【ドラマ・サ道2021】コロナ禍の現実を描きつつサウナー垂涎の最新作 テントサウナや関西の名店も登場

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今回はサウナブームを牽引する作品のひとつとして名高いドラマ「サ道」の新シリーズについて、あらすじや作品の魅力をご紹介します。サウナ人気の火付け役であることはもちろん、コロナ禍以降の日常生活を描いたストーリーにも注目です。

ブームの火付け役?ドラマ版「サ道」の新シリーズが放映中

熱い蒸し風呂と冷たい水風呂、そして合間の休憩による恍惚の体験…。何十年も前から日本に根付いていた「おじさんカルチャー」の代表格であったサウナですが、ここ数年でサウナ施設専門の情報サイト「サウナイキタイ」の誕生などが後押しし、今では老若男女問わず多くの方々が注目する新たなリラクゼーション手段として、急速に社会へ浸透していきました。

そんな中でも、「ととのい」や「サウナトランス」といった‟サウナキーワード”の提唱や、各地に点在す‟名店”の再評価といった、ブームの火付け役となった存在が、タナカカツキ著「サ道」と一連のスピンオフ作品群です。中でもドラマ版「サ道」は2019年の放映後、深夜枠であるにも関わらず多くのファンを獲得し、「2019 年末SP」「2021 冬SP」と2度の特別編も放映され、注目の的となりました。

現在放映中の「サ道2021」はそんな人気シリーズの新章としてスタートし、早くも‟サウナー垂涎”の内容で話題を集めています。

あらすじ

ある出会いからサウナをこよなく愛する「サウナー」となったクリエイター、ナカタアツロウ(原田泰造)。行き付けのホームサウナ「上野 サウナ&カプセルホテル北欧」で出会った若手経営コンサルタントのイケメン蒸し男(磯村勇斗)や、中年サラリーマンの偶然さん(三宅弘城)と、雑談や‟サウナ遠征”を楽しむ日々を過ごしていた。

公式より公開されている、主要人物のスリーショット

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しかし、感染症の流行から今までのサウナライフも大きく変わることとなり、新たなサウナとの向き合い方を模索していく。そんな「新しい生活様式」のもとで繰り広げられる、サウナと人間ドラマを描いたオムニバス・ストーリー。

サ道2021で特集された「名店」たちの魅力とは

前シリーズでは、主人公・ナカタがサウナに通うキッカケとなった老人、通称「蒸しZ」の姿を追いかける展開をベースに、ときにはスピンオフ展開も挟みつつ全国各地の名店サウナを巡るストーリーが繰り広げられました。

泰造さんの笑顔に癒されますね。

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シリーズ全体のメインステージとなる上野「北欧」はもちろん、錦糸町「ニューウィング」や埼玉「草加健康センター」といった都内近郊の名所や、サウナ聖地として知られる静岡「サウナしきじ」や愛知「ウェルビー栄」、熊本「湯らっくす」など、サウナ愛好家の誰もが知る施設の数々を各話で取り上げていたのが特徴的です。

(サウナに馴染みが薄い方々に説明すると、各地の食を巡る「孤独のグルメ」と近い雰囲気の作劇、といえば分かりやすいかもしれません。)

一方で、「蒸しZの姿を探す」という大枠が完結を見て以降は、よりシンプルに各サウナの魅力を取り上げるとともに、各話でさまざまなストーリーが展開される群像劇的な面が強調されていきました。

特に、約2年ぶりの新作となった「2021年冬SP」(2021年2月放送)では、「東京の空の下、少し離れてととのう」というタイトルのもと、コロナ禍におけるサウナ施設の在り方・サウナーとしての習慣との向き合い方といった要素を掘り下げる新たな切り口が生まれました。結果として、「名店たちはどのように社会の変化と向き合っているか?」といった要素にも焦点を当てています。

新シリーズでは後楽園「スパラクーア」を舞台に、日本における近代サウナ文化のルーツを前東京オリンピックと絡めて解説したり、キャンプ場で私的に楽しむ「テントサウナ」の魅力を掘り下げたりと、更にバリエーション豊かな内容でサウナの魅力を描いています。

他にも、前作では大きくクローズアップされなかった主人公・ナカタアツロウのバックボーンに光を当て、大阪「ニュージャパン梅田」や京都「五香湯」「サウナの梅湯」といった関西の名店を取り上げるなど、あくまでも現実に即しながら、より作品世界に没入できるような作劇がなされており、非常に新鮮な印象を受けます。

「コロナ禍の暮らし」を描いたリアルさが魅力

2020年以降の新型コロナウイルス流行を受け、「社会の動きに合わせたサウナの在り方」に主眼を置いた作劇になっていることも、サ道2021の特徴と言えるでしょう。実際の収録にも間違いなく大幅に影響を与えたことが予想される中で、ファンタジーに逃げずにマスクと隔離の時代を描くことに踏み込んだリアルさが、本作の魅力を更に高めているのでは、と推察できます。

原作マンガは『モーニング』(講談社)で連載。

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筆者自身も、今でこそ頻度は減ったものの、一時期は月10~15回はあちこちのサウナに出かけるヘビーユーザーでした。だからこそ「コロナ禍の暮らし」を無視せず、現実と地続きであることを追求するサ道2021年の各話に強い好感を覚えたのです。

「サ道2021」の1話は、コロナ禍の新しい日常について 「誰もが最初は戸惑い不安になっていたけど、少しずつこの状況と向き合い、その中で楽しみ方を見出そうとしている。サウナも同じだ」と、主人公・ナカタの独白から幕が上がります。

制作陣の想いを託されたようなモノローグには、一人のサウナーとして感じ入り、「ああ、皆が同じ気持ちで複雑なまま、それでもサウナを愛しているんだな」と胸を撫で下ろしました。

まとめ

私を含むサウナー各位はもちろん、今まで生活の中に「サウナ」が存在しなかった方々にまでその魅力を伝えてきた「サ道」シリーズ。社会の混乱や不安が鳴り止まないなか、主題歌を担当するコーネリアス(小山田圭吾)氏の降板といったハプニングにも見舞われつつも、浴場の水の音や揺れる木々のざわめき、休憩所から差す陽の光など、「変わらぬ日常の美しさと安らぎ」を描いた名作として語り継がれるドラマとなることでしょう。ぜひご視聴ください。

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松島広人(フリーライター)

Webディレクターとしてコンテンツの企画・編集・校正・執筆・SEOを担当する傍ら、フリーランスのWebライターとしても精力的に活動。業種・業界を問わず多数のジャンルを手がける。ポップカルチャー・サブカルチャーにも精通しており、幅広い知識を活かしたライティングを得意とする。

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