筋トレを続けられた理由は、根性でも意志の強さでもありません。「短時間でできること」「期間が明確なこと」この2つです──。YouTube登録者数80万人超、短期間でやせるトレーニング「MomoFit」の考案者で、著書『10日間で引き締まる!超やせルーティン』(KADOKAWA)が話題のMomomi(ももみ)さんにお話いただきました。
解説者のプロフィール
Momomi
1995年、大阪府生まれ。早稲田大学国際教養学部卒業。2019年にYouTubeを開設し、1年半で登録者70万人を突破。自身が55kgから44kgへのダイエットに成功した経験をもとに、短期間でやせるトレーニング「MomoFit」を考案。そのほか、ダイエット中でも美味しく食べられる時短ヘルシーレシピなどをSNSで紹介し、 多くの女性から支持を集めている。
▼Momomi(YouTube)
▼@momomi_fit(Instagram)
医療監修
野坂華理(のさか・かり)
総合健診センターヘルチェック レディース新宿院長。呼吸器内科、産業医。2010年、山形大学医学部卒業。杏林大学医学部附属病院で研修後、同病院呼吸器内科に入局。2018年、総合健診センターヘルチェックに勤務し、2019年より現職。アンチエイジング、運動療法、栄養学についても詳しい。日本内科学会認定医、日医認定産業医。
本稿は『10日間で引き締まる!超やせルーティン』(KADOKAWA)の中から一部を編集・再構成して掲載しています。
すぐ習慣化できる5分燃焼トレーニング
継続するのは大変。だからまず、10日間
すぐに結果が出なくて挫折した。無理なダイエットで体がボロボロになった。頑張れない自分が嫌になった。
私が経験したことです。
“継続”っていうのは簡単だけど、実行するのは本当に大変。じゃあ、どうしたらいいの? すぐに結果が出るダイエットには無理がともなうから心が折れそう。それにリバウンドするのが目に見えている。
だったら、すぐに結果が出ることを求めなきゃいいんじゃない!? そんなときに出合ったダイエット法があります。目標の自分になれることを信じられるものでした。
その結果、体重は55kgから44kgに。トレーニング中に“ここに効いている”って実感したことで、明日を信じることができました。
もちろん、それでも継続するのは大変。だから、まず、10日間だけ信じてみませんか?
運動が苦手だった私がおすすめするのは、短時間でできる“筋トレ”ダイエット。特に朝、少しでもいいからトレーニングをすると体の調子や姿勢が整い、1日を気持ちよく過ごすことができます。
そして、私は体重を毎日はかるのをやめました。
その代わり、週に1〜2回程度、写真に自分の体型を収めてボディチェックをしています。過去と今の写真を定期的に見比べることでダイエットの成果が着実に現れていることを実感できます。
「短時間でできること」「期間が明確なこと」
このダイエットをはじめてから、カロリー制限や甘いものを禁止するなど、やせるために食事で我慢する必要がないことに気づきました。
太りやすい食べ物はもちろんありますが、時間帯によって食べ物の質や食べ方を工夫し、3食きちんととる習慣をつける。これだけでやせ体質をつくることができます。
動画のお供にブラックコーヒーを飲んだり、アイスや甘いお菓子を食べたりするのが至福の時間。もちろん次の日はトレーニングでしっかり調整します。
これまで何も継続ができなかった私が筋トレを続けられた理由は、根性でも意志の強さでもありません。「短時間でできること」「期間が明確なこと」この2つです。
先が見えない真っ暗な道をひたすら走り続けるなんてできないですよね。習慣化には、まずは小さなゴールを設定することが必要だと気づきました。そしてそれが「超やせルーティン」のコンセプトにもつながっています。
小さなゴールを達成し続けることが、大きな結果につながります。これからも一緒に頑張りましょう!
Routine 1「目標設定を小さくしてトレーニングを習慣化する」
ダイエットVLOG(*1)をはじめる前は、食事制限ダイエットをしていましたが、リバウンドが激しく、日を追うごとにやせづらい体質に。ランニングもはじめましたが、精神的にも体力的にもつらくて3日間でやめてしまいました。
*1 ブログのようなテキストベースの日記ではなく、動画に収め、ダイエットの過程をビデオブログにまとめたもの。
そして、トレーニングを継続することの難しさで悩んだすえ、自分の立てた目標が漠然としていて大きすぎることに気がついたのです。
そんなとき、「100AB CHALLENGE」(*2)というトレーニングと出合い、このトレーニングをやり切るという目標に切り替えることに。
*2 アメリカで考案された30日間チャレンジのダイエット方法。
続けることに焦点を当て、実現できそうな目標にすることでトレーニングの習慣化に成功しました。
ダイエットにおいて重要なのは、小さな目標を達成することで多くの成功体験を積み重ねて自信をつけること。そして自分を限界まで追い込まず、「まだ続けられるかも」という心の余力を残すことだったんです。
Momomi流
続けられるトレーニングルール
平日と休日ではトレーニングにかけられる時間が変わってきます。トレーニングを習慣化させるためのマイルールを紹介します。
〈平日〉 | 〈休日〉 | |
時間 | 1回5~10分以内で終わるトレーニングを行う。習慣化させるには、決まった時間帯に行うことがポイント。 | 1回10~20分など平日よりも長めに行う。エネルギー消費量をアップさせる 朝~昼の時間帯がおすすめ。 |
度合い | 疲れ具合やトレーニングにかけられる時間を考慮して、腕、背中、肩、ふくらはぎなど、内容がハードではない部位をローテションで鍛える。 | 負荷がかかってキツいと感じる腹筋、お尻、太ももなどの部位を少し長い時間をかけて重点的にトレーニングする。 |
休息 | 体調が悪いときや生理中は無理して行わない。トレーニングを再開するときは、やりやすい内容を選び、少しずつ体を動かそう。 | |
▶︎「キツい…」と感じるまで追い込まない!無理なく続けられる習慣をつけよう!◀︎ |
Routine 2「朝トレーニングで毎日を快調にスタート」
トレーニングはライフスタイルに合わせてルーティン化しやすい時間に設定することが重要です。
ルーティン化することで、生活が規則正しくなることからトレーニングを継続しやすくなります。必然的に規則正しい食生活が定着し、やせやすい体質に改善されるのです。
私は朝にトレーニングするのが日課。基本的に朝にシャワーを浴びることが多いのでその前にトレーニングするほうが効率的という事情もありますが、朝トレをきっかけに1日の過ごし方が変わりました。
朝トレは心も体もスッキリするので1日のよいスタートをきりたい方におすすめです。トレーニングをルーティン化させるには、歯みがきや朝ごはんの後など、毎日必ず行うことの前後に入れるのがコツです。
Momomi流
朝トレのルール
朝トレは自律神経を整えて代謝をよくし、集中力をUPさせます。1日のはじまりにエネルギー補給と消費が行われ、体調が整います。
(1)トレーニングは朝ごはんを食べてから行う
空腹時はエネルギー不足なので、朝食をとってトレーニングしましょう。朝食時間をしっかり確保できない場合は、バナナやスムージーなど手軽なものの摂取がおすすめ。満腹状態での筋トレは気持ち悪くなることがあるので、食事量は調整してください。また、朝起きたらコップ1杯の水か白湯を飲み、腸の動きを活性化させましょう。
空腹でのトレーニングは、筋肉のエネルギー源となる糖質とアミノ酸が不足している状態なので、現在ある筋肉を分解してエネルギーを得ようとする。そのため効果的な筋トレにはならない。また満腹状態で行うと消化活動に必要なエネルギーが充分に割けず、胃もたれなどの不調を引き起こす可能性があるので注意。
(2)トレーニング後はタンパク質を補給する
トレーニング後45分以内にタンパク質をとることで、筋トレの効果を高めることができます。すぐに食事をとれないときは、プロテインを活用したり、昼食にタンパク質を多く摂取できるメニューを選んだりするのがおすすめ。
トレーニング後は筋肉が大きく収縮し、回復しようとしている。そのため、筋肉の分解が進み筋肉量が減ることもある。筋肉の栄養補給と回復を促すために、運動後の45分以内にタンパク質を摂取しよう。
Routine 3「夜トレーニングでは疲れた体をいたわる」
トレーニング時間が夜になる場合、もっとも気にしたいのは「寝る時間」です。
寝る時間から逆算してトレーニングを行うことが夜型ルーティンの最大のポイント。睡眠直前にトレーニングをすると、目が冴えてしまい、眠れないことがあります。
食事においても就寝時間を考慮し、消化のよさや栄養バランスを考えたメニューにすることを忘れずに。
夜トレは1日の活動により体がほぐれた状態でトレーニングを開始できます。また、トレーニング後の睡眠によって筋肉を休められるメリットもありますが、疲れているときは無理をせず、軽めのストレッチをする程度にしましょう。
Momomi流
夜トレのルール
夜トレと朝トレでは、得られる効果にちがいはありません。ただし、夜トレには注意点があるので確認しておきましょう。
(1)激しすぎるトレーニングを夜間にするのは控える
ハードなトレーニングを行うと睡眠の質を下げることもあります。疲れているときは無理にトレーニングをしなくても大丈夫。体に負荷がかかりにくいトレーニングやストレッチに留めましょう。また、夜に体重をはかっても正確な数値は測定できないので、体重は週に1回程度、朝にトイレを済ませてからはかりましょう。鏡の前で全身のボディチェックを行うのはトレーニング後でOKです。
必ずしも「寝る前の筋トレ=寝つきや目覚めが悪くなる」ということではないが、体への負荷が大きいトレーニングをすると、体を休める働きを担う副交感神経よりも、体を目覚めさせる交感神経が刺激され、眠りにくくなる。また、眠りを妨げられると筋肉回復のための時間がとれなくなるので注意。
(2)トレーニング時間が遅くなっても食事はしっかりとるようにする
夜にトレーニングを行う場合も、食事を完全に抜くのはNG。夜遅くに食事をとることが多くても、それだけが原因で太ることはありません。食べ物の質や寝る時間を考慮し、体の負担を考えて食事をすることが重要です。
体に負担をかけないために、筋トレ前に消化しやすい食べ物を摂取することが大切。筋トレのエネルギー源となる炭水化物や筋肉の原料となるタンパク質が摂取できるメニューがおすすめ。
Routine 4「3食ごとの栄養を考えて食事をコンスタントにとる」
トレーニングの成果を高めるためには食事が重要。筋肉をつくるにはエネルギーが欠かせません。
1日3食の食事量を一定にすることで胃腸への負担が少なく、きちんと消化してくれるのでやせやすい体質に改善されます。また、ストレスも溜まりにくくなります。
ダイエット中の食事で大切なのは、食事量の制限ではなく、どの栄養素をどの時間帯に摂取するかです。
私は「これは食べない」という縛りはひとつも設けていません。甘いものが好きなのでお菓子は毎日食べています。好きなものを食べた分、トレーニングをして消費カロリーを調整し、食べすぎた場合は、次の日の食事量や内容に気をつけています。
また、1日1.5~2リットルの水を飲むことも忘れずに。むくみや便秘が解消されるだけでなく、食べすぎ防止にも効果的です。
Momomi流
献立の考え方
やせ体質の実現には、トレーニングだけでなく食事内容も大切です。朝、昼、夜の食事と間食で気をつけたいポイントを紹介します。
素早くエネルギーになる食材を選ぶ
炭水化物や糖質はエネルギーになる即効性の高い栄養素で、トーストがおすすめです。時間がないときは、ヨーグルトや果物などの消化のよいものを選びましょう。
体に負担をかけないために、筋トレ前に消化しやすい食べ物を摂取することが大切。筋トレのエネルギー源となる炭水化物や筋肉の原料となるタンパク質が摂取できるメニューがおすすめ。
タンパク質を意識的に摂取する
タンパク質を多く含む食材をとると、トレーニング効果のアップが期待できます。炭水化物や緑黄色野菜、海藻などのビタミンやミネラルが豊富な栄養バランスを考えた献立にしましょう。
良質な筋肉をつくるためには、トレーニング後のタンパク質の摂取が重要。タンパク質は皮膚や臓器、細胞などの健康維持のために、常に一定量を必要とする。
消化にいい食べ物を摂取する
夜遅くに食べる場合は、消化にいいものを食べましょう。豆腐や鶏むね肉、白身魚、きのこ類などは高タンパクなうえに低脂質なのでおすすめ。
揚げる、炒めるといった油を使う調理より、蒸したり煮たりする調理がおすすめ。ただし、良質な油は、腹持ちをよくする効果があるので適度にとり入れよう。
〈間食〉
小腹が空いたらおやつを食べてもOK!
ダークチョコレートや干し芋、フルーツ、蜂蜜レモンやプロテインがおすすめです。ストレスを溜めないことが一番なのでお菓子もOK。個包装のものなら食べすぎを防止できます。
モチベーションの保ち方
どんなトレーニングをするにも“気持ち”が大切。前向きな気持ちを持続させるためのポイントを紹介します。
(1) 体重を指標にしすぎない
筋肉量が増えると、体重が変わらなかったり、一時的に増えたりすることも。筋肉は基礎代謝を上げ、脂肪燃焼しやすい体質にするのに重要な要素。トレーニングの開始直後は体重をはかる頻度を減らし、1週間おき程度に。
(2) 定期的にボディチェック
全身を写真に残し、1〜2週間おきに写真を見返しましょう。その変化が自信につながり、次の日からのトレーニング意欲が生まれます。
(3) 目標はできるだけ小さく設定する
いきなり「毎日筋トレ1時間!」というような、厳しいルールを設けるとやる気がなくなることも。まずは、1日1種目とか、1日5分など実現可能な目標を立てましょう。小さい目標達成の積み重ねが自信につながります。
(4) 我慢は厳禁! ルールで自分を縛りつけない
ダイエット中だから「間食しない」とか「○○を食べない」などと決めてしまうとストレスにつながります。今までしていたことをキッパリやめるのではなく、少しずつその行動を減らしていく、または代案をとり入れましょう。
(5) 一緒に頑張れる仲間を見つける
ダイエットしている人と、SNSなどで交流するのもはげみになります。私の場合、はじめはダイエットVLOG の発信で、モチベーションを上げていました。配信を続けるうちに、私の動画を見て一緒に頑張ってくれる方が増え、「私ももっと頑張ろう」と思えるようになりました!
本稿は書籍『10日間で引き締まる!超やせルーティン すぐ習慣化できる5分燃焼トレーニング』(KADOKAWA)の中から一部を編集・再構成して掲載しています。書籍内のトレーニングは、QRコードでそれぞれの動画と連動、動きがわかりやすく覚えられます。詳しくは下記のリンクからご覧ください。