざまな分野でモノ・サービスのサブスク化が進行中だ。
サブスクと最も相性がいいのは、動画や音楽配信など、デジタルデータをオンデマンド配信できる「デジタルコンテンツ型」。ほかには、家電やカメラなどのモノを一定期間利用できる「レンタル型」や、食品や飲料などを店頭や配送で入手できる「頒布会・定期便型」も登場している。
レンタル型は従来のレンタルと変わらないように見えるかもしれないが、料金はあくまで「定額」という点が大きな違いといえるだろう。
サブスクの種類
支払いはクレジット、解約の方法も要確認
一方、サブスクを語るうえで外せないのが「支払い方法」についてだ。
実は、前述のコスパに加え、サブスクの普及にはクレジットカードをはじめとする「キャッシュレス決済」の存在も一役買っている。というのも、大半のサブスクはオンライン決済が基本のうえ、定期購入の支払い方法として現金払いや振り込みは煩わしいからだ。
したがって、サブスクを契約するなら、最低限でもクレジットカードやキャリア決済程度は利用できるように準備しておきたい。
もっとも、キャッシュレス決済でサブスクを気軽に契約できるようになった半面、それにまつわる問題も増加している。
例えば、試用期間中の解約を忘れて課金されてしまったり、考えなしに高額なプランに加入してしまったり、解約したつもりのサブスクに料金を支払い続けていたりなど、金銭がらみのトラブルもある。
とはいえ本を正せば、いずれもユーザー側の不注意によるもの。契約内容をしっかり確認しておけば、問題になることはないだろう。
ほかに注意したい点としては、サブスクの「解約方法」がある。一口にサブスクといっても事業者はまちまちであり、解約方法も異なってくる。
基本的には各サービスの公式サイトから操作できる場合がほとんどだが、更新日ギリギリにいきなり手続きしようとすると要らぬ失敗を招くことになる。あらかじめサポートやヘルプなどで具体的な解約方法を調べておきたい。
また、サービスによっては解約後に「解約完了メール」を送付してくれる場合もあるので、そちらもしっかりと確認しよう。
サブスクにまつわるトラブル例
●「無料トライアル期間」を過ぎると自動的に有料サービスに移行するので、知らず知らずのうちに本契約となっていた。
●解約したつもりでも、実際には手続きが完了しておらず、支払いが継続されていた。
●自分にとって必要以上のプランやオプションを契約してしまった。
●サービスを利用するための端末や環境が手元にそろっていなかった。
●IDやパスワードを忘れてしまったためにサービスを利用できず、解約の手続きができなかった。
■解説/篠原義夫(ガジェットライター)