Q
今までずっと疑問に思っていたのですが、オーディオのフルレンジスピーカーは、一つの振動板で高音も低音も出しています。振動数の違う各域の音が、どうして一つの振動板で再現できるのでしょうか?(K・Kさん 山口県 66歳)

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A
この質問は、AV評論家の林正儀さんに聞きましょう。


フルレンジスピーカーとは読んで字のごとく、全帯域を1本のユニットでカバーするスピーカーのことです。

また、「振動数=周波数」と覚えておきましょう。

スピーカーは、振動板である円錐形のコーンを音楽信号に合わせて動かし、空気圧の変化として伝えます。

このコーンの動きをピストンモーションといい、低い周波数のときはゆっくりと前後に動き、高い音になるほど素早い往復運動をするのです。

ご質問は「音楽は低音も高音も一緒に鳴っているが、なぜ一つの振動板でそれができるのか」ですが、実は、周波数によって振動するコーンの場所が違うのです。

コーンの周辺は柔らかいエッジ(バネ)があり、低音再生ではコーン全体がピストンモーションするため、多くの空気を動かすことができるのですが、中音から高音と振動が速くなっていくと、コーン全体としては「行って/戻る」という変化に追いつけません。

そのため、中音ではコーンの中央あたりが振動し、高音ではコーンの内側部分だけが振動するのです。

実際の音楽信号はもっと複雑で、いろいろな楽器の音が同時進行でスピーカーに加えられるため、100%完璧に追従するのは不可能ですが、そこは振動板の素材など、技術的な進歩でカバーしています。

──音を出すために振動させる場所が違うということですね。


ちなみに、市販のフルレンジスピーカーは10〜16センチ口径のものが多いのですが、これは、低音から高音までバランスよく鳴らすのに程良いサイズだからです。

口径の大小は、そのまま再生帯域に関係するため、25〜30センチなど大口径のスピーカーは低音専用のウーハー向き、小口径のスピーカーは高音専用のツイーター向きとなっています。

大、中、小のユニットを組み合わせた大型スピーカーよりも、ユニットが1個のシステムのほうが、再生帯域は狭いのですが、音がよりナチュラルでバランスがよく、定位も正確なため、フルレンジは「理想のスピーカー」と呼ばれているのです。

──なるほど。自宅のボーズのスピーカーはフルレンジですが、確かにとてもいい音だと感じます。ありがとうございました!

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