スマホやパソコン、テレビ、LEDの光源などで、現代人の目は過去とは比較にならないくらい大きなダメージを受けています。ダメージを少しでも減らすために重要なのが、ルテインという成分です。ホウレンソウは、ルテインを補給する食べ物として最適です。【解説】平松類(二本松眼科病院医師)

解説者のプロフィール

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平松類(ひらまつ・るい)
1978年、愛知県生まれ。2003年、昭和大学医学部卒業。二本松眼科病院医師、昭和大学兼任講師、医学博士、眼科専門医、緑内障手術機器トラベクトーム指導医。外来や手術の傍ら、医療コミュニケーションの研究のなかで、患者さんが病気を知ることがよりよい治療のために重要なことを知り、病気の知識をわかりやすく伝える活動を続ける。著書に『その白内障手術、待った!受ける前に知っておくこと』(時事通信社)、『老人の取扱説明書』(SB新書)他多数。

野菜不足で目の病気が増えている

「目にいい食べ物はないのでしょうか?」
これは目の悩みをかかえる人が、眼科医に聞いてみたい質問でしょう。

そういうとき私は、「目にいい食べ物はあります。それはホウレンソウです」とお答えしています。

スマートフォン(スマホ)やパソコン、テレビ、LEDの光源などで、現代人の目は過去とは比較にならないくらい大きなダメージを受けています。

ダメージを少しでも減らすために重要なのが、「ルテイン」という成分です。ホウレンソウは、ルテインを補給する食べ物として最適です。

ルテインはもともと目にある成分で、光から目を守っていますが、年とともにしだいに減り、特に40歳を超えると大きく減っていきます。体内で作ることはできないので、食べて補うしかありません。

ルテインは体内に入ると血液に溶けて全身をめぐり、モノを見る中心である黄斑や、レンズの役割の水晶体にたまりやすい特徴があります。他にも目にいい成分はありますが、他と違って目に集積しやすいのがルテインなのです。

現代人は、目に大きなダメージを受けているのに、それに耐えられるだけの量のルテインを摂取していません。

加齢黄斑変性という病気があります。網膜にある黄斑が異常をきたし、歪んで見えたり、進行すると失明したりする病気です。

かつては日本人の失明原因の8位と低かったのですが、だんだん増えて今は失明原因の第4位です。理由としては、食事の欧米化により、野菜の摂取量が減っているからだと思われます。

欧米型の食事は、脂質が多くて野菜の量が少なく、欧米型の食事をすると黄斑変性になりやすいことがわかっています。日本人は、野菜の摂取量がしだい少なくなり、ルテインの補給が足りないのです。

ルテインが不足すると、加齢黄斑変性だけでなく、白内障(目のレンズの役目をする水晶体が白く濁る病気)や老眼にもなりやすくなります。

画像: ルテインは「黄斑」や「水晶体」にあって目を保護する

ルテインは「黄斑」や「水晶体」にあって目を保護する

光のダメージから目を守るルテイン

ルテインが光のダメージから目を守ってくれるのは、次のような理由です。

・抗酸化物質
体は光(紫外線)が当たると酸化という現象が起こります。体がさびて老化するのです。ルテインは酸化に対抗する抗酸化物資なので、ルテインが酸化を防いでくれます。

・色が黄色
パソコンやスマートフォンが発するブルーライト(青い光)が目によくないのは知られています。目にとって最もダメージの大きい色は青です。

ルテインは黄色の色素成分です。黄色は青の補色(反対の色)なので、目に入ってくる青い光をルテインが吸収してダメージを減らしてくれます。

目は、光によるダメージを消してくれるものがないと焼けてしまいます。黄斑が焼けると加齢黄斑変性に、目のレンズの役割をする水晶体が焼けると白内障になります。

ルテインは、このような光のダメージの盾になり目を守ってくれるのです。

1日2株で目が守れる

私たちはルテインのことを知らなくても、無意識に緑黄色野菜からとっています。

ルテインは、緑黄色野菜には微量ながらもたいてい含まれています。なかでもホウレンソウの量は別格で、100g中に10.2mg含まれています。

ホウレンソウは身近な野菜で、調理にもいろいろ使えるので、その点でもお勧めです。
ルテインの1日あたりの摂取量は、大人も子どもも6~10mg。

ルテイン換算すると、ホウレンソウは2株が目安です。これで約6mgルテインがとれます。これでじゅうぶんです。

ルテインを定期的にとっていると、体にしだいに蓄積されていきます。そして「定量状態」といってこれ以上どんなに食べても増えない状態になります。それが6〜10mgです。

毎日食べて2週間ぐらいたつと定量状態近くになります。その後は毎日でなく、2~3日に1回食べていれば問題ありません。体に蓄積されるので、多少食べる間隔が空いても、いきなり減ることはありません。

ホウレンソウの旬は冬。栄養成分の含有量が多いのは旬なので、ルテインも豊富です。冬の季節はぜひ積極的に食べたいものです。

ホウレンソウのツナ炒めは吸収がよくDHAもとれる

ホウレンソウは、おひたし、グラタン、鍋と食べ方はいろいろありますが、私が実践しているのは、「ホウレンソウのツナ炒め」です。

ルテインは脂溶性といって油に溶けやすいので、油を使ったほうが吸収がよくなります。

また、ツナには、体にいいといわれる必須脂肪酸(体内では作れない脂肪酸)のDHAが含まれています。DHAは黄斑の奥のダメージを少なくしてくれる効果があります。

最近のツナ缶は、オリーブオイルやアマニオイルが入っている商品もあるので、ホウレンソウにツナ缶をかけて炒めるだけでいい場合もあります。

ホウレンソウを食べて効果が期待できる目の症状は、加齢黄斑変性、白内障、老眼です。

効果は薄いかもしれませんが、抗酸化作用があるので緑内障(視神経が障害され視野が狭くなる病気)の予防も期待できます。

少ない症状ですが黄斑に関する病気で、黄斑上膜症や黄斑円孔などの疾患のかたにもお勧めです。

「ホウレンソウのツナ炒め」

画像: 【眼科医が実践】目にいい食べ物は「ほうれん草」 おすすめの食べ合わせはコレだ!

今は、子どももスマホを使うので、光のダメージで将来は近視が進み、目の病気がさらに多くなると思われます。ホウレンソウは年齢に関係なく、子どもから大人まで食べていただきたい野菜です。

私は1週間に約30件、1カ月では約120件以上の手術を行っています。その切り口は小さく、たとえば2.4mmはよくて2.5mmはダメという厳しい世界です。

目が疲れていては細かい手術はできないので、目の健康管理には気を使います。ホウレンソウのツナ炒めは、私の目を守る一助になっています。

画像: この記事は『ゆほびか』2019年1月号に掲載されています。

この記事は『ゆほびか』2019年1月号に掲載されています。

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