【要点解説】『Microsoft Copilot(マイクロソフト・コパイロット)』とは? 仕事と暮らしに役立つAIアシスタント

Windows

ChatGPTが公開されて訪れた「生成系AI」ブーム。しかし多機能すぎて使いこなしはけっこう難しい。そこでWindowsとオフィスソフトを擁するマイクロソフトが、仕事や暮らしにAIを導入する手段として提案しているのが『Microsoft Copilot(マイクロソフト・コパイロット)』である。

生成系AIとは?〜仕事や日々の作業に使うための基礎知識

もちろんChatGPT以前にも、AIはたくさん存在した。しかし2022年末に登場したChatGPT(GPT-3.5/OpenAI社)が画期的だったのは、自然言語処理AIモデルだったこと。人間の話す言葉(自然言語)をAIが理解して、チャット形式で連続して会話ができ、自然言語で回答をしてくれることだった。

回答はインターネット上の情報を大規模学習したデータベースから導かれるのは良いのだが、当時で3年前までの情報しか学習しておらず、最新のトピックにはうとい。ネット上の情報自体に嘘が多いことから「AIって嘘をつくよね」というネガティブな評価を受けることも多かった。

23年3月にChatGPTはバージョンアップして、文字だけでなく画像入力も可能になった「GPT-4」が公開されるのだが、これが有料版。月20ドル(約2,990円)で契約しないと使えなかった。

 

その隙間を縫うように登場したのが、マイクロソフト社による「BingAI」である。これはマイクロソフトの検索エンジンである「Bing」と、ChatGPTを組み合わせたAIサービスで、当時最新のGPT-4も無料で使えることから、利用者が拡大した。

それでもAIを何に使うのかとなると、やはり万能がゆえに難しいことは変わりがない。そこで新たにマイクロソフト社が打ち出したのが、よりAIを使いやすくする「ユーザーが操縦士(パイロット)であり、AIは副操縦士(コパイロット)である」という概念だった。

 

『Microsoft Copilot(マイクロソフト・コパイロット)』とは?〜AIはあくまでアシスタントであり、指示待ち世代!

「BingAI」は『Microsoft Copilot(マイクロソフト・コパイロット)』という名称に生まれ変わった。より身近に活用してもらうために、マイクロソフト社が擁するWindowsと合体し、操作方法から文章生成、DALL-E 3を用いた画像生成まで可能になった。

 

Windowsを使っていれば、そこかしこに出てくる「コパイロット」。タスクバーにいると思えば、マイクロソフト社のブラウザ「Microsoft Edge(マイクロソフト・エッジ)」のサイドバーにもいるので、簡単に使用は開始できる。

タスクバーをクリックすると…

出てきた

文章ならば、書きたいテーマを伝え、文章のノリを伝えると、それなりのクオリティのものをすぐに返してくれる。もちろん現状ではやはり、誤答する可能性も無視できないので、ビジネスで使用する場合などはソース(出典元)を確認する必要があり、調整する必要があるがとても便利だ。

 

ただ求めることを100%実現できるわけではない。日替わりで来るアシスタントや新規に来たインターンに仕事を指示しても、意図を全部反映して文書などを作成することは困難だ。そのため一度出してきた回答に、「ここはこうして」などの指示を追加する必要がある。


ただ地頭は優秀なので、的確な指示(プロンプト)を複数回行うことを丁寧に行えば、かなりのクオリティに仕上げることができる。

 

『Microsoft Copilot(マイクロソフト・コパイロット)』をWord、Excel、PowerPointと連動させるのは高く付く

普段使っているオフィスソフトの操作を手伝ってくれたら最高なのだけれど、現状(2024年3月6日現在)では、日本国内で個人(家庭)向けプランでの使用はスムーズには行かない。

『コパイロット』の無料プランはあくまで元BingAIが行っていた生成系AI機能の利用のみ。

『コパイロット』をWord(ワード)、Excel(エクセル)、PowerPoint(パワーポイント)などの主力オフィスソフト(現・Microsoft365アプリ)と連動させるためには、法人向けであるアドオン「Copilot for Microsoft 365」(税抜3,750円/月)を契約する必要がある。

 

その契約を行うためには、最低でも法人向けである「Microsoft 365 Business Standard」(税抜1,560円/月※要年間契約)以上の契約が必要となる。つまり毎月合計で税抜5310円の投資が必要となるのだ。

 

ただそこまですれば、Wordでラフに書いた文章をビジネスに適したものに書き換えてくれるし、Excelの関数を覚えなくても、「合計した数値を分析してグラフ化して」などの指示を送ることができる。PowerPointも見た目が洗練されたプレゼン資料を短時間で作成してもらえる。

 

夢のオフィスソフト(現・Microsoft365アプリ)と『コパイロット』の合体が、個人・家庭環境で実用的になるのは、もう少し先のことのようだ。

公式サイト

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