今回は、昨年の夏以来となるレゴの記事になる。作るモデルは、「大人向けレゴシリーズ」のなかでもミドルクラスになるのだろうか。総ピース数が5509ピースからなり、昨年の夏に作成した「スペースシャトル」(2354ピース)からからすると、単純計算でおよそ2.4倍にも及ぶ、巨大なレゴになる。今回は、そんな巨大なレゴにどっぷりつかった3日間の様子を動画を交えながらお伝えできればと思う。
レゴの由来
大人向けレゴ「スペースシャトル」沼にハマった4日間ルポでも書いたが、レゴ社は、デンマークのビルンという人口6300人ほどの小さな町に1932年に誕生した玩具メーカーで、創業90年となる今でも、創業当時と同じくビルンに本社を構える。レゴという名は、デンマーク語で「よく遊べ」を意味する「LEg GOdt」に由来している。世界140ヵ国以上で販売されているレゴブロックは、誰もが知る玩具メーカーだ。
「大人レゴ」について
レゴには、さまざまな大人の趣味に合わせてカタチにした「大人レゴ」というシリーズが存在する。レゴは、子供だけのおもちゃではなく、大人でも存分に楽しめるように、リアリティに富んだ商品ラインアップが特徴だ。
「大人レゴ」のパッケージには、対応する年齢が記されており、「18+」と表示された商品がいわゆる「大人レゴ」の商品になる。忠実に再現された様々な商品は、ピース数も多く、細かな作業を繰り返し行うため、それなりの集中力を要する。それゆえ、日常から離れ、自分だけの趣味の時間を存分に楽しむことができる、そんなアイテムになっている。
今回作るのは「レゴ カンプ・ノウ-FCバルセロナ」という商品
カンプ・ノウは、スペイン・バルセロナのサッカー専用のスタジアムで、FCバルセロナのホームスタジアムとして使用されている。スタジアムの高さは48メートルで敷地面積は5万5000平方メートル、収容人数は9万9354人となっている。サッカーに疎い私でも、このスタジアムがとても大きな建造物だということは、わかる。この巨大なスタジアムを1/240にスケールダウンしたものが、今回作成する「レゴ®クリエイターエキスパート カンプ・ノウ-FCバルセロナ」になる。
出典:https://www.fcbarcelona.jp/ja/club/facilities/camp-nou
「レゴ カンプ・ノウ – FCバルセロナ」の概要
「レゴ カンプ・ノウ – FCバルセロナ」は、5つのセクションに分けられており、それぞれの構造を細部まで確認することができる。それは、ピッチから観客席、入場口、プレスルームや選手入場トンネルにいたるまで、ディテールにこだわって作られている。そして、それぞれのセクションが組み上がったら、最後に合体させることで完成する。完成サイズは、幅20cm、奥行き46cm、高さ20cmと迫力の大きさで、重さは約4.5kgにもなるから、存在感、重量感ともに抜群だ。
作り始める前に説明書の確認
説明書は2冊ある。それもかなり分厚い説明書だ。それぞれ、312ページと288ページからなり、1冊目の組み込み工程数は296、そして2冊目の組み込み工程数は287で、合計583もの工程数がある。過去に作ったスペースシャトルが503工程だったことを考えると、80工程も増えることになる。ただ、ピース数が5509ピースの割には、工程数が少なくも感じるが、ブロックの入った袋は32袋もあるから、やはり数に圧倒されてしまう。とはいえ、前回作成したスペースシャトルである程度の免疫があるので、圧倒はされたが驚くほどのことでもなかった。説明書をパラパラとめくって確認し、さぁ、本格的な作成の開始だ。
制作をスタート!1日目は…?
前述したように「レゴカンプ・ノウ – FCバルセロナ」は、5つのセクションで構成されている。一日目は、スタジアムのメインともいうべきピッチの制作から始めた。ピッチの制作は9つの工程を経て作り上げる。これはとても簡単だから、わずかな時間で作ることができる。次の工程は、4分割されるスタジアムの観客席を、淡々と作り上げる工程だ。
意外なほど早い組み立てスピード
スペースシャトルの作成と今回作る「レゴカンプ・ノウ – FCバルセロナ」の大きな違いは、「レゴカンプ・ノウ – FCバルセロナ」は、ピース数が多い割には、比較的簡単に作り進めることができるということだ。観客席の作成がメインとなるため、同じような組み立て作業工程が続くためだろう。そのため、最初のうちは手間取っていた組み立てのスピードも、次第に速くなり、1日目にして全体の1/3ほどの工程を進めることができた。
作業時間的には4時間ほどだっただろうか。作業に没頭していたこともあり、4時間も経過していることに全く気が付かなかった。ちなみに昨年の夏に作成したスペースシャトルは、ピース数こそ今回作っているモデルの半分程度ながら、同じ工程が少ないこともあり、製作日数も、進むスピードも、遅かったことを記憶している。
2日目
さて、制作を開始して2日目に突入したのだが、2日目のメイン作業も、やはり観客製の制作がメインとなる。1日目の作業とほぼ同じ作業を坦々と繰り返していく。
改めてレゴの質感を味わう
それにしても、以前の記事でも書いたが、ブロック同士の組み込みが、実に心地が良い。カチッと組み込めるのに、実際に組み込む際は、カチッという音が殆どしない。しっとりと、静かに、そして正確に組み込めるのだ。これがなんとも言えず、気持ちが良い。
説明書にいたっても、使用するブロックごとに色分けされているから、パッと見て、直感的に組み込むことができる。物理的な部分、視覚的な部分のいずれもが高いレベルで作られているから、淡々と繰り返す同じ作業でも、飽きることなく続けられるのだと思われる。
当たり前だが、ブロックを組み込んでいくことで作り上がるので、接着剤などは一切使用しない。そのため、部屋に接着剤の臭いが充満することも無く、とてもクリーンな環境下で制作に集中することができる。
2日目の進行具合
さて、話を戻して2日目の制作進行具合だが、とても順調に進める事が出来ている。3日目で完成をさせるために、2日目は、ある程度完成形に近い状態にしておきたい。
組み込み作業を進めること6時間。この間コーヒーを2杯飲んだだけで、後は、なにも口にすることなく、組み込み工程を進めた。人間の集中力は、得意な分野でこそ発揮されるのだろう。組み込み工程に何のストレスも感じることなく、作り進められたことが、最大の要因かと思われるが、それでもよくもまぁ6時間も集中したものだと、少々自分自身に呆れてしまった。
微妙なジレンマに襲われた3日目
いよいよ、残りの組み立て工程もわずかとなってきた。ここにきて、微妙なジレンマに襲われる。それは、早く作り終えて達成感を味わいたいという気持ちと、これで作り上げてしまったら後は飾るだけなのかという寂しい気持ちで、この2つの気持ちがぶつかり合いながら、3日目の組み立て工程を進めることになった。
占拠し続けたダイニングテーブル
3日目は、1日目、2日目とは少々進める時間帯を替え、午前中からスタートさせた。理由は簡単で、占拠し続けたダイニングテーブルを明け渡さなければならないからだ。妻の寛容な心持で今回昼夜問わずダイニングテーブルを使わせてもらっていたが、流石に、3日を過ぎるとその寛容さにも陰りが見え始めるのでは?という思いもあり、微妙なジレンマに悩んでる暇などないことに改めて気が付く。そそくさと、組み込み工程を進めること、4時間半ほどで、完成までこぎつけることに。
最終工程はいろいろなパーツを組み込む
最終日は、1日目、2日目と怒涛の作業で進めたこともあり、残りの工程数自体はさほど多くはなかった。とはいえ、これまでのような繰り返しの組み上げ工程ではなく、スタジアムの屋根部分の制作や水色のクリアパーツで組み上げていくプレスルームなど、それまでの工程とは一味違いワクワク感を感じながら、組み込み作業を進めることができた。
完成!
3日間の組み立て工程も終わり、3日目の夕方には完成させることができた(どうにか夕飯前には、テーブルを明け渡すことができた)。完成までかかった時間はおよそ14時間半ほど。のんびり作ったとはいえ、比較的早く作れたのではないかと思う。急いで作るモノでもないので、もう少し時間をかけてじっくり建造物の作りを愉しみたかったのだが、スペースの関係上、致し方がなかった。とはいえ、十分時間をかけて作ることができたので、満足している。
サッカーに興味がなくても
前述にもあるように、私、サッカーに全くもって興味がない。そのため、FCバルセロナという名称は知っていても、どんなスタープレーヤーが在籍しているとか、世界屈指の名門クラブだとか、今回の「レゴ カンプ・ノウ-FCバルセロナ」を作るまで、そういうことがまったくわからなかった。それでも、この建造物の凄さだけはすぐにわかった。
サッカーに興味のない私でも、一度くらいはJリーグの試合を観戦しに行ったことがあるが、恐らく、私が訪れたスタジアムの2倍もありそうなそれほどの建造物なのだろう。その縮尺モデルを作れたことに感謝しつつ、改めて出来上がったスタジアムを見てみると、壮観の一言につきる。カメラで撮影してみると、その凄さもよくわかった。縮尺モデルでもこれだけの迫力なのだから、実物は、もっと素晴らしいのだろう。
まとめ
今回、不意に「レゴ カンプ・ノウ-FCバルセロナ」を作る機会を得たのだが、実際に作ってみると、サッカー好きでなくても、のめり込める魅力があることに気が付かされた。そう、私、建造物に、とても興味があるのだ。レゴには、そのような建造物を縮尺したモデルがいくつもある。そして、レゴには建物以外にも船や車、タイプライターなどもあり、見ているだけでも楽しく、全く飽きることがない。改めてそれらの商品を見てみると、作り終えたばかりだというのに、また作りたいという欲求が沸き上がってくる。そんな私の欲求は、次なるモデルへと向いている。そのモデルは「レゴ タイタニック号」だ。いつの日かこの巨大なモデルにチャレンジしてみたいものだ。