イヤホンの「ハイレゾ対応」は意味がない?ハイレゾロゴがないヘッドホンやスピーカーでもハイレゾ音源は聴ける!

家電・AV

最近の多くのオーディオ製品についている「ハイレゾロゴ」。高音質なハイレゾ音源を再生できる機器に付いているこのハイレゾロゴだが、運用されるようになったのは最近のこと。ではロゴなしの古いイヤホンやスピーカー、ヘッドホンは、ハイレゾ時代のいまはもう使えないのだろうか?

ハイレゾロゴが付いていない製品ではハイレゾ音源を聴けない?

ハイレゾロゴの付かない最新プレーヤーもある

一般社団法人日本オーディオ協会(JEITA)の定義を満たしたオーディオ機器に付けることができるハイレゾロゴ
カタログやメーカーWebページを見ていると、近年はこのロゴが付いている製品が多く、ハイレゾ音源を聴くことが目的なら、製品選びの大いなるヒントとなる。

一般社団法人日本オーディオ協会の定めた定義を満たすオーディオ機器には、このハイレゾロゴが表示され、製品選びの目安となる。

ONKYO
ハイレゾロゴ付き
ポータブルオーディオプレーヤー rubato
DP-S1
▼最高クラスのDACとアンプに加え、バランス出力にも対応したハイレゾ対応デジタル・オーディオ・プレーヤーのエントリーモデル▼Twin DACフルバランス回路設計により、上位機種に迫る繊細なバランス表現可能▼ESS社製のDAC「ES9018C2M」とアンプ「SABRE 9601K」を2基ずつ搭載し、超高解像度再生を実現(Amazon)

イヤホンのバランス接続にも対応したオンキヨーのポータブルオーディオプレーヤー「rubato DP-S1」は多くのハイレゾ音源が再生でき、ハイレゾロゴが付く。マイナーチェンジ版の「DP-S1A」が既に発売されているため、価格的にはこちらのほうが割安だ。

では、このハイレゾロゴが付いていないオーディオ機器では、ハイレゾ音源は聴けないのだろうか

実は必ずしもそうとは限らない

ハイレゾロゴは日本オーディオ協会の定義を満たす商品に対して使用を認めるというものであり、絶対に付けなくてはいけないロゴではないからだ。
そのため高機能で高音質なハイエンド機器でも、ハイレゾロゴが付いていないプレーヤーも販売されている。

アナログ機器はハイレゾ非対応でもちゃんと鳴る

スピーカーやイヤホンはアナログ機器

デジタル機器であるプレーヤーは、機器側が対応していない音源は再生できない。日本オーディオ協会のハイレゾ定義は24bit/96kHzのWAV/FLACファイルが再生できる必要があるが、仮に16bit/48kHzまでしか対応していないプレーヤーなら、24bit/96kHzのハイレゾ音源はまったく聴くことはできない、ということになる。

ではスピーカーやヘッドホン、イヤホンはどうだろうか

デジタル機器のプレーヤーとは異なり、スピーカーやヘッドホン、イヤホンはアナログ機器のため、再生可能/再生不可能と完全に分かれるわけではない。
プレーヤー側でハイレゾ音源を再生できれば、アナログのスピーカー出力端子やヘッドホン出力端子につながれたその先のアナログ機器は、ちゃんとなんらかの音が出るのだ。

古く、スペックを満たさないスピーカーやヘッドホンも意外といい音!?

最近の製品はハイレゾ再生を考慮して設計

スピーカーやヘッドホン/イヤホンに対して日本オーディオ協会が定めたハイレゾの定義は、40kHz(40,000Hz)以上の高域を再生できること、である。

スピーカーやヘッドホンのカタログでは「定格周波数範囲:30Hz〜50kHz」など、再生できる音域が明示されているが、高域側で40kHzを超えないとハイレゾロゴは取得できないということだ。
近年のスピーカーやヘッドホンは当然ハイレゾ音源の再生を考慮して設計されているので、高域側もかなりワイドレンジな製品が主流。

パイオニア
ハイレゾロゴ付き
カナル型イヤホン
SE-CH5T
▼スマートフォンやデジタルオーディオプレーヤーで音楽を楽しむためのハイレゾ音源対応・高音質インナーイヤーヘッドホン。▼躍動感のある低域から伸びのある高域までの広帯域再生を実現し、ハイレゾ音源の再生に対応する新開発の大口径9.7 mm ドライバー搭載。(Amazon)

手頃な価格でハイレゾ音源再生に対応した代行系ドライバーユニットを搭載するパイオニアの「SE-CH5T」にはハイレゾロゴが付く。色も4色を用意。

ソニー
ハイレゾロゴ付き
ヘッドホン
MDR-1AM2
▼広帯域再生を実現する新開発の40mmHD(High Definition)ドライバーユニットでハイレゾ音源もクリアに再生▼ケーブルを使い分けられる着脱式。▼φ4.4mmのバランス標準プラグを採用したケーブルを同梱。▼φ4.4mmのヘッドホンバランス端子を採用しているウォークマンZX300やWM1シリーズをはじめ、ヘッドホンアンプなどとすぐに接続可能なので、さらにいい音を楽しめます。(Amazon)

ハイレゾロゴが付き、バランス接続用のケーブルも付属するソニーのヘッドホン「MDR-1AM2」。

必ずしもハイレゾロゴがついている必要はない

しかし設計が古い製品だと、カタログスペックとしては40kHzに達していない製品は意外と多い。ただし先に述べたようにスピーカーやヘッドホンはアナログ機器のため、プレーヤーに繋げば、音はちゃんと鳴る。

そしてアナログ機器の音質は数値だけでは決まらないため、ハイレゾロゴが付かず、超高音域は再生できないはずの古いスピーカーでも、実際に聴いてみると問題がないどころか、良い音質に感じることは珍しくないのだ。

つまり最新のハイレゾプレーヤーと組み合わせるスピーカーやヘッドホンは、必ずしもハイレゾロゴが付いている製品である必要はない
長年愛用してきたスピーカーやヘッドホンの音質が気に入っているなら、プレーヤーと一緒に慌てて買い換えずに、まずは実際に組み合わせて試してみよう。

ソニー
ハイレゾロゴなし
密閉型スタジオモニターヘッドホン
MDR-CD900ST
▼数多くのレコーディングスタジオで愛用されている音楽業界のハイスタンダード。▼ 世界の先端技術を誇るソニーと、音創りを熟知するソニー・ミュージックスタジオが共同開発した完全プロフェッショナル仕様のモニターヘッドホンです。(Amazon)

もともとはプロ向け機材として設計されたソニー「MDR-CD900ST」は長年設計が変わっていないロングセラー製品なのでハイレゾロゴはつかないが、実際にはちゃんと聴ける

◆大坪知樹
オーディオやPCといった記事を多く手がけてきたが、ガジェットはもちろん白物家電、クルマ・バイク、模型や玩具、時計に服・靴など基本的にモノが好きな物欲系フリーランスライター。

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