ホームAED「ハートスタートHS1 Home」の特徴は、何といっても家庭用ということで、街頭に設置されているものと比較してコンパクトサイズであること。自動音声ガイダンス機能を兼ね備え、いざというときに慌てず、誰もが使えるのも安心だ。
「しまった!」金田一耕助のように思わず駆け出し、そのまま飲み屋に駆け込み、勢いよく話したくなる!そんな事件な製品を毎月ファイリング。その事件性を“スゴ腕”家電探偵こと滝田勝紀が丹念に捜査して暴く!
身近な誰かが心肺停止した際に後悔しないための家庭用AED
街中や公共施設で何げなく見かけるAED。もし心肺停止をした人が周囲にいたら、心臓に対して電気ショックを与え、正常なリズムを取り戻すためのきっかけを作る医療機器だ。でも、心肺停止が最も発生する場所は街中ではない。実は、その66%が、なんと住宅内で起きているという。つまり、AEDは家庭にこそあるべきなのである。
そんな社会的な課題を解決するためにフィリップスが発売したのが、ホームAED「ハートスタートHS1 Home」だ。その特徴は、何といっても家庭用ということで、街頭に設置されているものと比較してコンパクトサイズであること。自動音声ガイダンス機能を兼ね備え、いざというときに慌てず、誰もが使えるのも安心だ。
今回の事件家電ファイル
フィリップス
ハートスタート HS1 Home
実売価格例:18万1778円
アメリカで唯一、医師の処方箋なしで購入が認められた初のAED。家庭向けに小型化すると同時に過剰な機能を省き、自動セルフテストや自動音声ガイダンス機能により、緊急時に誰でも操作ができる使いやすさを追求した。
150J(ジュール)というAEDの中では比較的低エネルギーで、除細動(重篤な不整脈が発生したとき、強い電流を心臓に流して、不整脈を起こしている電気的な活動を停止させ、心臓のリズムを元に戻す方法)に必要な電流を流す独自技術を搭載。万が一、子供が心肺停止した場合でも、オプションの小児用パッドに付け替えるだけで小児モードに自動で切り替わるなど、緊急事に慌てていても、1ステップで必要な機能にたどり着ける工夫もなされている。さらに、トレーニング用のパッドに付け替えれば、日常生活でAEDを使用するための訓練をすることもできる。
実際には、AEDを使用する機会などないほうがいい。でも、万が一、大切な誰かが心肺停止に陥ったときに後悔しないよう、できることとしてぜひ備えておきたいものだ。
ココが事件だ!
救急車が来るまでの間、蘇生行為を行える
心肺停止発生から1分たつたびに、救命率は7~10%ほど下がるというデータがある。自宅に救急車が到着するまでの平均時間は約8.7分。だからこそAEDによる蘇生行為は必要だ。
ココが事件だ!
小児用パッドを装着すると自動的に小児モードに
オプションで小児用のパッドも用意。標準搭載の大人向けパッドと交換するだけで、自動的に低エネルギーの小児モードに切り替わるため、緊急時でも誤操作を防いでくれる。
ココが事件だ!
音が聞こえにくい状況でも使える
本体アイコンの点滅と本体付属のクイック・リファレンス・ガイドが使用手順を案内。耳の聞こえが不自由な人や、音が聞こえにくい状況下での使用も想定している。
解説者のプロフィール
滝田勝紀(たきた・まさき)
クリエイティブ・エディター&プロデューサーで、家電スペシャリストとして「All About」の家電ガイドを務める。ドイツで開催される「IFA」ほか、海外展示会取材経験も豊富。新メディア「Beyond」のプロデューサーに就任。
※価格は記事作成時のものです。
■解説/滝田勝紀