コンテナでは、子球を植えるホームタマネギ(オニオンセット栽培)が収穫までの期間が短いので育てやすく、8月下旬に植えると年内に収穫できます。適期に植えないと生育不良や、玉の肥大が悪くなるので注意します。ホーム玉ねぎのコンテナ栽培のポイントや、ペコロスの育て方について、書籍『決定版 一年中楽しめるコンテナ野菜づくり 85種』著者の金田初代さんに解説していただきました。
解説者のプロフィール
金田初代(かねだ・はつよ)
1945年茨城県に生まれる。東洋大学卒業後、出版社勤務。現在、植物専門のフィルムライブラリー(株)アルスフォト企画に勤務。著書に『花の事典』、『色・季節でひける花の事典820種』、『これだけは知っておきたい 園芸の基礎知識』(以上西東社)、『庭で楽しむ四季の花』、『鉢花&寄せ植えの花』、『花木&庭木図鑑』(以上主婦の友社)、『花のいろいろ』(実業之日本社)、『一日ひとつの花図鑑』、『おいしい山菜・野草の見分け方・食べ方』(PHP研究所)、『季節を知らせる花』(講談社)などがある。
金田洋一郎(かねだ・よういちろう)
1942年生まれ。滋賀県出身。日本大学芸術学部写真科卒。フィルムライブラリー(株)アルスフォト企画を経営。植物写真を撮って三十余年。園芸植物の写真を中心に撮影活動に従事し、多数の出版物、印刷物に写真を提供。花の写真の撮り方などの著書も多数ある。
▼ブログ:柿上猿麻呂の「花、菜園、旅」の週間フォトニュース
本稿は『決定版 一年中楽しめるコンテナ野菜づくり 85種』(西東社)の中から一部を編集・再構成して掲載しています。
イラスト/西谷 久、竹口睦郁
ホームタマネギ
▼置き場所
日当たりのよい場所
▼コンテナサイズ%%{ulbrown}
プランター または 鉢
▼栽培用土
葉もの野菜用の配合土
石 灰:用土10ℓ当たり10~20g
化成肥料:用土10ℓ当たり10~20g
▼栽培カレンダー
▼栽培のポイント
▼コンテナでは、子球を植えるホームタマネギ(オニオンセット栽培)が収穫までの期間が短いので育てやすく、年内の収穫も可能です。
▼子球の先端部分がわずかに見える程度に植え付けます。
▼過湿を嫌うので、水のやりすぎに注意し、適期に追肥を施します。
子球の植え付け
苗から育てるタマネギと違い、8月下旬に植えると年内に収穫できます。子球の先端が見えるくらいに浅植えするのがポイント。
また、適期に植えないと生育不良になったり、玉の肥大が悪くなるので注意します。
(1)ウォータースペースを残して用土を入れ、表面を平らにならす
(2)条間を15cmとり、10~12cm間隔に指で1cmほどの深さの植え穴をつくる
(3)植え穴に子球を置き、子球の先端が見える程度に植え穴に埋めて浅植えし、たっぷり水をやる
POINT
子球が2/3ほど埋まるように植える
追肥
7~10日ほどで芽が出てきます。苗から育てるタマネギより早めに追肥します。8月下旬植えで、9月下旬と根の肥大が始まる10月下旬ころの2回施します。
(1)植え付け後、1カ月たったら化成肥料10gを施し、土に混ぜる
▼1回目
(2)植え付け2カ月後に1回目と同量の化成肥料を施し、土に混ぜる
▼2回目
ネギ坊主摘み
9~10月に子球を植え付けると、低温にあってトウ立ちすることがあります。ネギ坊主は小さなうちに摘み取り、雑草も早めに取り除きます。
(1)雑草は小さなうちに根ごと抜き取る
(2)ネギ坊主は茎を5~6cmつけて摘み取る
収穫
8月下旬に植えると11月中旬に、9~10月に植えると翌年の1~3月に収穫できます。球が十分に大きくなって、葉が倒れてきたら、晴天の日を選んで収穫します。
▼葉が倒れてきたら収穫の合図。よく日に当て、適期に肥料を施して葉を大きく育てると大玉ができる
POINT
よく日に当て、追肥して葉を大きく育てる
▼根元を持って引き抜き、数時間風に当てて乾かす
本稿は『決定版 一年中楽しめるコンテナ野菜づくり 85種』(西東社)の中から一部を編集・再構成して掲載しています。
ホームタマネギのペコロスづくり
ペコロスは直径3~4cmの小さなタマネギで、ベビーオニオンとも呼ばれています。
株間5cmくらいに密植してつくりますが、育て方などは大きなタマネギと同じです。
ペコロス
ホームタマネギは、株間を変えると大玉から小玉まで手軽につくれる人気種
(1)ウォータースペースを残して用土をいれる
(2)5cm間隔に子球の2/3が隠れるくらいに用土に埋める
(3)草丈が10~15cmくらいになったら、化成肥料5gを全体にまき、指で土に混ぜる
(4)根元が丸く膨らみ始めたら、化成肥料5gを追肥する。このくらいのときに収穫すると葉タマネギとして楽しめる
(5)球根の直径が3~4cmになり、葉が9割以上倒れたら収穫する
苗から育てるタマネギ
タマネギはタネからつくるのが難しい野菜のひとつ。苗を購入してスタートしましょう。
よい苗は草丈20~30cm、根元の太さが6~7mmで、これより太いと春先にトウ立ちし、小さすぎると寒さで枯れたり、十分な大きさの玉ができません。慎重に苗を選びましょう。
よい苗を選んで植えれば後の栽培はらくです。
(1)よい苗を選ぶことが最大のポイント
(2)用土を平らにならし、株間10cmをとり指で植え穴をあける
(3)緑葉が埋まらないように注意し、深さ2~3cmに植える
(4)2月中旬と3月中旬に化成肥料10gを追肥する
(5)葉が倒れたら引き抜いて収穫する
◇◇◇◇◇
なお、本稿は書籍『決定版 一年中楽しめるコンテナ野菜づくり 85種』(西東社)の中から一部を編集・再構成して掲載しています。日当たりのよいテラスやベランダ、玄関周り、また住まいの周辺にコンテナを置くちょっとしたスペースがあれば、野菜づくりが楽しめます。観る楽しさと、育てるよろこび。体にうれしい野菜がいつも身近にある…そんな生活はいかがですか? 本書は、見て楽しい、食べておいしい、喜びいっぱいのコンテナ菜園のつくりかたを豊富な写真とともにオールカラーで紹介しています。詳しくは下記のリンクからご覧ください。
※【キャベツをプランターで育てる】栽培のポイント 日当たりと土づくりの記事もご覧ください。