【腎臓によい食べ物】黒・ナッツ・ネバネバが役立つ 砂糖不使用 漢方式「補腎あんこ」の作り方

美容・ヘルスケア

中医学では「腎」の働きを重視します。腎の負担になる食品を避けたうえで、腎を補う食品をとることは、腎臓の機能回復に役立つと考えられます。腎を補う食品として「黒い食品」「ナッツ類」「ネバネバ系の根菜類」の三つを意識してとってください。【解説】阪口珠未(国立北京中医薬大学提携・日本中医薬大学講師)

解説者のプロフィール

阪口珠未(さかぐち・すみ)
国立北京中医薬大学提携・日本中医薬大学講師。文部省国費留学生として、北京中医薬大学で中医学を学び、同大附属病院にて臨床実習を行う。1999年、株式会社漢方キッチン(薬店・薬膳スクール)を設立。著書に『老いない体をつくる中国医学入門』(幻冬舎新書)など多数。

腎精を補充する食事で尿たんぱくが陰性に!

中医学では、人の体を肝・心・脾・肺・腎の五臓でとらえています。なかでも重視されているのが「」の働きです。

腎は、西洋医学で分類される腎臓とは、少し違います。腎臓は、血液をろ過して老廃物を排出し、水の代謝を調整する働きなどがあります。

腎は、そうした水の代謝にかかわる働き以外に、精(生命エネルギー)を宿すという大事な役割があります。

精は、両親から授かった先天的な精と、食事から作られる後天的な精があります。腎が宿すのは先天的な精で、これを「腎精」といいます。

腎精は、人の成長や成熟、老化にかかわっており、西洋医学でいう成長ホルモンや性ホルモンと深く結びついた働きをしています。この腎精の総量が少ないと、体質的に弱く腎臓病の症状が出やすいとされています。

私の友人Aさん(50代・女性)は、腎が弱い家系に生まれました。母親も叔母も腎が弱く、母方のいとこ4人のうち3人が人工透析を受けています。

Aさんも、20代から腎機能がよくありませんでした。尿にたんぱくが出たり、体が冷えてむくんだりしていたのです。そこで、Aさんには体を温めることや、腎精を補充する食事のアドバイスなどを行いました。

食事を切り替え、ヨガなどを取り入れることで、Aさんは、今も元気な状態を維持されています。尿たんぱくも認められず、腎機能も問題ないそうです。

腎が低下すると、体を温める力が落ちて水の代謝が悪くなり、冷えやむくみが強くなります。また、生きるためのエネルギーが減るので、難聴になったり、白髪が増えたり、骨折しやすくなったりします。いわゆる、老化現象が進むのです。

しかし、Aさんのように腎を強化することはできます。そのためにはまず、腎に負担をかける物をとらないことです。その代表的な食品が、乳製品と砂糖です。

牛乳やチーズなどの乳製品は、もともと日本人が食べていた物ではありません。そのため、日本人の多くは乳製品を十分に消化できません。

食べ物は、消化できなければ毒素となって体にたまります。乳製品を消化できないと、水の毒をためやすくなります。

砂糖もそうです。砂糖は、体の中に水を引きとめるので、これも水毒になり、むくみの原因になります。

黒豆やアズキの皮には血液浄化作用がある!

このように腎の負担になる食品を避けたうえで、腎を補う食品をとることは、腎臓の機能回復に役立つと考えられます。腎を補う食品として、まず次の三つを意識してとってください。

❶黒い食品
腎と相性のよい色が黒です。黒い食品は腎のエネルギーを補充します。

黒豆、アズキ、黒米、黒ゴマ、キクラゲのほか、コンブ、ヒジキ、ワカメなどの海藻類です。また、アズキは利尿作用が強く、腎臓の負担を軽減してくれます。

腎臓の弱い人は血液をろ過する力が弱く、血液が汚れがちです。黒豆やアズキ、ピーナッツなどの皮には、瘀血(滞って汚れた血液)を改善する作用があります。

近年、植物の皮に多いポリフェノールに、血液浄化作用や抗酸化作用があることもわかってきました。皮には薬効が豊富なので、スープに加えるなど、捨てずに利用するといいでしょう。

❷ネバネバ系の根菜類
ヤマイモ、サトイモ、レンコンのようなネバネバ系の根菜類も腎精の補充に優れています。

特にヤマイモは、腎だけでなく、消化吸収をつかさどる脾も強化します。脾は、食べ物から作ったエネルギーを腎に補充し、腎精の補充を助けます。

❸ナッツ類
小さな実に、大きく成長するエネルギーを秘めているアーモンドやクルミなどのナッツ類。

私の中国の師は、毎日一握りのナッツで若さが保てるといわれます。私も携帯しておやつがわりにしています。

最後に、腎の弱い人にお勧めのおいしい「補腎あんこ」をご紹介します(作り方は下記)。

腎の弱い人には砂糖を勧められません。そこで、腎精の強化に役立ち、鉄分や亜鉛、葉酸などの補強になる甘いナツメを使って作ります。ナツメは、漢方薬局や健康食品店、ネット販売などで購入できます。

腎は誰でも、加齢とともに衰えます。日ごろから腎精を補う食品をとっていると、老化が抑えられ、若返りも期待できます。さらに、腎機能の維持・改善まで期待できるのです。

砂糖ゼロ!「補腎あんこ」の作り方

【材料】
アズキ…100g、ナツメ…50g、レーズン…50g、コンブ…5g、みりん…75ml、自然塩…ひとつまみ

アズキはさっと洗い、ナツメ、レーズン、コンブといっしょに鍋に入れ、1.2Lの水を加えて30分おく。
(1)を火にかけ沸騰したら中弱火にし、水が減ったら足しながら1時間ほど煮る。

(2)からナツメとコンブを取り出し、ナツメは種を取りみじん切り、コンブもみじん切りにして鍋に戻す。

みりんを加えて材料をつぶすようにかき混ぜながら、やわらかくなるまで弱火で20分ほど煮る。

塩を加え、あんがもったりするまで軽く煮詰める。★圧力鍋で煮てもよい。

この記事は『壮快』2019年5月号に掲載されています。

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