インクの補充が終わったら、いよいよ万年筆を実際に使ってみましょう。コピー用紙ではなく、上質なノートを用意すると、万年筆の素晴らしさがより感じられるでしょう。キャップを外して胴軸の後ろにはめた状態で、一度持ち方をチェックしてみましょう。
[別記事:【万年筆のインクを補充する方法】カートリッジ/コンバーター/吸入式の3種類のやり方を画像解説!→]
ボールペンや鉛筆とは違う!
万年筆で書いてみよう
万年筆はとにかく優しく扱うようにする
万年筆を堅苦しく考える必要はありませんが、万年筆のよさを引き出したいなら、まずは持ち方から気をつけるといいでしょう。
キャップを外して胴軸の後ろにはめた状態で、一度持ち方をチェックしてみましょう。まず大切なのは力を抜くことです。力を入れて握ると、疲れるだけでなく、万年筆のペン先にも力が入ってしまいがちです。そうなると、万年筆のよさである「力を入れずに書けること」が失われてしまいます。
万年筆を立てる角度は、45度がいいとも60度がいいともいわれます。正解はないので、自分の書きやすいように持つのがベストですが、あまり立てすぎると、紙に引っかかりやすくなるので書きづらくなります。
また、書くときにはペン先が上を向くような角度を保つようにします。左右に傾けると、うまく書けないことがあります。
指先を添える場所も、いくつか考えられます。首軸を持って書いてもいいのですが、胴軸の先端あたりに指を添えると力が入りにくく、万年筆が寝かせやすくなります。
なお、キャップの外し方には2種類あります。ボールペンのようなタイプが嵌合式(かんごうしき)です。これはキャップを押して外します。一方で、万年筆ではネジ式もよく見られます。こちらは胴軸を回してキャップを外します。
嵌合式はキャップを押して外す
キャップをしっかり持って、胴軸に添えた手の親指の先でキャップを押すのが基本だ。勢いよく引き抜くと、インク漏れの危険がある。
ネジ式はキャップを回して外す
こちらもキャップをしっかり持って、胴軸を左に回すことでキャップが外せる。力を入れすぎないようにしたい。
ネジ式か嵌合式かわからないときは
初めて手にした万年筆の場合、どちらかわからないこともあろう。そんなときは、とりあえず胴軸をひねってみて、回転するかどうかで判断しよう。回転すればネジ式で、回転しなければ嵌合式だ。
万年筆の持ち方に注意しよう
あまり細かい字を書かず、万年筆特有の書き味を味わいたいなら、ややペン先から離れた場所を持つようにするといい。ただし、細かいコントロールはしづらい。
キャップ
書くときにキャップを銅軸にはめた状態で使うか、あるいは外した状態で使うかは好みの問題だ。どちらでもかまわない。
指先
力を抜いて、万年筆をつかんで書くのではなく、指先に乗せてペン先を動かす感覚で書くといい。
持つ場所
胴軸の先端あたりに指先を添えると、ペン先に力が入りすぎず、書きやすいだろう。
ペン先
ペン先が上を向くような向きで書く。
細かい文字を書きたいなら、首軸に指を添えてもいい。そのときも、あまりしっかり握らず、軽く指を添えるのを心がけたい。
指先に力が入りすぎた状態では、万年筆のよさが発揮されない。なるべく力を抜く。
鉛筆やボールペンのように、あまり立てた状態で書くことは想定されていない。書きづらいと感じてしまうはずだ。
◆監修者:高畑正幸
※この記事は『「手書き」をとことん楽しむ万年筆・ガラスペン入門 』(マキノ出版)に掲載されています。