【IoTこぼれ話】見守りサービスは実績で選べ 高齢者の安否を電気ポットで確認 象印マホービンがおすすめ

ガジェット

「IoT」とは、Internet of Things(インターネット・オブ・シングス=物がインターネットを通じてつながること)のことですが、IoTサービスとしてよく話題に上るのが、高齢者の見守りサービスです。「照明のon/off」「冷蔵庫の扉の開け閉め」「内蔵カメラ」など、いろいろあります。しかし白物家電の見守りサービスで一番古いのは、おそらく、象印マホービンの「みまもりほっとライン」でしょう。

生き残った理由は「見守られる側が負担に思わないから」

象印マホービンの「みまもりほっとライン」。なんといっても、2001年3月スタートです。
しかも、単独サービスで月々3000円。けっして「安い」というわけではありません。しかし、1万人以上の顧客が利用。今も、3500人の利用者がいるといわれています。

一般的に「見守られる側」が嫌だと感じるケースが多いのは、「監視」されているからです。
このため、実は「映像・音声を利用した見守り」というのは、「見守りたい側」が利用しようとしても、多くの場合、「見守られる側」から拒否されることが多いようです。

www.mimamori.net

生き残った理由は「2001年のシステムだから」

「見守られる側」が拒否したい気持ち、分かりますよね。
親として、子供の成長を自分の目で見守って来た自負が、ガタガタになります。
親と言う字は「木の上に立って見る(見守る)」と書くくらいですから。見守るときでも、子供に気を遣わさないようにするという意味でからね。そう考えると、カメラによる刑務所型の監視がいかに非人道的か分かります。

www.mimamori.net

象印マホービンの「みまもりほっとライン」は、「見守られる側」がマホービンを使った回数を、「見守る側」へ1日2回、メール等で知らせるサービスです。

しかし、2001年といえば、今の基本となっている「Wi-Fi」は規格ができたばかり。DSL(アナログの回線を使って高速通信をする技術)として、有線の光ファイバーを家に入れ込むサービスがメジャーになり始めたころです。
彼らが利用しているのは「FOMA」。第3世代移動通信システム「3G」です。
ちなみに、今は「4G」。そして、中国ファーウェイ社を舞台に、米中で覇権争いが激しくなっているのが、第5世代移動通信システム「5G」です。

しかし、大きな画像の送受信をしなければ、実は「3G」で十分なのです。しかも、移動することを前提に作られていますので、使う場所の差異も少ないです。

古い技術でも十分役に立つのです。

生き残った理由は「ユーザーを裏切らなかったから」

私が、象印の担当者に「この事業は続けるのですか?」と聞いたところ、「黒字ですから。17年継続させてもらっています。」とのお答え。これは面白い、と思いました。

今のネット社会では、「サービスはどんどん増やします」が当たり前。しかし、大きな声ではアナウンスされませんが、それ以上に「消えていくサービス」も多いのです。

見守りサービスは、そんなことがあってはならないサービスです。どんな時も、動作してくれなければ困ります。まして、サービスの打ち切りなどはトンでもありません。老舗の定番商品のように、特別に華やかではないが、渋く確実に継続されることが望まれます。

この、いぶし銀のようなサービス。
パソコン会社、通信会社でなく、人の生活を熟知しているマホービンメーカーだからこそできたのかも知れません。
「IoT」は、サービスだけでなく、会社の持久力も考慮しなければいけませんね。昔からの企業。やはり屋台骨がしっかりしています。

◆多賀一晃(生活家電.com主宰)
企画とユーザーをつなぐ商品企画コンサルティング ポップ-アップ・プランニング・オフィス代表。また米・食味鑑定士の資格を所有。オーディオ・ビデオ関連の開発経験があり、理論的だけでなく、官能評価も得意。趣味は、東京散歩とラーメンの食べ歩き。

PR

【ドライブ中に純正ナビでテレビ視聴!】データシステム・テレビキットシリーズから最新車種対応のカー用品『TTV443』が登場!
長時間のドライブで同乗者に快適な時間を過ごしてもらうには、車内でテレビや動画を視聴できるエンタメ機能が欠かせない。しかし、純正のカーナビは、走行中にテレビの視聴やナビ操作ができないように機能制限がかけられているのがデフォルト……。そんな純正...

PRガジェット