タッピングは赤ちゃんに触れるくらいにソフトに刺激することが重要です。力を入れてがんばるより、心と体を軽くしたほうが本来の才能を発揮できるのです。痛みの除去、スポーツ・仕事のパフォーマンス向上など、タッピングはそのためのツールとなります。【解説】山富浩司(マインドフルネスタッピング®創始者)

解説者のプロフィール

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山富浩司(やまとみ・こうじ)
マインドフルネスタッピング®創始者。兵庫県姫路市生まれ。幼少期のDVから、40代のリストラまで逆境の連続だったが、2011年に起こった東日本大震災直後から、25年研究を続けてきた『マインドフルネスタッピング®』を完成。心身に病を抱える人々に、マインドフルネスタッピング®を伝え、劇的な回復の成果を上げている。近著は『ストレスと不快な症状が一気になくなる! 指でトントン!30秒タッピング』(東邦出版)。

幼少期のトラウマから解放

私は幼少期の虐待体験がトラウマとなり、40年以上もの間、極度の人見知りに苦しんできました。ところが、ある療法に出合い、この苦しみから抜け出すことができました。

その療法とは「タッピング」です。タッピングは体にあるツボを軽くたたく療法です。

体のツボを刺激すると心身の不調が改善するという理論は、WHO(世界保健機関)も認めています。

ただ、当時私が学んだタッピングはアメリカ式で、決められた順番にツボをたたかなければならないなど、覚えることが多いのが難点でした。

そこで、私はもっと簡単なやり方で、なおかつより効果的な方法はないものかと、日々模索していました。

試行錯誤のなかで、説明しがたい体験をへた2011年、私はアメリカ式のタッピングを改良した独自のメソッド『マインドフルネスタッピング®』(以下、タッピング)を完成させました(詳しいやり方は下項)。

たたく場所は、主に左手で、各症状により1〜3ヵ所をたたきます。時間は基本のタッピングが1~2分で、あとは各症状につき、10〜30秒です。たったそれだけで、心身の不調や痛みの改善に加えて、健康維持にたいへん役立ちます。

運転免許証から「眼鏡等」の文字が消えた

まず、両手の手のひらの側面(小指側)をたたくのが基本のタッピングです。

小指側面の手首寄りには、後谿という小腸のツボがあります。腸と脳は連動しており、腸が動かないと脳も緊張します。空手チョップをすると小腸が動きだし、脳波もリラックスするのです。

あらゆる症状に適応する万能のタッピングなので、準備運動として、いつも最初に行うようにしましょう。

次に、症状別のタッピングをここでは三つお教えします。

精神的な落ち込みや悲しみなどに対しては、手のひらの真ん中にある労宮というツボをタッピングします(下項やり方②‐❶を参照)。ここは憂鬱な気分を解消するときに刺激するといいツボです。

痛みを改善するには、手の甲側にある合谷という特効ツボが知られています。タッピングは、合谷のある場所の手のひら側、親指と人さし指の交差する部分をタッピングします(③を参照)。

さらに、手の甲側にある中渚というツボです。ここは、手のひら側の、薬指と小指の間の手首より少し上をタッピングします。悲しい気持ちを和らげるほかに、痛みの緩和にも効果があります(②‐❷を参照。)

視力回復には、中指の腹をタッピングします(④を参照)。中指は頭部に対応するので、目以外に、鼻や脳もすっきりします。

私自身、以前は近視と老眼がありましたが、50歳を超えたにもかかわらず、今では運転免許証から「眼鏡等」の文字が消えるほどに視力が回復しました。

心臓に近い左手に行う

タッピングをするときの強さですが、赤ちゃんに触れるくらいにソフトに刺激することが重要です。ソフトな刺激は、皮膚全体に波紋となって広がるので、ツボの位置が正確でなくても効果が出ます。

また、タッピングは、心臓に近く、気の入り口である左手に行ってください。ケガなどで左手にできないときは、右手でもかまいません。 

タッピングはいつでも、何回やってもかまいません。ただし、ネガティブな感情を取り払うときは、その感情が出てきたときにすぐに行うのが効果的です。

感情がこびりつく前に除去するのです。そうすれば、同じ悩みをぶり返すことがなくなります。これを行っていると、元々持っていたネガティブな感情も同時に消えていきます。

リラックスや痛みなど、感情に関係のないタッピングを行うときは微笑みながら行うと、脳から幸せホルモンである「セロトニン」が分泌しやすくなり、効果が高まります。

タッピングを行うときはテレビを見ながらや音楽を聞きながら行うのは、意識がそれてしまうのでやめてください。

私が提唱するタッピングは、これまで、痛みの除去、スポーツ・仕事のパフォーマンス向上、健康維持と、さまざまな効果を上げています。

力を入れてがんばるより、心と体を軽くしたほうが、本来の才能を発揮できるのです。タッピングは、そのためのツールとなります。 

2018年には、吉備国際大学の竹内研教授によって、タッピングの効果を理論的に説明した学会発表も行われました。

お金も道具も必要とせず、手のひらを軽くたたくだけのタッピングを、みなさんもぜひ実践してください。

症状別「タッピング」のやり方

基本!リラックスタッピング

画像1: 【イライラを抑える方法】怒りや不安をすぐに鎮める簡単な対処法「タッピング」のやり方

両手の手のひら側面(小指側)を1~2分タッピングする。たたく強さは肌が触れ合うのを感じる程度で、骨と骨が当たるような強さではたたかないようにする。

たたく速度は1秒に3回程度(以下のタッピングでも同じ)。1日に何度行ってもOK。

微笑んで深い呼吸で行うと効果が高まる。タッピングを行うと、リラックスして集中力が高まり、体温が上がる。

① 怒り、イライラを緩和させるタッピング

画像2: 【イライラを抑える方法】怒りや不安をすぐに鎮める簡単な対処法「タッピング」のやり方

基本!リラックスタッピングを10秒行ったあと、左手小指の薬指側(内側)の爪のつけ根を、右手の人さし指の腹で約10秒タッピングする。

画像3: 【イライラを抑える方法】怒りや不安をすぐに鎮める簡単な対処法「タッピング」のやり方

左手の手のひらの人さし指と中指の間の手首より少し上を、右手の人さし指、中指、薬指の3本で約10秒タッピングする。
原因である怒り、イライラを感じ、そのほかのことを考えずに行うこと。

② 悲しみ、寂しさを緩和させるタッピング

画像4: 【イライラを抑える方法】怒りや不安をすぐに鎮める簡単な対処法「タッピング」のやり方

基本!リラックスタッピングを10秒行ったあと、左手の手のひらの中指と薬指の間の手首より少し上を、右手の人さし指、中指、薬指の3本で約15秒タッピングする。

画像5: 【イライラを抑える方法】怒りや不安をすぐに鎮める簡単な対処法「タッピング」のやり方

左手の手のひらの薬指と小指の間の手首より少し上を、右手の人さし指、中指、薬指の3本で約15秒タッピングする。

原因である悲しみ、寂しさを感じ、そのほかのことを考えずに行うこと。

③ 痛みを緩和するタッピング

画像6: 【イライラを抑える方法】怒りや不安をすぐに鎮める簡単な対処法「タッピング」のやり方

左手の手のひらの親指と人さし指の交差する部分を、右手の人さし指、中指、薬指の3本で約10秒タッピングする。

微笑んで行うと効果が高まる。腰痛、ひざ痛、頭痛のほかに、嘔吐、便秘、下痢、歯の痛みにも効果がある。

④ 目の疲れを緩和するタッピング

画像7: 【イライラを抑える方法】怒りや不安をすぐに鎮める簡単な対処法「タッピング」のやり方

左手の中指の腹を右手の人さし指で約30秒タッピングする。

タッピングするときは、顔の角度を少し上げて、微笑みながら目を閉じる。

⑤ パワーチャージタッピング

画像8: 【イライラを抑える方法】怒りや不安をすぐに鎮める簡単な対処法「タッピング」のやり方

左手の手首の横ジワの小指側に少しくぼんだ場所(神門のツボ)があるので、そこを右手の人さし指、中指、薬指の3本で約30秒タッピングする。

疲れているとき、気力を上げたいときに行う。心臓に光が集まってくることをイメージしながら行うこと。微笑むと効果が高まる。

画像: この記事は『安心』2019年4月号に掲載されています。

この記事は『安心』2019年4月号に掲載されています。

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