【試して分かった】ファーウェイを巡る米中関係 なぜアメリカはこのスマホを怖がるのか?

ガジェット

中国深圳市に本社を置く通信機器メーカー「ファーウェイ・テクノロジーズ」(HUAWEI=華為技術)を巡る、米中の深刻な貿易摩擦。今回、ファーウェイから発表された「HUAWEI P30 / P30 Pro」に実際に触れてみて、何故、アメリカが怖がるのかを肌で感じることができました。ポイントは「カメラ」。それは、今や絶滅の危機に瀕しているコンパクトデジカメが、何故スマートホンに駆逐されたかを、肌身を持って教えてくれるスマートフォンでもありました。

カメラメディアが注目する「HUAWEI P30 Pro」

P30 Pro は、カメラメディアからすごく注目されていました。欧州13ヶ国の主要カメラ・映像関連専門誌30社の代表の集まり、TIPA(Technical Image Press Association)で、『2019 ベスト・フォト・スマートホン』に選ばれたからです。

コンパクトデジカメを駆逐したのはスマートフォンだと言われています。これは、2000年以降、デジカメがでてきて写真の楽しみ方が、ガラリと変わったからです。

Leicaクアッドカメラの世界。4000万画素の超高解像度メインカメラに加え、2000万画素の超広角カメラ、光学5倍の望遠カメラ、ToFカメラ1 をシーンに応じて組み合わせ。

スマホカメラの最高峰かも

昔の写真は、「節目節目」に撮るものでした。誕生、入学、各種行事、旅行。撮られるときは、どちらかというとよそ行きの服を着たとき。日常の様子がガンガン残っている人は、珍しいのではないでしょうか?

ところが、通信と写真が合わさった瞬間、様子が変わります。写真は、今の自分の「状態」を表すツールとして用いられ始めたのです。友だちとおしゃべりしている写真を添えて、「早く来いよ!盛り上がっているぞ!」という具合にです。

それが発展するとSNS。こんどは不特定多数に、写真を見てもらうようになります。中にはスクープ的な写真もあります。

そんな状況の中心にあるのが、スマートフォンです。
カメラを持って、通信機能を持って、その上、ディスプレイも持っている。今の写真文化を楽しむために、進化させたかのような道具です。コンパクトデジカメは、レンズが大きい、CCDが大きい、ブレ難いなど、写真を撮る機能だと勝っていますが、スマホの使い勝手の良さと、画質向上の進化の前にギブアップ。

今回のHUAWEI P30 / P30 Proは、その最高峰に位置します。

中級クラスの一眼デジカメ並のスペック

今回組み込まれたカメラは、計5種。今回のP30 Pro には5種類のカメラが内蔵されている。4000万画素の広角カメラ(27mm、f1.6)、2000万画素の超広角カメラ(16mm、f2.2)、800万画素 5倍・光学ズームカメラ(125mm f3.4)、そしてToF進度測定カメラ、に自撮りカメラです。

数値の説明をすると長くなるので省きますが、中級クラスの一眼デジカメ並のスペックです。しかもそれをレンズ交換なしにできる、というのが素晴らしいです。

まず、これだけのカメラが、CPU、アンテナ、バッテリーなどと一緒にスマートフォン内に収められているのはかなりスゴいです。ものすごくクールです。

ボディ色の9層のナノオプティカルカラー仕上げのフリージングクリスタル、オーロラではないですが、尖っていて、そしてカッコイイ、実にクールなスマートフォンなのです。

実機のレビューと評価「スゴすぎだろー!」

実際のスゴさを写真でお目にかけましょう。

ニューヨークの風景。逆光だからキレイというのはよくある話です。しかし、こういう写真はまず、うまく撮れません。多くの場合、夕陽と分からないことがよくあります。これがシャッターを押すだけです。

同様に困るのが月の写真です。私の所有しているiPhoneでは、上手く撮れません。下の写真(右)の通り、丸い電球が宙に浮いている写真となります。が、それもこんな感じ(写真中央)。

2つ、プレゼンテーションから例を引きましたので、次は、タッチ&トライのコーナーから例を出しましょう。

用意された暗箱。中は真っ暗。目を当てても完全に何も見えません。しかし、中を撮影してみると…。動物がギッチリいますね。

次は、望遠。20m位先の東京タワーの模型がターゲットです。

なんと、大展望台には「HUAWEI」の文字。笑っちゃうほどスゴい!。

普通の写真以外に、いろいろな写真も。「スーパーマクロ」を試しました。

レンズで拡大するより、圧倒的に読みやすい!
何に対しても、思った通りの撮影ができます。

しかし、これは残念ながら買うことができない…

しかし、残念なことに、日本で P30 / P30 Pro が発表された翌日、各通信メーカーは、一斉にHUAWEIの新製品の取り扱い(予約受付)を見合わせる発表をしました。
その中の一社、docomo(ドコモ)は、理由を「HUAWEIとその関連企業が、米商務省産業安全局(BIS)のエンティティリスト(Entity List)に加えられたことに伴い、規制内容を確認し、影響範囲を精査する必要が生じたため」としています。

しかし、欧州では「素晴らしいと認められ」、発表会で触ってみて「スゴい」と感じた製品ですからね。製品は実に真摯に作られていると思います。しかし、アメリカが恐れるのも分かりますね。スパイカメラとしても使えそうなレベルのモノですから。

この米中冷戦の顛末はどうなり、P30 / P30 Proが、どのような運命を辿るのかは分かりませんが、私はこれ、取材時のサブカメラとして欲しいです。通信機能はなくてもいいです!

◆多賀一晃(生活家電.com主宰)
企画とユーザーをつなぐ商品企画コンサルティング ポップ-アップ・プランニング・オ
フィス代表。また米・食味鑑定士の資格を所有。オーディオ・ビデオ関連の開発経験があ
り、理論的だけでなく、官能評価も得意。趣味は、東京歴史散歩とラーメンの食べ歩き。

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