ふだんからよく食べている人気野菜のキャベツ。知っているようで実はよく知らない栄養と調理のコツを紹介します。【解説】石原結實(医学博士)・牧野直子(管理栄養士)

著者のプロフィール

石原結實(いしはら・ゆうみ)

医学博士。1948年長崎市生まれ。長崎大学医学部大学院博士課程修了。血液内科を専攻。長寿地域として有名なコーカサス地方やスイスのBベンナー病院などで最新の自然療法を学び、現在イシハラクリニック院長。

牧野直子(まきの・なおこ)

管理栄養士、料理研究家。スタジオ食主宰。料理研究家として料理提案、料理制作を行うほか、管理栄養士としての観点から、生活習慣病予防、美容などによい食情報の提供をメディアや講演で行っている。日本肥満学会会員。日本食育学会会員・評議員。

本稿は『知って驚くファイトケミカル 健康野菜大全』(KADOKAWA)の中から一部を編集・再構成して掲載しています。

イラスト/村田善子

キャベツはどんな調理法だと、より効果的?

なるべく火を通さないのが理想。煮込む場合は茹で汁も残さず食べましょう

キャベツに多く含まれるビタミンCやビタミンUは水溶性なので、水につけると流出してしまいます。そのため、ただ切っただけのつけ合わせやサラダ、ジュースなど、生で食べるのが理想です。生で食べればビタミンCを壊さずにそのままとることができます。また、塩漬けやザワークラウトも生で食べる料理なので、おすすめです。

古代ローマではキャベツは最も滋養に富む野菜とされ、宴会の前に酢を使ったキャベツ料理を食べておけば酒に酔わないといわれていたそう。

煮込みや煮びたし、スープやシチューなどに使う場合は、汁も残さずに食べるようにし、溶け出た栄養分を余すところなくいただきましょう。

画像: なるべく火を通さないのが理想。煮込む場合は茹で汁も残さず食べましょう

キャベツの切り方や保存法で栄養価が変わりますか? 1日にどのくらい食べたらいい?

変わりません。ビタミンCをとるなら1日2〜3枚を目安に

切り方や保存法で栄養価は変わりません。冷凍しても同様なので、切って冷凍しておいてもいいでしょう。せん切りにするときは、繊維に沿って切るとシャキッとした歯ごたえが楽しめ、繊維を断つようにしてせん切りにすると、やわらかくふんわりとした食感になります。
1日に食べる目安は、特に決まりはありませんが、大きめの葉を2〜3枚食べると、1日に必要なビタミンCをとることができます。

芯や緑の濃い外葉には、栄養があまりないのでしょうか?

どちらも栄養たっぷり。捨てずに使います

芯や外葉にも、ビタミンCが多く含まれているので、捨てずに料理に使いましょう。炒めたり、漬けものにしたり、かき揚げにしたり。アイディア次第でおいしくいただけます。

また、外葉はβカロテンも豊富。βカロテンは油脂とともにとると吸収がよくなるので、炒めもの、炒め煮、ドレッシングであえるなど、油を使った調理法が効率のよい食べ方といえます。

とんカツには必ずキャベツがつくけど、理由があるの?

とんカツの消化を促す効果があります

もともとは老舗洋食店が始めた組み合わせだそうで、年間を通して手に入りやすいというのがいちばんの理由だったといわれています。でも、この組み合わせは、実は理にかなっているのです。

キャベツに含まれるビタミンUは、胃や十二指腸の粘膜の保護や修復を促す作用があるからです。とんカツの消化を促し、胃もたれを軽減させてくれます。とんカツだけではなく、コロッケやフライドチキンなど消化に時間のかかる揚げものを食べるときは、生のキャベツやコールスローを添えるのがおすすめです。また、キャベツに含まれる食物繊維は脂肪の吸収を抑えてくれます。つけ合わせのキャベツは残さず全部食べましょう。

春キャベツ、夏秋キャベツ、冬キャベツ。栄養価って違うの? どんな料理に向いている?

それぞれの特徴を知って、キャベツのおいしさを楽しみましょう

栄養価には差はありません。特徴としては、春キャベツは水分が多くてみずみずしいので、サラダなどの生食や浅漬け向き。夏秋キャベツは、葉がやわらかく水けもあるので、生食やスープ、焼きキャベツなどにも向いています。冬キャベツは、かたくしまっているので煮くずれしにくく、煮込み料理にぴったりです。寒さにあたって甘みが増すので、煮込むとよい味が出ます。水分が少ないので、炒めものにも向いています。

切ったら水にさらしてもいい?

短時間水にさらします

水に放すとアクが抜け、変色が防げます。また、生で食べるときだけでなく、炒めものをするときなども、水に放してから調理すると、シャキッとしたみずみずしい食感が味わえます。でも、あまり長く水にさらすと、キャベツに含まれる水溶性のビタミンCやビタミンUが流出してしまいます。シャキッとなったらすぐにざるに上げて水けをきりましょう。

画像: 短時間水にさらします

紫キャベツ、芽キャベツはどんな成分が特徴で、どんな効果がある?

紫キャベツは抗酸化作用があり、芽キャベツはビタミン類にすぐれ、優秀

紫キャベツの色素はアントシアニン系の色素。抗酸化作用があり、動脈硬化予防に働きます。また、キャベツよりビタミンCが多く含まれます。
芽キャベツはキャベツに比べて甘みも強く、糖質が多いので、キャベツよりエネルギーが高いのが特徴。ビタミンC、カロテン、葉酸(貧血や認知症の予防に働く)、ビタミンK(カルシウムの代謝に関わるビタミン)もキャベツより多く、食物繊維も豊富です。

画像: 紫キャベツは抗酸化作用があり、芽キャベツはビタミン類にすぐれ、優秀

なお、本稿は『知って驚くファイトケミカル 健康野菜大全』(KADOKAWA)の中から一部を編集・再構成して掲載しています。詳しくは下記のリンクからご覧ください。

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※④「キャベツの健康効果」の記事もご覧ください。

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