アイリスオーヤマ。仙台市に本社を置く家庭用プラスチック製品のメーカーですが、ここ数年、家電で知名度を上げているのでご存じの方も多いと思います。実際、通販でも、量販店でも「売れている」ときいています。それを裏付けるように先日、研究開発(R&D)拠点として東京都港区(浜松町駅すぐ)に東京オフィスを開業。まさに「ノッている」という感じです。その理由はどこにあるのでしょうか?

スキマ商品を狙う

メーカーが知名度を上げるには、1にも2にも商品です。
みんなに「イイね」と言ってもらえる商品、売れる商品があってこそ、メーカーは知名度が上がります。

しかし、これにそれほど特別な技術が必要ではありません。

昔から「スキマ」商品は売れると言います。人が見逃しているから「スキマ」。ありそうでなかった商品のことです。ポイントは技術ではなく、企画、アイディアです。

画像: 大ヒットを記録した「アイリスオーヤマ 布団乾燥機 カラリエ 温風機能付 マット不要 ツインノズル」FK-W1。コンパクトで軽量。二つのノズルで布団を同時に二つ温められる。 www.amazon.co.jp

大ヒットを記録した「アイリスオーヤマ 布団乾燥機 カラリエ 温風機能付 マット不要 ツインノズル」FK-W1。コンパクトで軽量。二つのノズルで布団を同時に二つ温められる。

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大手メーカーがやらないこと

例えば、冷蔵庫。
大手メーカーは、野菜室の位置の調査、野菜の鮮度維持をはじめ、いろいろな開発をします。その上、IoT対応も、となると正直、開発コストがバカになりません。

このため、新機能は「フラッグシップ(最上位)から」と相場が決まっています。その最新の機能を徐々に除いて中級。さらに除いて普及価格帯。確実に利益がでるようにラインナップします。
普及価格帯のモデルに、フラッグシップの機能が搭載されるのは、かなりこなれて(=ある程度時間が過ぎてから)からです。

しかし、考えて見てください。
大多数の人は普及価格帯を買います。そんなに思い入れはないけれど、ちょっとでもイイモノを買いたいのは人の心理です。ここにスキマがあるのです。

アイリスオーヤマは、そこを突いたわけです。

画像: アイリスオーヤマ 冷蔵庫 156L 2ドア右開き ホワイト AF156-WE www.amazon.co.jp

アイリスオーヤマ 冷蔵庫 156L 2ドア右開き ホワイト AF156-WE

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基本機能にプラス一芸。そしてリーズナブルな価格。

例えば、炊飯器を例に取りましょう。
アイリスオーヤマの炊飯器は、5.5合炊きが2万円前後、3.5合炊きは1.5万円前後。機種により差はあるモノの、かなりリーズナブルです。他の出費をちょっと節約すると、衝動買いできるレベルです。

そしてその価格で「炊く」という基本機能に加え、「銘柄炊き」「量り」機能を持たせるわけです。ちょっとワクワクしますよね。それがアイリスオーヤマの商品企画の基本です。

それを可能にしているのが、大手メーカーを退職した技術者の採用です。このため、技術開発にあまりお金がかからない。大手メーカーの普及価格帯より、面白い商品ができるわけです。

大手メーカーと違う、新しいやり方としてメディアからも脚光を浴びたわけです。

画像: アイリスオーヤマ 炊飯器 IH 3合 銘柄量り炊き カロリー計算機能付き 米屋の旨み RC-IA32-R www.amazon.co.jp


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今後も、今の調子が維持できるのか

今の調子が維持できるかどうかは、ライバル次第だと思います。
アイリスオーヤマの最大のライバルは、中国メーカーでしょう。

今、中国メーカーは、真剣に日本市場を奪取しようとしており、中国本土で販売しているモノをそのまま日本で売るのではなく、日本市場にあった製品を開発、日本市場に持ち込み始めております。
技術は、買収した日本の一流メーカー(サンヨー、シャープ、東芝など)から学んでいます。

「世界の工場」と言われる中国メーカーは、全ての分野ではありませんが、かなりの品質のモノを安く作ることができます。
「銘柄炊き」は兎も角「量り」は重量センサーを入れればいいわけですから、確実に作ることができます。

アイリスオーヤマは、大手メーカーがなかなか手を付けられない、普及価格帯の「一芸家電」で名を上げておりますが、今後は中国メーカーの日本専用モデルとの競争が必須です。今後の普及価格帯の家電は、注目でしょう。

◆多賀一晃(生活家電.com主宰)
企画とユーザーをつなぐ商品企画コンサルティング ポップ-アップ・プランニング・オ
フィス代表。また米・食味鑑定士の資格を所有。オーディオ・ビデオ関連の開発経験があ
り、理論的だけでなく、官能評価も得意。趣味は、東京散歩とラーメンの食べ歩き。
生活家電.com
http://www.seikatsukaden.com/

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