冬になると話題に出てくるのがヒートショック。ヒートショック対策には、サブ機としての「セカンド暖房」の導入がおすすめ。今回は、アイリスオーヤマの「JCH-126D」をテストしてみて、セラミックファンヒーターがセカンド暖房として使えるかレポートします。
ヒートショックが起こりやすい日本の冬
冬になると話題に出てくるのがヒートショック。これは日本の暖房が、部屋を区切りとした暖房であり、いわゆるセントラルヒーティング化されていないことに由来します。まぁ江戸時代までは木材、その後、石炭、灯油と暖房のパワーは上がりましたが、エネルギー資源のない日本。使う、使わないに関わらず、家全体を暖めることはしません。人のいるところだけ、暖めて用を済ませるのが日本流。典型的なものが「コタツ」です。一旦入るとコタツから出ずに、用を済ませてしまいます。食事はもちろん、仕事、勉強なんでもござれ。
しかし、コタツ愛好者も、トイレとお風呂はコタツから出ます。部屋から寒い廊下を経て、トイレ、もしくは脱衣所へ。そして用を足すときには、服を脱ぎます。今まで暖かかったのに、急に寒くなるだけでなく、服までなくなるわけですから、体に負担がかかります。これがヒートショックです。
ヒートショック対策には暖房機器が必要です。今回は、トイレ、入浴時の暖房としておすすめなサブ機としての「セカンド暖房」をレポートします。
ヒートショック対策にセカンド暖房がおすすめ
セカンド暖房として必要な条件
とにかくエネルギーを持たない国、日本ですからね、エネルギーは基本輸入です。このため付けっ放しの暖房はNGです。しかもお風呂はともかく、トイレは行きたくなった時が、行き時です。暖められた環境にして快適にではなく、暖かい風などが瞬時に出てくることが必要です。
2つ目は、軽く、どこへでも持っていけるサイズであること。できれば5kg以下で、なるべく軽いのが望ましい。大きい方がパワーがあるのではと、考えている人もいると思います。しかし、トイレ、脱衣所は狭い。いやでも温風が当たります。このため、小型=軽いので十分なのです。
3つ目は、お風呂想定ですが、出てきた時自動で温風が出るように人感センサーが付いているのが望ましいです。
逆に、余り考えないのは電気代。トイレとお風呂の前後ですからね。トイレに1時間以上入っているような人でないと考えなくてもいいと思います。ヒートショック対策用の暖房は、小型ですぐに温風が出るのが全てという感じです。
小型セラミックファンヒーターがベスト
要素を明確にすると、皆さんも見当が付いたと思います。そうセラミックファンヒーターです。こた割るのは形。直方体、なるべく薄いのがいいです。タワー型は、台座が円になっていることが多く、予想外に設置スペースが必要です。また直方体でも奥行き(厚み)があるものは、やはり設置し難いです。
あと、耐久性は必要ないですし、使うときは必ず側に居ることを考えると、妙な機能も不要です。このため、世界に冠たる家電メーカーというより、ホームセンターの人気商品がお勧めですね。デザインを考慮すると、アイリスオーヤマとか、山善とかがお勧めです。
アイリスオーヤマのJCH-126Dをテスト
今回、こんな考えに基づきテストしてみたのが、アイリスオーヤマのセラミックファンヒーター「JCH-126D」。2019年モデルなので少々古いですが、Amazonで約5000円で買うことができます(執筆時現在)。セカンド暖房にふさわしいモデルと言えます。
高さ:約34cm、幅:約24cm、奥行き:約13cmなので、どこにでも設置可能な上、重さは2.3kg。振り回すとなると重いのだろうが、移動させるならラクラク。その上、手かけが付いている。いたせりつくせり。実際、移動、設置にあまり不自由なところはない。あるとするとコンセント接続。脱衣所はあまり問題ないだろう。あるとするとトイレのコンセントは便座で使うことを考えて、奥にあることが多い。毎回、そこまで手を伸ばすのが面倒という人には、コンセントから予め延長ケーブルをつけておくことをお勧めしたい。
次にモードは「人感センサー 強(1200W)」。もしくは「人感センサー 弱(600W)」。これは設置場所により変えてください。即座にガンガン温風が出てきます。1200Wというと、ドライヤー、調理家電並ですからね、情け容赦ないです。寒いという感じは、瞬時に吹っ飛びます。
そして、そのままトイレから出ても、3分で止まります。次に入った時は、瞬時に暖かくなる。実にいい感じです。風呂に入るときは、トイレから移動させて使います。こちらも快適。
また、故障を防ぐため、大きなゴミ、ホコリはトラップできるようになっており、あまり掃除をしないところでも安心して使えます。
まとめ
冒頭、書きましたとおり、日本の空調は「部屋」単位で行います。このため、家の中で、暖かいところ、寒いところが必ず出ます。しかし、セカンド暖房器=セラミックファンヒーターが一台あると、悠々自適。実に快適です。ちょっと古めの家で悩んでいる人、居ましたら是非試してみてください。安く、暖かく、冬を乗り切ることができますよ。
◆多賀一晃(生活家電.com主宰)
企画とユーザーをつなぐ商品企画コンサルティング ポップ-アップ・プランニング・オフィス代表。また米・食味鑑定士の資格を所有。オーディオ・ビデオ関連の開発経験があり、理論的だけでなく、官能評価も得意。趣味は、東京歴史散歩とラーメンの食べ歩き。