〈イワタニ〉カセットガスストーブ「マイ暖」を使ってみた!ほんとに暖かい?何時間もつ?自宅の各部屋で大活躍

レビュー

ちょっと信じてもらえないかもしれませんが、筆者の住む北海道ではゴールデンウィークあたりまで暖房を使うのが普通です。雪解けは進んでも朝晩は寒い。とはいえ、セントラルヒーティングなどの大型暖房は、経済面の理由から少しでも早く切りたいのです。そこで、災害時にも頼りになり、室内での持ち歩きも便利なカセットガスストーブ、イワタニの「マイ暖」を試してみました。その様子を紹介します。

執筆者のプロフィール

齋藤千歳(さいとう・ちとせ)

元月刊カメラ誌編集者。新しいレンズやカメラをみると、解像力やぼけディスク、周辺光量といったチャートを撮影したくなる性癖があり、それらをまとめたAmazon Kindle電子書籍「レンズデータベース」などを出版中。まとめたデータを元にしたレンズやカメラのレビューも多い。使ったもの、買ったものをレビューしたくなるクセもあり、カメラアクセサリー、車中泊・キャンピングカーグッズなどの記事も執筆。現在はキャンピングカーを「方丈号」と名付け、約9平方メートルの仕事部屋として、車内で撮影や執筆・レビューなどを行っている。

「マイ暖」とは

カセットボンベ式ストーブには屋内用と屋外用がある

先般、「キャンピングカーの暖房が壊れた際の予備」のつもりで購入した、カセットボンベ式ストーブ(メーカー不明)が、想像以上に良い働きをしてくれたのです。2月の北海道という状況下にもかかわらず、キャンピングカーを必要十分な程度に暖めてくれました。そのリポートは別記事をご覧ください。

こうして、カセットボンベ式ストーブが思った以上に使えることがわかったので、アウトドアだけでなく自宅でも、部分暖房や災害時に使おうと考えたわけです。しかしながら、筆者が所有し、キャンピングカーで使用しているストーブは、「屋外専用」と表記されています。自宅用に「屋外専用」のストーブは使いたくないと考え、「屋内専用」ストーブを探してみました。

「屋内専用」には3つの安全装置が必要

「屋内専用」のカセットボンベ式ストーブは、選択肢がさほどありません。日本国内の「屋内専用」のカセットボンベ式ストーブには、下記の3つの装置をつける法的規制があります。

1.転倒防止装置
2.立ち消え安全装置
3.不完全燃焼防止装置

「屋外専用」のカセットボンベ式ストーブには、これらの装置の一部が付いていません。また、ネットなどで販売されている安価なストーブにも、これらの装置が組み込まれていないものが多いようです。

これらの安全装置が搭載されていて、コンパクトで、価格の安いカセットガスストーブを検討したところ、イワタニの「マイ暖」が、ほぼ一択状態で候補に挙がってきました。

屋内用カセットボンベ式ストーブの定番イワタニの「マイ暖」。実勢価格は13,000円前後です。かなりリーズナブルといえるでしょう。

狭い室内で使うことも考えると「マイ暖」一択

カセットボンベ式ストーブでインターネットを検索して、それなりの安心できるメーカー製で狭い部屋でも使いやすいほどコンパクトで、リーズナブルなものを探すとイワタニの「マイ暖」に行き着くでしょう。ある意味、カセットボンベ式ストーブとしては定番の商品です。

さすがに「屋内専用」のカセットガスストーブなので下記4つの安全装置を搭載しています。

1.転倒時消火装置 本体が倒れたり、強い衝撃が加わったときに、自動的にガスを遮断して消火します。

2.立消え安全装置 風などによって火が消えたときに自動的にガスを遮断します。

3.不完全燃焼防止装置 不完全燃焼する前にガスを遮断して消火します。

4.圧力感知安全装置 カセットボンベが過熱されカセットボンベ内圧力が異常上昇したときに、自動的にカセットボンベがはずれ、ガスの流れが止まり消火します。

※岩谷産業のWEBサイトより

これらは、ふだん家の中で使っている暖房器具には当たり前に搭載されているような機能です。いずれも、必要不可欠な機能といえます。なかったらちょっと怖い……。やはり、屋内で使用することを前提とした安全装置が、しっかり備え付けられている暖房器具を使いたいところです。

イワタニ「マイ暖」のスペックを簡単に紹介すると、本体サイズは約312×222×290mm、重量はカセットガスを含まない本体のみで約2.6kg。最大発熱量は1.0kW(900kcal/h)。標準運転と弱運転の2段階で火力が調整可能。標準運転では、イワタニカセットガス1本で約3時間20分燃焼するといいます。

背面からカセットボンベを装着する構造。標準モードで約3時間20分燃焼するといいます。

軽くて小さくて、安全装置がしっかりと搭載された、安心のイワタニブランド。しかも実勢価格が1万円ちょっとと、現状もっとも現実的なカセットガスストーブといえるでしょう。

実際の性能などもチェックしてみます。

Iwatani カセットガス ストーブ マイ暖 ホワイト CB-STV-MYD
31.2×22.2×29.0cm
1.0kW
木造戸建住宅: 3畳まで/コンクリ―ト集合住宅: 4畳まで
安全装置不完全燃焼防止装置、立消え安全装置、転倒時消火装置、圧力感知安全装置
保証期間1年
¥12,480
2022-04-21 4:15

「マイ暖」を使ってみる

室内がどの程度暖まるかテストしてみた

当たり前ですが、カセットガスストーブは、テントや一般的な車内など、狭くて密閉された空間では絶対に使用しないでください。酸欠や一酸化炭素中毒など、重大な事故につながるおそれがありまう。

今回のテストは、普通に立って歩くことのできる高さと約4畳半程度の広さがある、キャンピングカーの室内(キャビン)で、安全に十分留意して行っています。一酸化炭素警報器を備え、しっかりと換気を行うことができる室内空間です。いうまでもありませんが、エンジンは停止した状態です。

一酸化炭素警報器を備え、しっかりと換気を行えるキャビンで、実際に使ってみました。

早朝3時17分、室内温度8.7度のキャビンで「マイ暖」を点火。室温が10度を切ると、ガスボンベのブタンガスが気化しにくくなるのですが、この日はなんの問題もなく着火してくれました。

ボンベ(イワタニカセットガス)1本で、どのくらいの時間燃焼するかをメインに測定しました。約1時間半後の4時55分には、室温は16.9度と約8度ほどアップ。Tシャツ1枚までとはいいませんが、かなり快適になりました。

最終的にボンベのガスが切れて「マイ暖」が止まったのは、6時41分。3時間24分燃焼しました。スペック表には約3時間20分とあるので、ほぼ完全に表記どおりです。そして、その時の室温は20.5度まで上昇していました。期待以上の結果といえます。

正確には3時間24分後にガスボンベの燃料が尽きて火が消えました。

足元暖房に最適!持ち運びできるのも便利

灯油も含め、石油製品などの値段が高騰していますよね。北海道に住む筆者は、今年の暖房費(灯油がメイン)の高さに驚愕しました。そこで、灯油を大量に消費する我が家のセントラルヒーティングの使用量をできるだけ抑えて、足元がちょっと寒いといったシーンでは、自宅でも「マイ暖」を使ってみることにしました。

筆者の場合、自宅や仕事場のキャンピングカーで原稿を書く時間が長く、しだいに足もとが寒くなってくるのです。そんなとき「マイ暖」がとても便利。

もともと「マイ暖」は、温暖地での3〜4畳程度の部屋向けの暖房器具。4月とはいえ、北海道の8畳部屋を暖めるほどのパワーはありません。でも、足もとが暖かくなるだけで、かなり体感温度は上がります。

足もとが暖かいだけで体感温度が全然違います。

また、本体+カセットガスボンベでも3kg以下なので、移動も楽ちん。リビングから2階の仕事部屋、お風呂の脱衣場(これ大事)など、あちこちに持ち歩きできます。もちろん移動時にはしっかりと消火して、熱くなっている部分に触れて火傷などをしないように注意してください。

実は小型の灯油ストーブも複数台所有しているのですが、「マイ暖」に比べるとポータブルとはいえない重量で、頻繁な移動は現実的ではありません。「複数台ある」というのは、つまりそういうことです。「マイ暖」なら一台で済むので、いろんな意味で省エネになります。

まとめ

非常時にも普段使いにも役立つ「マイ暖」は一家に一台がおすすめ

実をいうと筆者の実家には、旧モデルの「マイ暖」があります。母が災害時用に購入したものです。とはいえ、筆者は使ったことがありませんでした。ところが実際にイワタニの「マイ暖」を使ってみると、災害時だけではなく普段もかなり活躍してくれることがわかりました。

筆者がふだん長時間過ごすキャンピングカーは、クルマの燃料を使う強力な暖房があります。しかし、最近のガソリン価格の高騰を考えると、「カセットガスストーブでもいいのでは?」と思うほどです。部分暖房に使うのもいいでしょう。しっかりとした安全装置が付いているので、自宅で使うにも安心です。

なにかと便利な「マイ暖」ですが、やはり心強いのは災害時でしょう。大規模な災害でなくても、冬季に停電が起こったら、電化の暖房器具は使えません。そんなときに、カセットガスストーブは最高です。実家の母が購入済みなのを忘れて、思わず実家にも一台送ろうとしたほどです。まさに一家に一台用意しておきたくなるのが、カセットガスストーブ「マイ暖」といえるでしょう。

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レビュー暮らし・生活・ペット知識
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齋藤千歳(フォトグラファーライター)

元月刊カメラ誌編集者。新しいレンズやカメラをみると、解像力やぼけディスク、周辺光量といったチャートを撮影したくなる性癖があり、それらをまとめたAmazon Kindle電子書籍「レンズデータベース」などを出版中。まとめたデータを元にしたレンズやカメラのレビューも多い。使ったもの、買ったものをレビューしたくなるクセもあり、カメラアクセサリー、車中泊・キャンピングカーグッズなどの記事も執筆。現在はキャンピングカーを「方丈号」と名付け、約9㎡の仕事部屋として、車内で撮影や執筆・レビューなどを行っている。北海道の美しい風景や魅力を発信できればと活動中。

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