電子レンジ、オーブンレンジ、オーブントースターと似た機能を持つ家電が色々とありますが、どこがどう違うのかわからないという話を聞きます。例えばオーブンレンジでトーストできるからオーブントースターは要らないのではないか?と。しかし、適切なものを買わないと後々後悔することも。それぞれの機能と特性をきちんと知ることで、適切なものを選ぶことができます。

レンジとオーブンとグリルの違いって?

まずは調理法にもつながりますが、オーブンレンジは、3つの機能を持ちます。「レンジ機能」と「オーブン機能」と「グリル機能」です。

レンジ機能

一番特異なのは「レンジ機能」です。レンジではマイクロ波(電磁波)が使われます。電磁波はエネルギーの一形態。このマイクロ波が食材に入っていくと、食材の中の水分子が振動を始めます。これが熱に変わるのです。地球は水の惑星。その中にいる生き物は、体の中に大量の水分を持っています。クラゲなど98%位が水だそうです。食材も当然、多量の水分を持ちます。このためレンジにかけると温められるわけです。W数×時間がエネルギー量ですから、500Wより600W、600Wより1000Wの方が短い時間で温まります。

オーブン機能

一方、オーブンは放射熱を使います。オーブンレンジの場合は、上面、底面の裏側にあるヒーターが熱源になります。上面、底面から放射される熱と、ヒーターで熱せられた空気を使います。空気まで使うのを「コンベクション(対流)型」と言います。熱せられた空気は庫内から出ませんので、滞留させ温度を均一化させるわけです。その熱にどっぷり浸かるように調理する。それが「オーブン機能」です。

グリル機能

グリルは元々「焼き網」のことです。日本情緒を大切にしたイメージで言うと、七輪です。こちらの方は、オーブンと異なり、ヒーターの熱をメインに使います。表面からどんどん熱を入れ込みます。普段使いとしては、フライパンをイメージしてもらうのが一番近いと思います。それが「グリル機能」です。

「オーブン機能」と「グリル機能」は同じヒーターを共用しています。

オーブントースターの位置付けは?

さて、皆さんはオーブントースターをお持ちのことと思います。しかし、オーブンレンジでトーストできるなら不要では?と思っている人もいるのではないでしょうか?

結論から言うと、オーブンレンジでパンをトーストすることはできます。しかし、ほとんどの人がやってみて「うーん」とイマイチに思うことでしょう。
美味しさの差ではありません。トーストするのに時間がかかり過ぎるのです。理由はオーブンレンジの庫内容積が大きいことと、ヒーターが剥き出しになっていないこと。要するに、熱が伝わるのが遅いのです。

それに対しオーブントースターは、ヒーターが剥き出しで、庫内も小さい。このため手早くトーストすることができるのです。オーブントースターは大体3分、短いものは2分以内でパンを焼き上げます。5分あればチーズトーストも確実にできます。一方、オーブンレンジの多くは7〜10分ほどかかります。

パンを食べるのは、主に朝ですよね。1分1秒が惜しい朝の支度時間にこの時間差は大きな短所となりえます。加えて言うと、オーブンレンジの場合は、かなり上面に近づけてセットするモデルが多いです。と言うことは、途中でひっくり返す必要があります。いろいろな考え方がありますが、私はパンを食べる人ならオーブントースターもしくは、ポップアップトースターは必需品と考えた方がベターだと思っています。

本当にオーブンレンジは必要?

ここでオーブンレンジの必要性を考えてみます。

2人までの少人数世帯に質問です。
「あなたはオーブン料理しますか?」

私の知り合いで、少人数世帯でオーブンを使いますと言う人は、お菓子作りを趣味にしている人が多いです。まぁオーブントースターで作れないことはないのですが、長時間一定温度で焼きますので、しっかりした筐体のオーブンレンジが有利です。その上、お菓子は長期保存できるものが多い。つまり一度に沢山作れる方が便利なのです。

お菓子もそうですが、オーブン料理の特徴は、「大人数」の分量を「ほったらかし」で作れることです。少々時間はかかるのですが、これがかなり便利なのです。しかも最新の機種だと、分量などが適当な場合でもきっちり対応してくれます。また解凍からオープンの連続技など、自由度も上がっています。このため、3人以上の世帯だとオーブンレンジを検討するべきです。

その一方、多機能=機能開発ですから、本体の値段は高くなります。

このため少人数世帯は、自分がどの位オーブン料理をするのかを考えてください。まずはオーブントースターで頑張ると言う判断もありです。そして自分なりのベストなやり方がわかったら、オーブン機能が充実したオーブンレンジを買えばいいと思います。

つまり、使う頻度がそうなさそうなら「単機能レンジ」セレクトで大丈夫です。単機能レンジは、皿を回して温める「皿ありタイプ」と、どのようなセットをしても温められる「皿なしタイプ」の2つのタイプがあります。ちょっと高いのですが、どんな形、大きさでも入れられれば温められる「皿なしタイプ」がいいでしょう。中に凹凸がないことを確認してくださいね。清掃がグンと楽になります。オーブン料理を積極的に作りたい人は、オーブンレンジをご活用ください。

日立のホームページがわかりやすいので参考にしてみてください。

価格差の違いは「容量」と「出力」

さてオーブンレンジは、いくつかのラインナップを持ちます。差はどこにあるのかと言うと「容量」と「出力」です。

「容量」は外寸というより、「一段仕様か、二段仕様か」が重要です。二段の方ができることが多くなりますのでおすすめしたいのですが、使わないトレイをどこに置いておくのかなどの問題も出てきます。

出力差は、トップ温度とスピードに差が出てきます。温度は基本〜250℃ですが、〜300℃だと余力がある分、料理の作り方にも余裕が生まれますし、汚れを焼き切る機能を持っているモデルもあります。また、どちらかというと対応し難い「グリル機能」も性能が上がります。その分、電気代もかかるのですが、美味しさには変えられないということでしょうか。

また、ヘルシーな食生活のためにノンフライをターゲットにする人もいると思います。その時も高出力の方が有利です。

おすすめモデルを紹介しましょう。

東芝石窯ドームのプレミアムモデル
ER-WD7000

画像: 350℃がすごい! www.toshiba-lifestyle.com

350℃がすごい!

www.toshiba-lifestyle.com

三菱レンジグリル
RG-HS1

画像: 日本人はオーブンよりグリルという考え方。 www.mitsubishielectric.co.jp

日本人はオーブンよりグリルという考え方。

www.mitsubishielectric.co.jp

シャープ ウォーターオーブン ヘルシオ
AX-XA20

画像: シャープのヘルシオはノンフライにも強い。 jp.sharp

シャープのヘルシオはノンフライにも強い。

jp.sharp

オーブンレンジの未来

「ほったらかし料理」をIoTで極める

オーブンレンジは万能ではありませんが、高価格家電だけあり、各社いろいろな工夫がされています。しかし、小さな工夫だけでは未来は見えてきません。未来を作るといのは、今までできなかったことができると言うことです。このため各社、材料を入れればあとは機械にお任せの「(セミ)自動調理」に力を入れています。

昔と違い今はいろいろなメニューが満ち溢れています。よって、一番ニーズは多メニュー対応です。この時使われる技術が、IoTです。自動調理は物理機能を変えなければできないと言うものではありません。新しいレシピプログラムを付け加えればイイわけです。

画像: 最近IoTに力を入れている日立「ヘルシーシェフ MRO-W1Z」 kadenfan.hitachi.co.jp

最近IoTに力を入れている日立「ヘルシーシェフ MRO-W1Z」

kadenfan.hitachi.co.jp

パナソニックは、この9月に多メニュー対応に徹底したモデル「NE-UBS5A」を出します。このモデルは、付け加えるだけでなく、自分に必要な機能だけ入れ込むことができます。イメージはスマホ。スマホはアプリなどを厳選することによりカスタマイズできます。同じ機種だとしても、他人のスマホは使いづらいことは、多くの人が経験したことと思います。このオーブンレンジ版です。
以前の記事(【パナソニックの挑戦】フルスペックでなくていい!自分が欲しい機能だけをカスタマイズできるIoT家電「マイスペック」2機種を発売)で詳しく紹介しています。

家電は今まで汎用が当たり前でしたが、今後カスタマイズするのが当たり前の世の中になるのではないかと思われます。オーブンレンジは、その先頭を走る家電の一つです。

最後に

オーブンレンジは、何でもできるような雰囲気を持つ家電です。確かにそうなのですが、全てが得手と言うわけではありません。確かにレンジは今の世、必須家電なのですが、どうやって自分の生活に折り込むのかは、自分が何をしたいのかをはっきりさせる必要があります。高価格商品だけに、慎重に買いたい家電です。

◆多賀一晃(生活家電.com主宰)
企画とユーザーをつなぐ商品企画コンサルティング ポップ-アップ・プランニング・オフィス代表。また米・食味鑑定士の資格を所有。オーディオ・ビデオ関連の開発経験があり、理論的だけでなく、官能評価も得意。趣味は、東京歴史散歩とラーメンの食べ歩き。

This article is a sponsored article by
''.