【終活「ペットの行く末」編】負担付き死因贈与とは?ペット信託とは?

暮らし・生活・ペット

入院中や死後にペットの世話は誰がしてくれるのか、家族や友人に相談しておくことはもちろん、預けられる人がいなければ、ペット可の老人ホームや老犬・老猫ホームを探す必要があります。また、「ペットの面倒を見る」という負担を条件に、死亡時に財産を贈与するという「負担付き死因贈与」という契約を結ぶ方法もあります。

[別記事:【終活の「終」の準備とは】家族が困らないように「意思表示」をしておくことが大事→]

本稿は『老後とお金の不安が軽くなる 終活の便利帖』(マキノ出版)の中から一部を編集・再構成して掲載しています。

日頃からペットのことを相談しておく

自分にもしものことがあったとき、今まで連れ添ったペットがどうなってしまうのか…。ペットの今後のことが心配であれば、きちんと家族や友人に相談しておきましょう。

大好きなオモチャエサ散歩コースなど、細かい情報をエンディングノートにメモしておくこともおすすめします。

もしペットが病気を抱えているなら、かかりつけの動物病院必要な薬についてもしっかり伝えてください。

ペットを預けられる施設を探す

ペットを預けられる人がいなければ、ペット可の老人ホーム老犬・老猫ホーム(ペットだけを預かってもらう施設)を探す必要があります。それぞれ特徴があるので、施設を選ぶ際は下記の点に注意してください。

また、どちらもペットの種類、大きさ、かかっている病気によっては預かってもらえない場合があります。他にも不明な点があれば、契約する前に必ず施設の人間に確認しましょう。

ペット可の老人ホームを選ぶ際のチェックポイント

(1)預かってもらえるペットの種類や大きさ
(2)ペット用の設備は豊富かどうか(ペットと一緒に過ごせる場所など)
(3)自分が動けなくなった場合、代わりにペットの世話をしてもらえるかどうか
(4)利用料金(高めに設定されている場合が多い)
(5)共同生活を営むための、ペットのしつけができている

老犬・老猫ホームを選ぶ際のチェックポイント

(1)施設の場所(ペットに会いたいときに、すぐに会いに行けるかどうか)
(2)スタッフが24時間体制になっているか(ペットが急病になっても対応して もらえるかどうか)
(3)飼育管理はゲージ内のみになっていないかどうか
(4)動物病院と連携しているかどうか
(5)寝たきりや病気の老犬・老猫を預かってもらえるかどうか

負担付き死因贈与で世話してもらう

自分の死後に、ペットの世話をしてもらいたいなら、家族や友人に負担付き死因贈与を行うといいでしょう。

これは「ペットの面倒を見る」という負担を条件に、死亡時に財産を贈与するという契約行為。契約に定めれば、存命中からペットの世話をお願いすることもできます。

確実にペットの世話を見てもらうには?

「ペット信託」を検討するといいでしょう

きちんとペットの世話をしてもらえるかどうか不安であれば、「ペット信託」が有効です。

これは、信託契約を用いて財産の一部を信頼できる人物に託し、自分にもしものときがあれば、その財産から飼育費を支払ってペットを世話してもらうというものです。

受託者と信託契約を結んだら、信託契約専用の口座を作って飼育費を入金します。受託者はそのお金を飼育費として、受益者(受託者と同じ人でも問題ない)に支払うという流れです。

ペット信託のしくみ

契約の内容によっては、受託者と受益者が同じ人でも問題ありません。また別途報酬が必要になりますが、きちんとペットが世話されているかどうかを確認する信託監督人(行政書士などに依頼するのが望ましい)を設定することもできます。

●本記事で紹介している情報は、2022年7月15日現在のものです。これ以降の法・制度改正等には対応しておりませんので、あらかじめご了承下さい。
●本記事で紹介している情報をもとに行動したうえで発生したトラブル・損害につきましては、一切の補償をいたしかねます。自己責任の範囲内で検討・実践してください。

■監修/小泉 寿洋(終活カウンセラー1級・ファイナンシャルプランナー(AFP))
■イラスト/宮坂希
※この記事は『老後とお金の不安が軽くなる 終活の便利帖』(マキノ出版)に掲載されています。

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特選街web編集部

1979年に創刊された老舗商品情報誌「特選街」(マキノ出版)を起源とし、のちにウェブマガジン「特選街web」として生活に役立つ商品情報を発信。2023年6月よりブティック社が運営を引き継ぎ、同年7月に新編集部でリスタート。

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