【終活「遺族年金」編】未支給年金とは?受け取れるはずの年金について制度をしっかり理解しよう

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国民年金、または厚生年金に加入している人が亡くなった場合、遺族は「遺族年金」を受け取れます。また、亡くなった人が本来受け取るはずだった年金、 「未支給年金」を遺族が受け取るためには、請求の手続きを行う必要があります。

[別記事:【終活】お金・住まい・健康の3つがポイント!楽しい老後を送るための必要な「活」の準備→]

本稿は『老後とお金の不安が軽くなる 終活の便利帖』(マキノ出版)の中から一部を編集・再構成して掲載しています。

遺族年金の受領条件を確認する

国民年金、または厚生年金に加入している人が亡くなった場合、遺族は「遺族年金」を受け取れます。

遺族年金には「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」の2種類があり、死亡した人が「自営業(国民年金)」か「会社員(厚生年金)」かでもらえる年金が変わってきます。

また遺族基礎年金には支払われる要件がありますが、遺族厚生年金は子どもの有無に関わらず一生涯もらえます。

遺族年金の種類

自営業
(国民年金)
会社員・公務員
(厚生年金)
支給される
年金
遺族基礎年金 遺族基礎年金
遺族厚生年金
年金を
受け取れる人
・18歳未満の子どもがいる配偶者
・子ども(18歳まで)
一定の障害がある場合は20歳まで
・妻、夫、子ども
・父母 ・孫 ・祖父母
注意点 ・遺族基礎年金は子どものいない
配偶者には支給されない
・子どもが全員18歳の年度末に
なると支給がストップする
・遺族厚生年金は子どもの
有無に関わらず支給される

条件によっては年金収入に大きな差が出ることもある

会社員と自営業、さらに夫と妻のどちらが先に亡くなるかなど、条件によっては年金収入が大きく変わってきます。

例えば、夫が元会社員、妻が専業主婦の場合、世帯での年金収入は夫の老齢厚生年金と老齢基礎年金に妻の老齢基礎年金を足したものになります。

ここで夫が先に亡くなると、妻に支払われるのは自身の老齢基礎年金に、夫の厚生年金の4分の3を足した金額になります。

逆に妻が先立った場合、夫に支払われるのは自身の老齢基礎年金と老齢厚生年金を足した金額で、妻がもらっていた年金は支払われなくなります。これは、妻は基礎年金のみなので、遺族年金が発生しないからです。

未支給年金の請求のしかたを確認する

未支給年金」とは、亡くなった人が本来受け取るはずだった年金のことで、遺族が代わって受け取ることができます。

例えば、老齢年金は亡くなった月までの年金をもらう権利があるので、偶数月に亡くなった人は1カ月分、奇数月であれば2カ月分の年金が未支給となります。

この未支給分を遺族が受け取るためには、未支給年金の請求手続きを行う必要があります。

未支給年金分の年金以外を受け取るのは違法になりますので、まず「受給権者死亡届」を出して、故人の年金を止める手続きをしましょう。

その後、「未支給年金・未支払給付金請求書」に記入して請求先に提出すれば、未支給年金を受け取ることができます。

未支給年金請求の要点

(1)対象になる人
→亡くなった人と生計を同じくしていた遺族
(2)手続きをする場所
→市区町村役所か、年金事務所、街角の年金相談センター

子どもの扶養に入れば大きな節税になる

扶養控除を活用すると、納税者が支払う「所得税額」と「住民税額」が減らせるのですが、この扶養は別居している親などにも適用可能です。

親を扶養に入れるためには、「6親等内の血族及び3親等内の姻族であること」や「被扶養者の給与収入」「納税者と生計を一にしている」といったいくつかの要件があります。

その中でも別居しているのに生計をともにしているというのはわかりにくいかもしれませんが、生活費や療養費などの名目で仕送りをしていれば、「生計を一にする」ものとして取り扱われます。

また、年金生活者が子どもの被扶養者になれば、国民健康保険に加入する必要はないので、健康保険料は不要になります。

扶養控除の額

被扶養者 70歳以上の扶養親族
同居老親等 同居老親等以外
所得税 58万円 48万円
住民税 45万円 38万円
被扶養者 16歳以上70歳未満の扶養親族
19歳以上23歳未満 左記以外
所得税 63万円 38万円
住民税 45万円 33万円

●本記事で紹介している情報は、2022年7月15日現在のものです。これ以降の法・制度改正等には対応しておりませんので、あらかじめご了承下さい。
●本記事で紹介している情報をもとに行動したうえで発生したトラブル・損害につきましては、一切の補償をいたしかねます。自己責任の範囲内で検討・実践してください。

■監修/小泉 寿洋(終活カウンセラー1級・ファイナンシャルプランナー(AFP))
■イラスト/宮坂希
※この記事は『老後とお金の不安が軽くなる 終活の便利帖』(マキノ出版)に掲載されています。

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特選街web編集部

1979年に創刊された老舗商品情報誌「特選街」(マキノ出版)を起源とし、のちにウェブマガジン「特選街web」として生活に役立つ商品情報を発信。2023年6月よりブティック社が運営を引き継ぎ、同年7月に新編集部でリスタート。

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