森をイメージしたトイレ用音響装置で安心感と節水を両立!
プライベート空間であるトイレにおいて、使用時の音を人に聞かれたくないというニーズから生まれたトイレ用音響装置。
消音のための無駄な洗浄を抑制することで、大幅な節水促進が期待できるため、デパートや公共施設などで数多く採用されている。
これらの製品は、大きめの流水音が流れるものが一般的だが、実は、従来品は録音した音源を再生して行為音を隠すというもので、「聞かれたくない」という悩みを解消するには不十分だったという。
そこで登場したのが、「音」にこだわったトイレ用音響装置「サウンドデコレーター」だ。
LIXIL
サウンドデコレーター
価格:3万2800円=オート(埋込型・100V)、オート(露出型・100V) 、2万1800円=手かざし(露出型・電池式) ※すべて、税・工事費別
開発は、住関連サービスを提供するLIXILと、電子楽器メーカーのローランドによる異色のコラボだ。
本機で採用しているのは、ローランドのノウハウを駆使して作り込んだ「せせらぎ音」。
消音に有効なマスキング効果を上げるため、トイレ使用時の音の周波数帯域を細かく分析し、その周波数帯と音圧レベルを合わせた音を作成。
これにより、効果的なマスキングに成功している。
オートタイプと手かざし専用タイプを用意
マスキング効果とは、二つの音波が同時に耳に届く際に、弱い音波が強い音波に打ち消され、聞こえなくなる効果のこと。
本機の使用サンプル音源を聞いてみると、トイレの使用音がせせらぎ音に溶け込み、きれいにかき消されているのがわかる。
一方、擬音をかぶせる従来品では、ところどころで行為音が残り、カバーしきれていない印象だ。
従来の擬音装置に比べ、しっかり音が消える!
せせらぎ音を作るに当たっては、山奥まで機材を持ち込んで「小川のせせらぎ」や「野鳥のさえずり」など、自然の中から数多くのサンプルを採取したという。
そこから音の要素を切り出し、プロの技術によってチューニング。丁寧な作りがなされている。
マスキング効果で音をきれいに消せる安心感はもちろん、森林を思わせる心地よいサウンドにより、リラックス感も得られる。トイレに行くのが楽しみになりそうなアイテムだ。
解説/諏訪圭伊子(フリーライター)
※表示の価格は、記事制作時のものです。