【Shark】シャーク コードレス掃除機「Evopower」最新モデルをレビュー 吸引力・充電・収納もストレスなし

レビュー

今、家電の中でも注目度が高い「コードレススティック掃除機」。サッと取り出して気軽に掃除ができる点が人気の秘密だが、このジャンルで特に注目を集めているのがシャークの「EVOPOWER」だ。その最新モデルの実力を探ってみた。

コードレススティック掃除機のメリットとデメリット

掃除への不満を一気に軽減

家の掃除は、一般的にめんどうな作業だ。ただでさえめんどうなのに、掃除を始める際は、押し入れなどから掃除機を取り出したり、奥の部屋から移動してきたりして、電源コードを本体から引き出してコンセントに差し込み、そして、車輪の付いた丸っこい本体を引っばりながら家の中をぐるぐると動き回る…という手間も煩わしさも加わってくる。でも、そんな不満を一気に軽減してくれるのが「コードレススティック掃除機」である。

電源コード不要&出しっぱなしOK

「コードレス」の強みは、何といっても、掃除中に電源コードが不要なこと。ごみを見つけたら、コンセントに差すことなく、サッと取り出して手軽に吸い取れるので、掃除へのハードルがグンと下がる。準備の手間が大幅に省略されたことで、掃除の習慣が変わったという声もある(実際、私自身もそう感じる)。それに、まめに掃除をしていれば、年末の大掃除もラクになるというものだろう。

コードレス掃除機は、もちろん充電をしなければ使えないが、収納スタンドが充電台となっているため、待機中は充電されるので、常にスタンバイOK。この充電台を兼ねた収納スタンドは各社各様の設計だが、リビングなどに出しておいても違和感のないデザインのものが増えている。つまり、掃除がラクラクでき、充電はおまかせで、収納時の見た目もスッキリという大きなメリットを持っているわけだ。

収納スタンドが充電台になっている。

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バッテリーの高性能化で運転時間が延びた

一方で、コードレスとしてのデメリットもある。まず、充電式のため、運転時間にはどうしても制限が出る。コード式の場合は、電源につながっていれば、必要なだけ掃除を続けられる。だが、コードレスではバッテリーに充電された分しか掃除ができない。運転時間を長くしようとするとバッテリーが大きくなり、本体は大きく、重たくなってしまう。

そのさじ加減が難しいところだが、最近はバッテリーが高性能化してきており、バッテリー1個で60分もの運転ができる製品も登場。機種によっては、バッテリーを2個付属し、トータルの運転時間を増やしているモデルもある。おそらく、日常的な掃除での使い方なら、多くの家庭で不都合は感じないのではないだろうか。

バッテリーが高性能化している。

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ブラシヘッドやダストカップも進化

まず、吸い込み力については、パワーを上げれば、それだけバッテリーを消費するため運転時間が短くなってしまう。だから単純にパワーを上げればいいというものではない。そこで、いろいろと工夫されているのが、ブラシヘッドだ。効率よく吸い込めるようにしたり、髪の毛などが絡まないようにしたりと、各社が各様の取り組みをしている。ぜひ店頭でブラシ部分を見比べてみてほしい。また、機種によっては、すき間用や布団用といったブラシが付属しているので、こちらも要チェックだ。

また、ダストカップについては、掃除機本体が小さいのだから、容量が小さくなるのは仕方がないといえる。ただ、実際の稼働時間からすれば問題ないと思えるし、掃除後はごみをためておかずに、毎回捨てて空にすれば、気分的にもいいだろう。なお、一部では紙パック式のコードレス掃除機があるほか、本体に吸い込んだごみを掃除後に自動収集してくれるドック付きのモデルも登場している。

“ダイソンキラー”と呼ばれた「シャーク」とは?

「コードレススティック」の名にふさわしいフォルムを実現

さて、コードレス掃除機といえば、その先駆けであり、有名なのがダイソンだ。「サイクロン方式」で一世を風靡したのを覚えている人も多いと思うが、ハンディタイプ、そしてスティックタイプと、掃除機の市場を大きく変革してきたメーカーである。ところが、2018年、米国で「ダイソンキラー」と呼ばれる掃除機が登場した。それが「シャーク」であり、「EVOFLEX」というパイプが折れ曲がる驚きの特徴を持つ一台だった。

「シャーク」というブランド名を聞いて、コンパクトなハンディクリーナーを思い浮かべた人はかなりの家電好きであろう。同社では「EVOFLEX」の後、スタイリッシュなハンディ型の「EVOPOWER」を発売し、日本国内でも大人気となった。

さらに、その後はスティック型にも力を入れ、「EVOPOWER SYSTEM」シリーズが誕生したのである。余計な出っ張りがなく、「スティック」の名をそのまま体現したボディは「コードレススティック」の名にふさわしいフォルムで、初めて見たときには驚いたものだ。そして、この10月、その「EVOPOWER SYSTEM」がさらにパワーアップし、「EVOPOWER SYSTEM ADV」として新登場したのである。

Shark EVOPOWER SYSTEM ADV
コードレススティッククリーナー CS651J

キャメル(写真)とロイヤルブルーの2色を用意。

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シャーク「EVOPOWER」の進化のポイントは?

「Shark EVOPOWER SYSTEM ADV」(CS651J)が進化したポイントはいろいろあるが、ここでは以下の5点を特に挙げたいと思う。

(1)新開発ヘッド「ハイブリッドパワークリーン」

「ハイブリッドパワークリーン」は、パワーフィンとソフトローラーを組み合わせた独自のブラシロールで、効率よくごみをキャッチするというもの。ブラシロールは太くなり、パワーフィンの幅や角度を見直したことで、ごみをしっかりと掻き出せる。髪の毛やペットの毛が絡まないのはもちろん、ヘッドカバーを再設計したことで、大きなごみも壁際のごみも、残さずに取り除けるようになった。

新開発ヘッド「ハイブリッドパワークリーン」

(筆者撮影)

(2)3つの運転モード搭載

従来モデルでは「標準モード」と「ブーストモード」の2モードだったが、「Shark EVOPOWER SYSTEM ADV」では「エコモード」を新搭載。運転音が抑えられ、音に敏感なペットや小さな子供に配慮したモードで、夜間の掃除など、音が気になるときにも向くという。なお、「ブーストモード」は、大きめのごみや多めのごみを素早く掃除したいときに役立つ。当然、モードの使い方によって、バッテリーのもち時間も変わってくる。

(3)パイプが曲がるFLEX機能で家具下もラクラク掃除

FLEX機能は初代の「EVOFLEX」に採用され、その意外さから注目を集めた機構。パイプが曲がるので、テーブルやソファーの下などもかがむことなく、立ったままで掃除ができるというメリットがある。

(4)直感的でわかりやすい操作ボタンや表示

ボタンやモード表示などがわかりやすくなったのもポイント。ボタンの配置が整理され、前作に比べて運転状態が認識しやすくなった。ハンドルを握って、親指で電源をオン。運転モードの切り替えは、ハンドルを握ったまま、ハンドル後ろ側のボタンを人差し指で軽く押すだけ。持ち替えることなく操作できるのがメリットだ。

葉っぱのマークが「エコモード」を表す。

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(5)運転時間が33%延長

本機では、バッテリーが2個付属している。そのバッテリーの利用効率性を高めたことで、スティック状態の標準モードで最大32分の運転時間を実現(2個使用時)。これは、従来モデルと比較して33%も長くなったという。予備のバッテリーは充電台にセットしておけるので、いつでも充電しておけるし、紛失することもなく、素早く交換できるのも便利だ。

なお、充電時間と運転時間は下記のとおり。
■充電時間は約3.5時間
■運転時間(バッテリー2個連続使用時)
【スティックでの使用時】
ブーストモード:約14分 標準モード:約32分 エコモード:約50分
【ハンディでの使用時】
ブーストモード:約14分 標準モード:約40分 エコモード:約60分

実際に最新モデルで部屋を掃除してみたら……

最新モデルを使ってみた

重さがある分、力を入れなくても安定して動く

それでは、最新モデルの「CS651J」を使ってみよう。まず、スティック状態の本機を初めて手にしたときに、従来モデル(CS401J)よりも軽量な印象を受けた。本機の重量は約2.0kg、従来モデルは約1.9kgと両機種ともほぼ同じで(ハンディ本体部の重量はどちらも約0.9kg)、もちろん実際に軽いわけではないのだが、デザインとヘッド部の形状がスッキリとなったことで、軽そうに感じられたのだ。まあ、見た目にだまされたことになるが、これは掃除機としてはけっこう大事なことかもしれない。

他社機の中には1.2~1.6kgあたりの製品も存在するので、2.0kgというのはやや重たい部類だ。重いのは嫌だという人も多いと思うが、重いことのメリットは自重で安定して動かせるところ。あまり力を入れなくても床を掃除していける。ここは、好みもあると思うので、実際に試してみてほしい。

本体サイズは、スティック時が高さ1060mm×幅258mm×奥行き114mm(前作は、高さ1005mm×幅267mm×奥行き124mm)。ハンディ時は、高さ500mm×幅67mm×奥行き86.5mm(前作も同サイズ)だ。

幅広ヘッドが自在に動きごみを残さず吸い取る

本機で掃除を始めるときは、充電ドックから上に持ち上げるだけで掃除体勢に入れる。電源ボタンもわかりやすく、押しやすい。ただし、ハンドル部はバッテリーが入っていることもあり、やや太め。スティックらしいデザインの半面、前述のように本体が重めだし、他社機にあるような輪っか状の持ち手ではないので、人によってはホールド性にちょっと不安定さを感じるかもしれない。

スティック状態で、実際にフローリングを掃除してみると、ヘッド部分が自在に動き、部屋の中をスイスイと動かせる。ヘッド幅が26cmほどあるので、キャニスター掃除機とほとんど変わらない幅を掃除できるのは便利だ。壁際のごみも残さないし、一部屋掃除しただけで、思った以上のチリ、ホコリがダストボックスにたまっていた。

ヘッド幅が広く、キャニスター掃除機とほとんど変わらない。

(筆者撮影)

かがまず立ったまま家具下を掃除できる

話題のFLEX機能は、パイプ裏側の真ん中あたりにあるボタンを押すと、パイプが折れ曲がる仕組み。テーブルやソファーの下など、確かにかがむことなく掃除ができて、体勢的には非常に助かる。でも、人間心理というべきか、きれいになっているかどうか目で確認したくなるもので、結局はかがんでソファーの下をのぞき込んでしまっていた。

ワンタッチでパイプが折れ曲がる。ソファーの下の掃除などに便利。

(筆者撮影)

さて、運転音については、特にうるさいとか静かということはなく、一般レベルの音。従来モデルに比べて、不快な高音が消えているのはいいと思う。ただ、ブラシ部分の回転音というか、床をたたく音が耳につく。また、「エコモード」運転では少しおとなしくなるが、それなりの音がするので、「夜間でも安心」とまではいかないようだ。

カーペットの掃除はやや苦手?

次にカーペットだが、掃除のしやすさは、生地の種類によって異なりそうだ。わが家には、毛布のような素材のカーペットと、毛足の長さが2cmほどのカーペットの2種類がある。後者では、ちょっと力は必要だがゴシゴシ動かせばOKだった。ところが前者は、カーペットにブラシが張り付いてしまい、なかなか動かすことができなかった。ちなみに従来モデルでは、そのカーペット上でもそれなりに動かせて掃除ができていたので、おそらくこれは新しいブラシの特性によるものだと思う。生地にもよるだろうが、カーペットはちょっと苦手な分野かもしれない。

ということで、カーペットでは、付属の「ペットマルチノズル」や「ミニモーターヘッド」に付け替えてみた。「ペットマルチノズル」は、カーペットなどに絡みついた毛や糸くずなどを取り除くことができるというもの。「ミニモーターヘッド」は布団向けで、モーターが表面に密着し、高速回転するフィンがゴミをかき出し髪の毛まで取り除くという。

使ってみると、やはり張り付き感はあるが、ハンディ型なので力が入れやすく、スティック型よりはいい感じだ。ただ、どちらもブラシ部が小さいので、カーペットが大きければ、何度もごしごしと繰り返さなければならない。

「ミニモーターヘッド」でカーペットを掃除。

(筆者撮影)

ちなみに、ブラシの付け替え時は、ハンドル部の下にある二つのレバーを引き上げるとハンディ部が取り外せる仕組み。細かいところだが、このレバーの動きが、従来モデルに比べてかなりスムーズになっている。ちょっとしたことだが、大きなストレス解消になっているポイントだ。

レバーの動きがかなりスムーズになって、付け替え時のストレスがなくなった。

(筆者撮影)

「隙間用ノズル」が使いやすくなった

また、「ブラシ付き隙間用ノズル」は、ブラシの先端部の動きが安定したのが特筆だ。「ブラシ付き隙間用ノズル」の先端は収納時に折り畳めるのだが、従来モデルでは、その留め具合が弱く、掃除中にちょっと力を入れると、ブラシが折り畳まれてしまい、イライラすることが多かった。しかし、本機ではついにそれが解消され、カチッとはまるようになった! 例えば、空気清浄機のフィルターなどの細かいところも、ブラシがズレることなく、しっかりと掃除できて満足だ。

なお、付属のブラシはすべて充電ドック部分に収納しておける。充電ドックにセットしてある本体からハンディ部だけを外し、そのまま、脇にセットしてある付属ノズルを差し込めば、片手だけで一連の付け替え操作ができる。これはなかなか便利だ。

ブラシの先端は折り畳めるが、その留め具合がしっかりとして使いやすくなった。

(筆者撮影)

フィルターもダストボックスも水洗いが可能

ごみ捨ての方法は、従来モデルと大きな違いはないが、ボタン形状がわかりやすくなった。ダストボックスにごみがたまったら、ごみ箱の上やごみ袋の中でボタンを押せば、裏側のダストボックスが開き、中身が捨てられる。綿ボコリなどごみの種類によってはフィルター部分に張り付いて残ってしまうが、付属のミニブラシを使えば、落とすことが可能だ。

このミニブラシ、これはこれで便利なのだが、できればもう少し長ければいいなと思うことがある。短いと、使っている最中に、指がごみに触れてしまう可能性があるからだ。だから、私は、長さ10センチほどの市販ブラシも併用している。

上が本機に付属するブラシ。下が市販のブラシ。

(筆者撮影)

フィルターやダストカップは水洗いが可能。フィルター部分のメンテナンスは、取り外しがしやすくなったことで、だいぶ快適にできるようになった。最近はさまざまなジャンルでコンパクトな製品が増えているが、機器が小型になると、製造上の制約から使い勝手が犠牲になってしまうケースが多い。しかし、こういった細かなところの不満が解消されるのは、とてもいいことである。

ダストカップは分解できる。奥がカップで手前がフィルター。

ブラシロールも、ヘッド部分から取り外して水洗いできる。この部分を清潔に保てるというのは、非常に魅力的だ。

ブラシロールはヘッド部分から取り外してメンテナンスができる。

(筆者撮影)

充電ドックに全てのブラシが収納できる

前述したように、本機の充電ドックは、従来モデルでもそうだったが、すべての付属ブラシが収納できるのがメリットだ。だがその反対に、付属ノズルがすべて並ぶことで、設置の床面積を取りすぎてしまう点が少し残念。というのも、コードレススティック掃除機は「リビングに出しっぱなしにしておける」というのが一つのメリットである。つまり、見た目にスッキリと収納できるため、リビングに置いてあっても違和感がないということだが、本機の場合、設置スペースが広がってしまうため、見た目的に、ちょっと存在感が強く出てしまう、という印象だ。

だが、過去の掃除機(タイプを問わず)を見ても、付属ブラシの収納についてここまで考えられた製品は少ない。ブラシがたくさん付属していることを売りにしているのに、その保管方法は自分で考えてください、という製品が多かったのだ。結果として、どこかに紛失してしまったり、存在を忘れて使わなかったりと、もったいない状況だった。それを考えれば、少しくらい広がっても仕方ないとも思えるが、でもそこは「もう一息!」、バージョンアップに期待したい。

ややスペースは取ってしまうが、ブラシはすべて収納可能。

(筆者撮影)

まとめ

一般的なフローリングの通常清掃なら不足なし

掃除の実力に関しては、得手不得手があるものの、一般的なフローリングであれば不足はないだろう。多彩なブラシが付属しているので、さまざまな場面で使えて重宝すると思う。使い勝手も向上しているし、FLEX機能のようなユニークな機構は、使うと掃除が楽しくなりそうだ。バッテリーが2個付属し、30~50分程度の掃除ができるので、通常の掃除であれば時間的な不満もないだろう。

シャークは、デザインもいいし、使いやすさも考えられているが、日本市場での歴史は浅く、正直なところ、まだまだ進化途上にある、といえる。だが、同社では、課題を次作できちんとクリアしてくる。ユーザーの不満に対し、きちんと対応してくれているのだ。この記事で触れた不満に対しても、きっと解消してくれるだろう(と期待している)。

さて、最後にお伝えしたいのは、家電の購入時は必ず店頭などで実物に触れていいただきたいということ。特に掃除機の場合は、ハンドルの持ちやすさ、取り回し性、重さやサイズ、本体のボタン操作、排気の出方、ごみ捨ての方法などなど、チェック項目がたくさんある(ただし運転音に限っては、店頭は賑やかなので参考にならないかもしれない)。もし確認せずに購入して、後から不満が出てしまうと、数年間、掃除のたびに嫌な思いをすることになるのだ。すべてに満足できるということはないかもしれないが、納得して購入することが大事だと思う。

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文・写真=吉田正之(特選街web編集部)

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