ストレス社会の今、うつ病は、誰にとっても身近な病気です。からだが丈夫、お金に困っていない、誰とでも仲良くなれる……そんな問題のなさそうな人でも、ふとしたきっかけで、うつ病をわずらう可能性は大いにあります。ここでは、うつ病を放置せず、早めに受診したり、対応策をとるとためのポイントやテストの方法を、いくつかご紹介します。

うつ病の初期症状と特徴はさまざま

人は、大きなストレスを長期的に受けていると、次のような症状があらわれます。これらは、うつ病の予兆といえます。

・ひどく疲れる
・へとへと
・だるい
・気が張りつめている
・不安
・落ち着かない
・憂鬱
・何をするのも面倒
・気分が晴れない

次のような、からだの症状としてあらわれることもあります。
・睡眠障害
・疲労、倦怠感
・食欲不振
・頭重、頭痛
・悪心、嘔吐
・下痢、便秘
・胃痛
・めまい、かすみ目
・耳なり
・背痛
・胸痛
・腹痛
・関節痛
・手足のしびれ
・性欲減退
・月経異常
・のぼせ、寒気

参照)「躁うつ病の身体症状」更井啓介/医学書院『躁うつ病の臨床と理論』大熊輝雄編より

うつ病のセルフチェック法

顕著な症状が出ていないくても、「最近ちょっとおかしいな」と少しでも自覚していたら、うつ病テストを受け、メンタルヘルスの状態を調べてみてもよいでしょう。

うつ病の症状があるかないかを測るテストシートを利用すると、いざ受診のときに、医師に症状をより明確に伝えられ、早期に診断に結びつけることができます。

◆認知行動療法活用サイト 「こころのスキルアップ・トレーニング」では、簡易抑うつ症状尺度(QIDS-J)を公開しています。
https://www.cbtjp.net/qidsj/

◆厚生労働省も、無料のテストシートを用意しています。
https://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/kokoro/dl/02.pdf

◆こちらも厚生労働省からですが、「働く人の疲労蓄積度」にポイントを絞ったシートになっています。
http://kokoro.mhlw.go.jp/fatigue-check/worker.html

◆とくに自覚はないけれど、現在の職場環境が気になるなら、「5分でできる職場のストレスセルフチェック」はいかがでしょうか。
http://kokoro.mhlw.go.jp/check/

周囲の人(家族や職場)が最初の気づくこともある

本人より先に、周囲が「以前と違う」「何か変だ」と、うつ病に気がつくケースは多いです。

家庭での様子なら……
・元気がない
・ぼんやりしている
・食欲がない
・以前からの趣味に興味を示さない

職場での様子なら……
・作業の能率が下がる
・ミスが増える
・集中力が低下している
・イライラしている

◆働いている社会人の家族の異変は、こちらのテストシートも役立ちます。
「働く人の疲労蓄積度セルフチェック(家族支援用)」
http://kokoro.mhlw.go.jp/fatigue-check/family.html

高校生までの子どもは、気持ちを俯瞰視するのが難しく、こころの病気を自覚しにくいです。症状は、からだと行動にあらわれやすく、周囲の大人が発見してあげることが肝心です。

・朝、起きられない
・睡眠のリズムがくずれている
・食欲がない、あるいは食べすぎる
・急激にやせたり太ったりする
・(特に朝)頭痛や腹痛を訴える
・元気がない、顔色が悪い
・学校に行きたがらない、行かない
・無口になった、家族と話さなくなった
・一人で部屋にこもりがちになった
・イライラしている、ちょっとしたことで怒りっぽくなった

病院で客観的な検査もできるように(血液検査、画像検査、唾液検査)

うつ病は、からだの病気と違って、血液や画像などの精密検査で診断したり、重度を測れる病気ではありません。
基本的には、こころの病気として、精神科医の問診により診断されます。
しかし最近は、メンタルヘルスの分野でも、科学的な客観性のあるデータが求められる傾向となり、新たな診断方法の可能性が動き始めています。

・血液検査する
うつ病に似た症状が見られる、ほかのからだの病気がないかどうか、血液検査で調べることはありますが、うつ病を鑑別するための血液検査は、今のところ確立されていません。
しかし、補助診断として、うつ病と関連する血中成分を調べようという取り組みは、始まっています。
◆血液検査によるうつ病の補助診断
https://g-clinic.net/ketsueki/index.html

・画像検査する
近赤外線で脳血流量を測る光トポグラフィーは、一定の条件を満たす患者であれば医療保険が適用できる、うつ病の鑑別診断の画期的な補助ツールです。
ただし、取り入れている医療機関は、まだ多くありません。

・唾液で検査する
唾液中の物質を測定する検査で、ストレスの状態を見る検査があります。うつ病の鑑別診断の補助ツールとしては、まだ確立していませんが、うつ病と関係の深いストレスの度合いを、医療保険適用内で測ることができます。

参照)
「こころの耳」(厚生労働省)http://kokoro.mhlw.go.jp/
「こころもメンテしよう」(厚生労働省)https://www.mhlw.go.jp/kokoro/parent/index.html
「こころのスキルアップ・トレーニング」https://www.cbtjp.net/
「うつ病 こころとからだ」https://utsu.ne.jp/

◆大田ひとみ(精神保健福祉士)
精神科専門のソーシャルワーカー・精神保健福祉士。フリーランスで医療相談や生活支援、家族相談、ときに講師、と幅広い仕事に従事。専門は認知症。たとえ認知症であっても地域で穏やかに過ごし続けられる、シニア生活の環境改善をライフワークとする。近年は特に在宅医療の支援に注力している。

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