ダウンジャケットや羽毛布団など、北国・北海道に住んでいるせいか? 羽毛製品が大好きな筆者。しかし、羽毛をとられた鳥たちのことも気になりますし、2歳の息子がいるのでダニやアレル物質なども気になるのです。そして、もっと快適に家族全員で眠れるのではないかと、ネットをみていると「フォスフレイクス」を使った羽毛レスな掛け布団を発見。羽毛を使っていないだけでなく、アレル物質不使用で丸洗いもできるといいます。そんな都合のよいものがあるのか? と半信半疑なところもあるのですが、本当に快適なのか? 温かいのか? 軽いのか? などを実際に試してみました。
執筆者のプロフィール
齋藤千歳(さいとう・ちとせ)
元月刊カメラ誌編集者。新しいレンズやカメラをみると、解像力やぼけディスク、周辺光量といったチャートを撮影したくなる性癖があり、それらをまとめたAmazon Kindle電子書籍「レンズデータベース」などを出版中。まとめたデータを元にしたレンズやカメラのレビューも多い。使ったもの、買ったものをレビューしたくなるクセもあり、カメラアクセサリー、車中泊・キャンピングカーグッズなどの記事も執筆。現在はキャンピングカーを「方丈号」と名付け、約9平方メートルの仕事部屋として、車内で撮影や執筆・レビューなどを行っている。
さらに快適な眠りを目指して掛け布団を検討
エマ・マットレスが非常に快適なので、さらに息子と安心して眠れる掛け布団を探した
2歳の息子と妻、そして筆者の3人で川の字ならぬ、H字で家族いっしょに寝ています。
家族で寝ているときに幼い息子が落ちてケガをしないように超ローベッドにした「【子どものベッド落下防止】予算約35,000円!ALLニトリで約15cmの超ローベッドを実現」や覚悟を決めて、ちょっと贅沢ながら「【家族3人で快適に寝る】100日無料お試しに惹かれて…我が家のベッドの隙間問題に「エマ・スリープ」キングサイズ高級マットレスを導入してみた」といった記事を特選街WEBにて公開、より快適な睡眠環境を追求している筆者。
ちなみに「エマ・マットレス プレミアム」は、本当にびっくりするくらい寝心地がいいので、ぜひ100日無料お試しで体験してみていただきたい。そんな前回の記事の経験から世の中を探せばもっと快適な寝具があるはずと思い、今回は掛け布団を探してみました。
最近ちょっと気になっているのが、2歳の息子の肌荒れ。時折、なにかブツブツのようなものが出ることもあり、ダニなのか? なにか肌と合わない物質が家の中にあるのか? とちょっと心配になっています。
筆者たちが使っている掛け布団は、筆者が10年近く前に購入したダブルサイズの羽毛布団、記憶が正しければ数万円程度だったので、高級というほどでもなければ、特別に安くもない程度の品物といえるでしょう。子どものときから綿の布団ではなく、羽毛布団が好きだったので、実家を出てからはほとんど羽毛布団を選択しています。
しかし、かなりの年月使用した羽毛布団はダニなどの温床になっている可能性も否定できません。皮膚科に行くと「乾燥」と言われる息子の肌荒れも、もしかしたら古い羽毛の掛け布団が原因かもしれないです。羽毛布団もかなり古くなっていましたし、せっかくなので息子と安心して眠れる新しい掛け布団があればと探してみました。
デンマーク生まれの独自素材「フォスフレイクス」製の掛け布団
40代後半である筆者の記憶によると、実家で羽毛布団を使いはじめたのは小学生くらいのときでしょうか? 高度経済成長、物品税の廃止、日中国交正常化などの影響で一般家庭でも羽毛布団が普及しはじめたといわれるタイミングだったようです。
それまでの綿や化繊の布団に比べて、圧倒的に軽く、吸い付くような感触と保温性の高さから、幼い筆者はとりこになりました。最初は幼い筆者用の羽毛布団はなく、父と母の布団だけが羽毛布団だったので、その羽毛布団に入りたいために、結構大きくなるまで父と母の布団に潜り込んでいました。
とはいえ、日本で羽毛布団が普及しはじめて半世紀、ヨーロッパでは1200年ほど前から使われているという羽毛布団。使用する羽毛自体は食肉用の副産物として生産されているそうですが、それでも羽毛布団1枚を作るのに100羽から150羽の水鳥の羽毛が必要だそうです。また、アレル物質やダニの発生などといった問題もあります。なにか代わりになるような素材が開発されていないのかと筆者はネットで探してみたわけです。
そして、見つけたのがアレル物質不使用のポリエチレンを薄く引き伸ばして、シワ加工を行ったという「フォスフレイクス」。北欧デンマーク生まれの特殊素材で、動物由来の物質も使っておらず、ホコリも発生しにくいといいます。しかも「フォスフレイクス」は繊維片の間に空気をとりこむ性質を備えており、羽毛のような感触、快適な睡眠に適した湿度と温度をキープしてくれるといいます。
この「フォスフレイクス」を使った「ノルディック スリープ(NORDIC SLEEP)」の製品はすべてデンマークで設計・製造。さらに丸洗い可能で、繊維製品の国際安全基準である「STANDARD 100 by OEKO-TEX(クラス 1)」の認証を取得しています。
羽毛布団先進国ともいえる北欧デンマークのオリジナル新素材を使用し「STANDARD 100 by OEKO-TEX(クラス 1)」も取得した羽毛レスな羽毛? 布団、筆者でなくても気になるのではないでしょうか。そこで実際に導入してみました。
クイーンサイズで38,500円と思う以上にリーズナブル
ダニの侵入を防ぐというスレッドカウント400の純正シーツもおすすめ
デンマーク製でオリジナル新素材を使用、丸洗いもできて、「STANDARD 100 by OEKO-TEX(クラス 1)」も取得済みの羽毛レスな掛け布団であるノルディック スリープ デュベ。かなりいいお値段なのだろうと覚悟していたのですが、冬用の「ノルディック スリープ デュベ ウインター クイーンサイズ(210×210cm)」で38,500円(税込)と意外と普通の価格です。
すごく安いとも思いませんが、驚くほど高くもありません。
同じウインター用のシングルは27,500円(税込)。オータム用は同じ価格で、最も安いサマー用なら22,000〜31,900円(税込)、スプリング用は25,300〜36,300円。筆者は北海道に住んでいるのでウインター用にしましたが、このあたりは寝室の温度に合わせてセレクトするとよいでしょう。
また「ノルディック スリープ Fosstars デュベ カバー 210cm×210cm [クイーン 掛布団用]」も筆者は同時に導入したのですが、こちらは19,800円(税込)。「STANDARD 100 by OEKO-TEX(クラス 1)」に対応し、ダニの侵入を防ぐというスレッドカウント400の高級シーツなので、少しお高めのようです。
「ノルディック スリープ デュベ ウインター」を使ってみた
羽毛布団に比べるとちょっと重めの感触で安心感抜群! すぐに息子と妻にとられた
「ノルディック スリープ デュベ ウインタークイーンサイズ用(210×210cm)」と「ノルディック スリープ Fosstars デュベ カバー 210cm×210cm [クイーン 掛布団用]」(以下「ノルディック スリープ デュベ」)が実際に我が家に到着し、カバーを洗い、装着して実際に、その寝心地を試してみました。
実のところ、導入してみたのはいいのですが、筆者には気になる点がいくつもあったのです。ひとつはポリエチレンを薄く引き伸ばして作られた「フォスフレイクス」が入った「ノルディック スリープ デュベ」は、もしかしたら布団のなかで動く度にカサカサと音がするのではないだろうか? ポリエチレン素材なので、WEBサイトには冬用クイーンサイズで約1,875gと書かれていたが、安っぽい化繊の布団のように異常に軽くて、スカスカした感触だったらどうしよう。さらには、布団を掛けると吸い付くような羽毛布団の感触が筆者は好きなのですが、安手の化繊の布団のように密着感がなかったらイヤだなぁ、など心配は山積みです。
しかし、それらのすべては杞憂でした。実際に使っていても「これって羽毛布団じゃないんだよね……」と心配になるほど「ノルディック スリープ デュベ」は羽毛布団と変わらない感触になっています。掛けると包み込まれるような羽毛布団独特の感じは、羽毛布団よりも強いのではと思うほど。しっとりと身体に吸い付くように覆われる感じで、カサカサとした音などは発生しません。ちなみに、重さについていうと、それまで使っていた羽毛布団よりも少し重たい印象で、これが軽すぎず、抱きしめられているような安心感が得られます。個人的にはとてもいい。気になる保温はウインター用を選択したので、暑くなりすぎないか心配したのですが、快適な温度を保つ傾向で、息子が布団を蹴飛ばす回数が減った気がします。
結論からいうと、いままでの羽毛布団よりも快適です。
細かな点を指摘するなら、ちょっと重く感じる点を筆者はプラスに評価しましたが、この点は好みがあるかもしれません。
ただし、我が家では家族全員、息子も含めプラスに評価したようで、レビューのために筆者が寝てみた、次の日には息子と妻の掛け布団になっていました。我が家ではダブルサイズの羽毛布団を筆者と妻がそれぞれ使っており、主に妻と息子が1枚の掛け布団で寝ている状態だったのです。
そのため、ふたりで寝ている妻と息子がより快適な「ノルディック スリープ デュベ」をメインで使うようになりました。筆者から取り上げるほど快適ということのようです。
安全性と丸洗い可能な清潔性能のついて
3歳までの乳幼児向け製品を対象したエコテックスのクラス1を取得
皮膚が薄いなど、さまざまな理由があるのでしょうが、子どもの肌は荒れやすいように感じます。
我が家の息子も、冬場の乾燥などですぐに肌が荒れますし、ちょっとブツブツが出ることもあるのです。原因がはっきりしないことも多いのですが、息子の肌の荒れ具合に比例して、妻の機嫌も荒れます。そのため、息子の肌荒れの原因は、できるだけ少なくしておきたいわけです。そして、1日の半分以上寝ている2歳の息子にとって寝具はとても重要。
「ノルディック スリープ デュベ」などはもちろん、カバー類に至るまで「ノルディック スリープ」の製品は繊維製品の世界最高水準の安全性を保証する「STANDARD 100 by OEKO-TEX(エコテックス)」の4つの区分のなかでも、もっとも厳しい36カ月までの乳幼児、幼児期に触れる繊維製品向けの用途であるクラス1をクリアしています。
「STANDARD 100 by OEKO-TEX(クラス 1)」を取得している「ノルディック スリープ」の製品は本体、カバーともに世界最高水準の安全性が確保されているといえるわけです。
筆者は自分のことなら、あまり気にしないのですが、息子のことになると、この安全性の保証を非常にありがたく感じます。妻にも説明しやすいですし。
年に3〜4回程度、60度以下のお湯と乾燥機で丸洗いを推奨
ちょっと驚くのですが「フォスフレイクス」で作られた「ノリディック スリープ」の製品は年に3〜4回程度、丸洗いすることが推奨されています。汚れたら洗えますのではなく「年に3〜4回、洗うことをおすすめします」と明記されているのです。
洗う際は60度以下のお湯が推奨されており、お湯で洗うとダニが死滅し、衛生的でアレル物質を除去できるだけではなく、ボリューム感と弾力性をキープしやすくなるといいます。なお、洗濯機を使う場合は洗濯ネットが推奨です。
乾燥についても、低温(60度)以下の乾燥機が使用できます。目安となる時間は枕で45分程度、注意点は乾燥が終わったら、すぐに乾燥機から取り出すこと。熱い乾燥機に放置するとドラムの熱で製品がダメージを受けることがあるのです。乾燥機を使う際も洗濯ネットを使用するとより安心。可能であれば、乾燥後に2〜3時間外で陰干しするのがおすすめだといいます。乾燥機を使わない場合は、陰干し乾燥が推奨です。
かなり簡単に洗濯できそうなので、試してみようかと思ったのですが、「ノルディック スリープ デュベ ウインター クイーンサイズ(210×210cm)」は8kg以上の大型の洗濯機が必要になるので、我が家では洗濯できず、コインランドリーなどに行く必要があります。
とはいえ、逆にいえば、近所のコインランドリーまで持っていけば、簡単に丸洗いできるのは非常にうれしいポイントです。これまで筆者が使っていた羽毛布団などは、かなり高価で専門的なクリーニングを行う必要があり、数年に一度でもあまり現実的ではなかったのですが「ノリディック スリープ」なら簡単に洗うことができます。これは子どもといっしょに使う布団としては、大きなアドバンテージといえます。とても安心です。
まとめ
現実的な価格と心身ともに満足できる「ノリディック スリープ」はかなりいい
現在流通している羽毛の大部分が食用に用意された鳥からの副産物だとわかっていても、羽毛布団1枚で100〜150羽分の羽毛が必要といわれると、あまり気分はよくありません。また、息子から「羽のなくなった鳥さんはどうなるの?」と聞かれるのもちょっと。とはいえ、筆者の場合、撮影時に極寒のアウトドアで使用する極地向けダウンジャケットなどは依然羽毛のままなので、矛盾しているといわれれば、そのとおりです。
しかし、現実的な価格で、快適性能に妥協することなく、鳥から採取した羽毛を使わない「ノルディック スリープ」の「デュベ」は非常に魅力的な選択肢といえるでしょう。「フォスフレイクス」の極寒用ダウンジャケットなどがないところをみると、おそらく重量や体積当たりの保温力が高価な羽毛にかなわないといった点があるのだと思います。しかし、室内での使用が大前提の掛け布団において、大きな問題だとは思えません。
さらにダニや洗濯の問題も含めて、どこかでちょっと「鳥さん、ごめんね」と思わなくてもいい「ノルディック スリープ」という選択肢は筆者は心身とも快適です。息子にも、そういう選択肢もあるということがいえるのもうれしく思えます。とてもおすすめです。
また、予想以上に快適だった「フォスフレイクス」を使った枕なども「ノルディック スリープ」から発売されているので、こちらもぜひ試してみたくなりました。