バルミューダのスティック型掃除機「BALMUDA THE CLEANER」。非常にシンプルで、そそるデザインですが、私にはちょっと実力不足の様に感じました。似たような掃除機に、ダイソンの「Dyson Omni-glide」があり、縦横に動く掃除機が現在のトレンドまっしぐらのようですね。今回はこのバルミューダのTHE CLEANERをレポートしながら、そう感じた理由をお話ししましょう。

BALMUDA THE CLEANERをレポート

バルミューダらしいいい着眼点が目立つ

画像: BALMUDA THE CLEANER www.balmuda.com

BALMUDA THE CLEANER

www.balmuda.com

バルミューダ初のスティック型掃除機、BALMUDA THE CLEANERですが、設計上、2つの大きな特徴を持ちます。1つは、低重心型の「自立式」であること。もう1つは、デュアルブラシヘッドと360°スワイプ構造でそのヘッドを自在に動かすホバークラフトテクノロジーを採用していることです。デュアルブラシヘッドは、スティック型掃除機では、東芝「VC-CL3000X」、ダイソン「Dyson Omni-glide」が採用したモデルをラインナップしていおり、今後のトレンドになる可能性があります。

自立式なのでとても軽い。しかし…

スティック型掃除機での「自立式」のメリットは、掃除をしている間、手にかかる重さが少ない、つまり軽いことです。

BALMUDA THE CLEANERの重さは、総重量、3.1kg(カタログ公表値)。ところが手にかかる重さは約0.51kgととても軽い(掃除する斜め持ち静止状態での筆者実測)。THE CLEANERは、「ヘッド」「本体(ハンディ掃除機)」「柄」の3つから構成されますが、それぞれ、1.51kg、1.38kg、0.32kg(いずれも筆者実測値)と床に近い方が重く、床から遠ざかるにつれて、軽くなっています。つまり、超低重心。確かに、軽いです。

しかし、実際に使ってみると、時々グンと重さを感じることがあります。それはヘッドが軽く床から離れた時、柄の角度をラフに変える時などほんの時たま、ガツンとした重さを感じます。

理由は、総重量が思いからです。バランスが取れて、同じ方向に進んでいるうちは軽いのですが、何かの弾みでヘッドが浮くと、床が受けていた重さを手で受けることになります。通常が500mlのペットボトル1本分の超軽めですから、急に1.5Lのペットボトルに変わったかの様です。防ぐためには、絶対にヘッドを床から離さないこと。実は、これが結構大変なのです。

対して、似たイメージのDyson Omni-glide。こちらは自立式ではなく、手持ち式のレイアウトをとります。このため、同じ様に個人て測定した手にかかる重さは850g。しかしダイソンは、気にせずとも、軽い状態が続きます。これは、総重量が1.9kgと軽く作ってあルためです。そう言う意味では、設計上はバルミューダがよくできていますが、実際に使って見ると、ダイソンの方が軽く感じたりするわけです。

掃除機の専門メーカーとして百戦錬磨のダイソンと、初商品化のバルミューダでは、ちょっと差があるように感じたのです。

バルミューダの総量が重いのは、まずヘッドが重い。そして本体が重いためです。最近は高性能小型軽量モーター、小型軽量高容量バッテリーが以前よりは手に入りやすくなったとは言え、モーターは社内で開発、子会社にバッテリーメーカーを持つダイソンにはかないません。

生産ラインを持たないバルミューダが、ダイソン並のパーツを使うためには、数量保証が必要だと思いますが、まだ、アップル社のiPhoneの様な、販売強さはありません。

バルミューダのBALMUDA THE CLEANERは、設計の狙いはいいものの、設計の良さをまだ上手く引き出せていない。そんな感じのところがあります。

ハンディへの切り替えやデザインがあと一歩

バルミューダデザインに定評があります。確かにキレイ。デザイン家電の中でも高評価していいと思います。しかしながら、静止した時に、スティック型掃除機のように、ハンディ掃除機としても使えることが前提にある場合は、動的なデザイン(設計)の良さが必要とされます。BALMUDA THE CLEANERは、そこの設計がほとんど重視されていません。もし、私がプロデューサーだとNGを出したでしょうね。

BALMUDA THE CLEANERの本体は、完全な円筒にデザインされています。このため、柄を外し、ヘッドを外す必要があります。すると本体になるのですが筒です。かなり太く、重い円筒です。これに取手を付け、アダプターを付けます。すると鑿岩機のようなデザインのハンディ掃除機になります。

画像: www.balmuda.com
www.balmuda.com

今までにない形で、正直、大変使いにくいです。確かにハンディ掃除機をメインで使うことはありませんが、日々の掃除でも使いたいところはあります。

その度に、「よっこらしょ。どっこいしょ」と掃除機を組み立て直すのはどうでしょうか? また、エプロンのポケットにアダプターを突っ込んでおくにせよ、練られている感じがしません。

軽やかなヘッドの動きは見事

バルミューダが、「掃除機は、前後の動きから、自由な動きへ。まったく新しい掃除体験」と言っているのは、「ホバーテクノロジー」というシステムによります。

画像: まったく新しい掃除機体験を実現する「ホバーテクノロジー」 www.balmuda.com

まったく新しい掃除機体験を実現する「ホバーテクノロジー」

www.balmuda.com

これは、2つの技術が噛み合わされて作られています。1つ目はデュアルヘッドブラシです。ヘッドは通常シングル。このローラーが床にベタ付きすることにより、床の小さな凸凹に詰まったゴミをほじり出し吸い込みます。床に強く当てると効果は高いのでですが、前に進みにくくなります。このためローラー自体をモーターで回す、パワーヘッドは大きな魅力です。

デュアルローターはパワーヘッドとは異なります。が、軽い。ヘッドパーツだけで、約1.5kg、しかも低重心ですから、総重量、3.1kgが上からのしかかっているとも言えるのですが、重さを感じません。それはデュアルローターで上方向の力を作っている上に、小型の3つの車輪で支えているからです。車輪は360°、どの方向へも動きます。本当に軽く動きます。

そして、それを360°自在に動かすためのシステムが、360°スワイプ構造です。
確かに、このシステムは見事です。しかし、前述の様に、その効果が感じられない瞬間もあるわけですから、まだ完全というわけではなさそうです。

画像: 【BALMUDA THE CLEANERレビュー】バルミューダらしさが詰まった先進的な掃除機に私が感じた期待と誤算
バルミューダ ザ・クリーナー 掃除機 サイクロン 白 BALMUDA The Cleaner C01A-WH
摩擦抵抗を低減するデュアルブラシヘッド、それを自在に操るための360°スワイプ構造、2つの要素によって実現した独自のホバーテクノロジー。
広いフローリングや畳の上も。椅子や机の下も、せまいすき間も壁ぎわも。BALMUDA The Cleaner なら、思いどおりに、気持ちよく掃除をすることができます。
シンプルで清潔であること。そして一本のほうきのように自然であること。使っていないときも美しく。BALMUDA The Cleaner は、現代の掃除機がどんな姿であるべきかを考えてデザインされました。
パワフルなサイクロン方式、コードレスで30分連続使用可能なバッテリー、付属アタッチメント...
¥59,400
2021-05-19 18:03

まとめ

BALMUDA THE CLEANERは、新しい技術で作られたスティック型掃除機です。新しい掃除機です。その新しさは、似た構造でダイソンが、Dyson Omni-glideを出したことでも分かります。新しい発想は、多くの場合、他のメーカーも考えていることですから、他メーカーとカチ合ったからと言って気にすることはありません。

しかし、残念なのは、その設計が活かしきれていないことです。掃除機は構成要素が多いので、何度かリファインしいろいろなディテールに磨きをかけなければなりません。それは技術という意味でもそうですが、より良いパーツを得ることもそうです。特にラインを持たないバルミューダには、必要なことです。しかし、ファーストモデルで、完璧を求めるのは厳しいところ。同じコンセプトで、モデルチェンジを行い、パーツ、ディテールのリファインが必要だと思います。

しかし、日本の総合メーカーが、新しいスタイルを提案できない中、新興のバルミューダの存在は頼もしい限りです。

◆多賀一晃(生活家電.com主宰)
企画とユーザーをつなぐ商品企画コンサルティング ポップ-アップ・プランニング・オフィス代表。また米・食味鑑定士の資格を所有。オーディオ・ビデオ関連の開発経験があり、理論的だけでなく、官能評価も得意。趣味は、東京歴史散歩とラーメンの食べ歩き。

This article is a sponsored article by
''.