アジア最大級のアートイベント「デザインフェスタ」(通称「デザフェス」)は、アーティストたちによるオリジナル作品が数々展示され、ハンドメイド好きの聖地とも呼ばれています。年に2回開かれ、毎回大盛況というこの催しに参加して、その魅力を探りました。どういう作品があって、どんな楽しみ方ができるの? 2022年11月に東京ビッグサイトで開催されたvol.56の様子をレポートします。
デザインフェスタ(デザフェス)とは?
「デザインフェスタ」(通称「デザフェス」)は、1994年から続くアジア最大級のアートイベントです。オリジナル作品であればプロ・アマ問わず誰でも無審査で出展・参加ができます。アートやハンドメイド作品好きの聖地とも呼ばれ、vol.56はなんと6,000以上の出店があるとのこと。そこで美術系好きの息子(中3)と参戦してみました。
デザフェスで出展されるジャンルは、イラストや写真、ファッション、書籍、パフォーマンス、フードなど多岐にわたります。vol.56ではそれらを西1階と4階、南1階と4階の4つのフロアで展開するのです。
前日には、Twitterのキーワード検索「デザフェスお品書き」で、どんな商品があるのかを事前にチェックしました。「とりあえずここに行こう」という目的があると、未知のイベントへでもなんとなく安心できます。
その後、公式サイトからプリントアウトしたマップに目的のお店の印をつけたのですが、改めて規模の大きさに驚きました。1フロアに1000件以上あるじゃん…。1日で回れるかな。ちなみに息子は以前から好きだった作家さんが何名か出展していることを知り、かなりテンションが上がっていました。
当日は朝イチの11時から現地入りし、とりあえず5000円ずつを軍資金として、息子とは別行動をすることに。それにしても、会場が広いのなんの。自分の現在地がまるで把握できず、昨日作成したマップが役に立たないため、とりあえず手当たり次第に歩くことにしました。
最初に目に入ったのが、すでに長い行列ができていたショップです。覗いてみると、漫画やLINEスタンプで人気の「ねこのぶーちゃん」のブースでした。撮影させてもらっている間にも、目の前でどんどん商品がなくなっていきます。
次に目が止まったのがバッグのお店。ふっくらとしたフォルム、ちょうどいいサイズ感、色柄展開も可愛いらしく上品で、思わず「普段はデパートとかでも売ってるんですか?」とお店の人に聞いてしまいました(売ってないそうです)。もっとアバンギャルドなブースばかりだと思っていたので、こういう実用的(?)なお店もあるんだというのが大きな発見でした。
もちろん、エッジの効いたショップもありました。「るいこ堂」さんはオモチャみたいなオリジナル服を販売しているお店で、手前に飾られた名古屋城ドレスが存在感を放っています。ICカードホルダー「てくぴ」は、カバンの中でカードが迷子にならず、改札の通過をスムーズにする人気グッズ。シンプル構造を目指すためアジャスターを排除し、XSからXXLまで6サイズ用意している点も特徴的です。
また会場には他にも、普段は見かけない洋服や帽子などがたくさんありました。ドラマチックで個性的なファッションアイテムが欲しい!と思ったときは、デザフェスを訪れると間違いないでしょう。
個性が光る雑貨群
いろんなショップを見ながら感じたのは、とにかくデザインやアイディアの幅が広く、オリジナリティが溢れ返っているということです。雑貨は特にそうで、例えばモチーフやカテゴリーが同じでも、デザインやテイストは見事なまでに千差万別でした。それぞれの魅力を放っていた製品たちを、いくつかみてみましょう。
猫グッズ
粘土で作られた掌サイズのネコだるま。作品は形成から着色・仕上げまで1点1点手作業で行っているそうです。立体的で丸っこい感じや表情豊かな愛くるしさは、何度も撫で回したくなるほど。角度を変えても黒目が追いかけてくる仕様で、どこにいても目が合うのも萌えポイントです。
こちらは、ボス猫のような面構えのいい猫ちゃんがモチーフ。保護ねこ活動をしている作家さんが日常的な猫の可愛さをテーマにしており、ファンシーすぎないない作風が印象的です。猫がサングラスをかけていたり、キノコのコスプレをしていたりするのがユニークで、センスと愛情を感じました。
お財布・ポーチ
子供向けのスイーツ系のファンシーグッズを見て、おとな用のがあればいいなと羨ましく思ったことはありませんか? そんな望みを叶えてくれるこちらのポーチ類は、女性のお客さんに大人気。可愛くて洒落っ気があり、パッと取り出した時に友達や周囲へのウケも良さそうです。
こちらは、クールな瞳で見つめるちょっぴりオカルティックな革製品。このお財布を持って買い物に行ったら、冷静な眼差しで「ソレ、ホントウニ買ウノカ」と問われそうで、無駄遣いが防げるかもしれません。所有物というより、相棒のような関係性が作れそうです。
アクセサリー
クラシカルなムードをまとったアンティーク調アクセサリー。ブレスレットの「天使のため息」というネーミングも雰囲気たっぷりで、1000円以下というお手頃価格です。アクセの後ろでは作家さんが絵を描いていて、自由な空間でした。
こちらは漢字を使った新発想のアクセサリー。四字熟語ブローチはいろんな種類があり、「あの人にはこの言葉をプレゼントしよう」なんて選ぶのも楽しそうです。売れ筋は「酒」と「肴」のピアスで、主に飲食関係のお客さんが買って行くのだとか。海外へのお土産にも喜ばれそうです。
キーホルダー
ハンバーガーやポテト、クリームソーダを型取った革製キーホルダーが目を引いたこちらのお店。レザーのバッグやスマホケースなどもカラフルで、大人のカジュアルという感じです。アメリカ文化が好きな人や、普通の革小物じゃもの足りない人に嬉しいラインナップです。
こちらのアクリルキーホルダーは、ポップなキャンディテイストがなんともキュート。大きいタイプは中に小さいおもちゃが入っていて、揺らすとシャカシャカ動くようになっています。小さい子や、子供みたいな大人が好きなテイストではないでしょうか。
ブースのディスプレイにもこだわりが
さて、別行動をした息子ですが、会場で姿を見かけることはありませんでした。筆者が数々の商品に心を躍らせていた頃、息子はブースのディスプレイやコンセプチュアルな空間作りに興味を持った様子。フォトジェニックな写真がいろいろ撮れたようで、そういう楽しみ方もあるんだなと思いました。
ちなみに、息子のお目当てだった作家さんには全員会えたとのこと。恥ずかしくて話しかけられなかったそうですがグッズはしっかり買えて、1時間で5000円を使い切っていました。
母と息子の戦利品
この日の息子の戦利品はこちら。「今日を逃すともう買えないかもしれない」との思いから、さらに3000円ほど課金したそうです。お目当ての作家さんに加え、今回新しく好きな作家さんも見つけたようですが「欲しいものが多すぎてお金がかかりすぎる」とジレンマも抱えた様子。自分の買ったものを見ての感想は「意外に動物系が好きなんだな」とのことでした。
こちらは筆者の戦利品です。カラフルでおもちゃみたいなテイストに弱く、アラフィフながら10代の息子よりポップなチョイスとなりました。パングラム詩集とカードゲーム「RED OUT」(無料頒布)は、家で待つ長男へのお土産に。スマホケースはずっと探していたので、気に入ったものに出会えてラッキーでした。
ちなみに出展者さんは皆さん親切&好意的で、買い物がすごく楽しかったです。ネットショッピングやセルフレジも便利ですが、相手の温度を感じるようなやりとりもいいなと感じました。
まとめ
初めて訪れたデザフェスですが、10代の息子も50代の筆者もそれぞれの視点で十分楽しめました。息子は「いつか自分も出展してみたい」という野望も持ったようです。買ったものを見返すことで、自分の好みを見つめ直すいい機会にもなりました。ショッピング目当ての人が多いですが、デザフェスはステージやワークショップショップも充実しています。次回の開催は5月。興味のある方は訪れてみてはいかがでしょうか。
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