近年増加している緑内障。健康診断などで「眼圧が高い」と言われているかたも多いのではないでしょうか。そんなかたに、とてもお勧めのセルフケアがあります。それが、今回ご紹介する「足の指のまた押し」です。私が治療のベースにしている野口整体(整体の創始者といわれる野口晴哉氏が唱えた、独自の方法論)では、足の指と指の間である「足の指のまた」に体の調律点があり、刺激すると、諸症状が改善するとされています。【解説】松森有紀(整体サロン・リーラ院長)
解説者のプロフィール
松森有紀(まつもり・ゆき)
整体サロン・リーラ院長。整体師。運動療法士。バスケットボールのインターハイ選手として活躍する一方、さまざまなケガや病気をきっかけに野口整体に出合い、生涯の仕事にすることを決意。現在は、愛知県名古屋市で施術とともにセミナーや講座を開催し、人気を博している。
目の疲れが取れるセルフケア
近年増加している緑内障。健康診断などで「眼圧が高い」と言われているかたも多いのではないでしょうか。
そんなかたに、とてもお勧めのセルフケアがあります。それが、今回ご紹介する「足の指のまた押し」です。
私が治療のベースにしている野口整体(整体の創始者といわれる野口晴哉氏が唱えた、独自の方法論)では、足の指と指の間である「足の指のまた」に体の調律点があり、刺激すると、諸症状が改善するとされています。
足の指は5本あるので、指のまたは4ヵ所になります。その4ヵ所で、それぞれ対応する症状が異なりますが、目に効く調律点は、第4指と第5指(小指)の間になります。
ここは、眼圧を下げる特効ポイントです。
眼圧が高めのかたは、ここの骨と骨の間に、硬さや強い痛みを感じる部位があるはずです。そして、その部分を押すと、眼圧が下がることが多いのです。
試しに、自分の右目と左目のまぶたを手で優しく押さえてみてください。どちらかが硬く感じませんか? 硬いほうは、眼圧が高くなってる可能性があります。
そこで、硬いほうの足の指(右目なら右足)の第4指と第5指のまたを押してから、もう一度まぶたを押さえてみてください。初めより、左右差がなくなっていませんか? これが、眼圧が下がった証拠だと考えています。
実際に、私のところにいらしたかたには、これをやっていただくのですが、皆さん、その場で左右差がなくなることに驚かれます。
また、視力が向上して物が見えやすくなったり、目の重さや疲れが取れたり、といった声も、よく聞かれます。
なかには「0.02の視力が0.7まで回復して、メガネが不要になった」という、すごい効果のあったかたもいらっしゃいました。
痛いところはしっかり押す
足の指のまた押しのやり方は、とても簡単です。
まずは、手の親指の先を足の甲側、手の中指の先を足の裏側に当て、2本の指で挟むようにして、足の第4指と第5指の骨と骨の間を押します。
もう片方の手の親指と中指を、すでに押している指に添えて行うと、より力が入って効果的です。(詳細は下記参照)
足の指と指の間のまたの部分から、甲に向かって押していったとき、「硬くなっている」「骨と骨の間が狭くなっている」「痛みを感じる」などの部分があれば、そこがポイントです。
その部分を、骨と骨のすき間を広げるように押します。刺激している最中は、痛くても少し我慢して、しっかり押しましょう。
基本は、症状のある側のみに行いますが、両足に行ってもかまいません。1日のうち、いつ、何回やっても大丈夫です。初めは痛くなくても、押しているうちにジワーッと痛みが出てくることがあるので、1分以上かけて、しっかり押しましょう。
私が施術するときは、たいていの場合、最初は皆さん「ちっとも痛くないです」とおっしゃいます。しかし、30秒も押していると、突然「痛いっ!」と足をバタつかせ、けられそうになることもあります。
ですが、症状のない場所は、いくら強く押しても、ちっとも痛がりません。
なお、冷えがある人は、足の第3指と第4指の間も同様にして押し、その後に足湯をすることをお勧めします。43℃くらいのお湯に、くるぶしまでつけて10分ほど足を温めてください。
姿勢をよくし、首を温めるとよい
足の指のまた押しとあわせて、生活習慣の見直しもすると、より効果的です。
野口整体では、後頭部と肩甲骨、骨盤の3点に狂いが生じると、目の不調が現れるとされています。これら3点の狂いは、加齢や日常の姿勢の悪さ、目の使いすぎ、過度のストレスなどが原因で起こってきます。
ですから、普段からなるべく姿勢をよくするよう心がけましょう。スマートフォンやパソコンを見るときの「首だけを前に突き出した姿勢」は最悪です。
そういう姿勢になっていないか、常に気をつけてください。加えて、適度な運動などを行い、ストレスをためすぎないようにしましょう。
また、首の緊張があると、目の血流が悪くなり、眼圧も上がりやすくなります。寒い時期は、ただでさえ首が緊張しやすくなるので、マフラーを巻くなどして、首を冷やさないよう心がけてください。
「足の指のまた押し」のやり方
【押す場所】足の第4指と第5指(小指)の間
◎症状のある目と同じ側を押すのが基本だが、両方やってもよい。
◎1日のうちいつ、何回行ってもよい。
【行う姿勢】
◎イスに座って行っても、床に腰を下ろして行っても、どちらでもよい。らくにできるほうで行う。
【押し方】
※足の指と指の間のまたの部分から、甲に向かって押していく。
❶足の甲側に両手の親指を、足の裏側に両手の中指を当てて、挟むようにして足を持つ。
❷そのまま親指にグーッと力を入れて押す。このとき、足の裏側からも手の中指で指と指の間のすき間を広げるように押すと、さらに効果的。
❸少しずつ位置をずらしながら、足の甲に向かって骨と骨の間を押していく。硬いところや痛みを感じるところは、1分ぐらいかけてまんべんなく刺激するとよい。
※この記事は『安心』2019年2月号に掲載されています