電源プラグがコンセントからズレると、その部分に付着したホコリが発火する事故につながるので危険だ。プラグに穴があることは省令で義務化されているので、もし穴の開いていないプラグがあったら、危険なので使用を中止すること。ここでは、コンセントの疑問をわかりやすく解説する。
コンセント電源コードのプラグの先に穴があいてるけれど、あれは何のため?
電源コードのプラグの穴は、プラグがコンセントにしっかり差さったことを知らせる役目と、抜け止めの役目があります。プラグを受ける壁面コンセントの中にある端子を「刃受けバネ」といいますが、ここにプラグの穴にはまる突起があります。この突起が穴にはまることで、完全にプラグが差さったことを感触で知ることができるうえ、プラグがコンセントからズレたり抜けたりするのを防ぐ効果があるのです。
プラグがコンセントからズレると、その部分に付着したホコリが発火する事故につながるので危険です。プラグに穴があることは省令で義務化されているので、穴の開いていないプラグがあったら、危険なので使用を中止してください。
コンセントコンセントの左右の穴の縦の長さが違うのには、何か意味がある?
壁面コンセントの穴は、長い方が9ミリ、短いほうが7ミリで役割が異なります。長いほうがクール(コールドやグランドともいう)、短いほうがホットといい、簡単にいうとホットは電気が来るほう、クールは電気が帰っていくほうとなっています。
通常は意識する必要はありませんが、アナログのオーディオ機器では、ホット/クールを厳密に区別する場合があります。プラグに逆三角形のグランドマークが刻印されている側か、ケーブルに白線が入っているほうがクールとなります。ただし、コンセント側の向きが正しく工事されていない可能性もあるので、注意が必要です。
この穴の長さに頼らず、電気的にクール/ホットを見分けるには「検電ドライバー」や「検電テスター」といわれる工具をコンセントに差し込むことで見分けることができます。
※初出時に「クールがアース線を兼ねる」とありましたが、訂正いたします。
コンセント電源タップに付いているオン/オフのスイッチって意味あるの?
電源タップに付いているオン/オフスイッチは、接続される家電の電源コードを抜いたのと同じ意味を持たせるために存在しています。電源コード抜くことは、電源ボタンをオフにしていても微弱な電力が消費される「待機電力」の対策として効果がありました。しかし、これは30年ほど前の話です。
待機電力の問題は、当時社会問題化したため、家電メーカー各社は待機電力を小さくする努力をし、現在は0.1ワット程度にまで小さくなっています。テレビやレコーダーのように待機時に更新作業が行われる家電もあります。そのため、電源タップのスイッチも、待機電力対策の意味は薄れているといえます。
コンセント電源タップに電源タップをどんどん継ぎ足して使っても大丈夫?
電源タップ、延長コードの継ぎ足しは、危険なのでおすすめできません。タップにプラグを差し込む端子の部分に電気抵抗が発生するので、継ぎ足しが増えるたびに、機器に供給される電圧は低下し、接続部分に発熱が発生します。ドライヤーなど大きな電流が発生する機器では、発熱による電源タップの変形や発火の可能性があり危険です。原則として、延長の延長や、分配の分配はやめましょう。
ケーブルの長さが足りない場合は、長い延長コードを新たに用意してください。コンセント口が足りない場合は、10個口など多くのコンセント口を備えた電源タップを買い直すようにしましょう。
◆解説/福多利夫(フリーライター)