股関節を柔らかくする【内股スクワットのやり方】全身の血流が良くなり膝痛や腰痛が改善する!

美容・ヘルスケア

礒谷式力学療法の考え方に「痛みや不調のある人の多くは、全身がかたい。そのかたさは股関節や体幹(胴体)などのアンバランスに起因しています」とあります。私たちの体幹は、日々の生活を送るなかで左右に曲がったり、ゆがんだりしてきます。アンバランスな状態が続けば、関節や筋肉の働きも悪くなり、痛みやしびれなどの症状を誘発してしまうことが多いのです。そこで重要なのが、股関節です。【解説】八木雅之(城山接骨院院長・柔道整復師)

解説者のプロフィール

八木雅之(やぎ・まさゆき)
城山接骨院院長・柔道整復師。1963年生まれ。84年、柔道整復師国家試験取得。88年、城山接骨院開業。92年、礒谷療法所にて礒谷療法師の資格取得。礒谷療法や意識波動学を駆使し、きれいに立つ・歩くを理念とした治療を行う。

股関節がかたくなるとほかの関節や筋肉も硬化

「痛みや不調のある人の多くは、全身がかたい。そのかたさは股関節体幹(胴体)などのアンバランスに起因しています」

これは、70年前に故・礒谷公義先生が創始され、その弟子である私が施術の根幹としている礒谷式力学療法(以下、礒谷療法)の考え方です。

私たちの体幹は、日々の生活を送るなかで左右に曲がったり、ゆがんだりしてきます。すると、体にどのような影響が起こるのでしょう。

例えば、右に曲がっていれば、体の右側の筋肉は緩み、逆に左側は伸びきって緊張します。骨や関節は、筋肉と密接な関係にあるので、こうしたアンバランスな状態が続けば、関節や筋肉の働きも悪くなり、痛みやしびれなどの症状を誘発してしまうことが多いのです。

そこで重要なのが、股関節です。最も大きい関節である股関節がかたくなると、全身のほかの関節や筋肉もかたくなることを確認できます。

股関節の動きは、骨盤の動きと連動しており、姿勢とも密接な関係があります。股関節を緩めることで全身の関節や筋肉が緩み、その結果、全身の血流もよくなるのです。

もし、あなたの体の不調が、こうした関節のゆがみからきているなら、ゆがみのない正常な状態に戻すことで、症状を軽減させることができます。

そこで私がお勧めしたいのが、礒谷療法のセルフケアとして、誰でも簡単にでき、効果も優れている、「内股スクワット(礒谷式屈伸体操)」です。

この内股スクワットはつま先をそろえてかかとを開き、さらに重心ではない側の足を少し引くことがポイントです(やり方は下記参照)。

こうしてひざの曲げ伸ばしをくり返すことで、かたくなった股関節が緩みます。そして、骨盤の動きがよくなり、骨盤周辺が緩みだします。そして、背骨などの体幹のバランスも整うのです。

早い人だと2週間程度で、振り返るときや荷物を持ち上げるときなどに、体の各所の関節がポキポキと鳴りだします。それは、全身がかなりやわらかくなった証です。

開業以来、患者さんのさまざまな体の悩みが、この内股スクワットで解消しています。体がやわらかくなり、そして、腰痛やひざ痛、片頭痛などが改善するという、二次的な効果も現れたことを、患者さんから教えていただくのです。

私は、さまざまな不調のある人には、まずかかりつけの医師に、内股スクワットを行うことの許可をいただいてから、指導をするようにしています。

内股スクワットの指導をする八木先生

重心でない側の足を2cm引いてスタート

「内股スクワット(礒谷式屈伸体操)」はとても簡単な運動ですが、脊柱管狭窄症、座骨神経痛、股関節痛、ひざ痛などの解消に大変よく効きます。

ここでは、やり方のポイントと注意点をご説明しましょう。

【足の位置】

まず、自分の体が左右どちらに傾いているかを確認します。それによって左右の足の位置が異なります。右足重心であれば体は右に傾き、左足重心であれば左に傾いています。

体の傾きが自分ではわかりづらい場合は、ふだんの生活動作の中で重心になっている足が右か左かを判断します。

歩き出す最初の1歩、靴を最初にはく側の足、階段の上り始める足、お風呂で浴槽を最初にまたぐ足などです。右足が多い人は左足重心、左足が多い人は右足重心となります。

左右のつま先をそろえ、かかと側を20度開き、右足重心の人は左足を2cm引き、左足重心の人は右足を2cm引きます。この足の位置が通常のスクワットとは異なるポイントです。

かかとを20度開くのがつらい人は、10~15度くらいから始めてもかまいません。

【テンポよくスクワット】

この状態で壁に向かって立ち、ひざを軽く曲げては伸ばすことをくり返します。テンポよく何回も行うことで、かたくなった股関節が緩み、体のバランスが取れてきます。できれば、1分間に100回を目安に速めのペースで行いましょう。

ひざを大きく曲げる必要はありません。曲げ過ぎるとひざに負担がかかりますし、テンポが遅くなります。腰を落とすのは4~5cmにしてください。

テンポをよくするには、両足の第1趾(親指)と第2趾(人差し指)に力を入れて踏ん張ります。下駄の鼻緒をはさむイメージです。ひざを伸ばすときは、ひざ裏がしっかり伸びるように意識してください。

【回数を徐々に増やす】

回数は多いほど効果的ですが、無理は禁物です。最初は30回程度から始め、体力、体調に合わせて50回、100回、150回と徐々に増やすといいでしょう。慣れるにしたがって、自然に増えてくるものです。

1日の目標回数を設定し、時間があるときに行いましょう。何度行ってもかまいません。

「内股スクワット」のやり方

壁に向かい、一足分だけ離れて立ち、両手を肩幅に開いて壁につける。

左右の足のつま先をそろえ、かかとを左右に10度ずつ(合計20度)開く。

右足重心の人は、左足を右脚よりも2cmほど引く。左足重心の人は、右足を左足よりも2cmほど引く。

左足重心の特徴
右足から歩き出す。
靴を右足からはく。
階段を右足から上る。
お風呂の浴槽を右足からまたぐ。

右足重心の特徴
左足から歩き出す。
靴を左足からはく。
階段を左足から上る。
お風呂の浴槽を左足からまたぐ。

背すじを伸ばした状態で、ひざを軽く曲げては伸ばすことをテンポよくくり返す。
下駄の鼻緒をはさむイメージで、両足の第1趾(親指)と第2趾(人差し指)に力を入れて踏ん張り、ひざ裏をよく伸ばす。1セット100回を目安とし、1日に数セット行う。

◎ポイント
かかとを20度開く。
テンポよく行う。100回を1分間で行うペース。
ひざは曲げ過ぎない。腰を4~5cm落とす程度で十分。
ひざ裏をしっかり伸ばす。
回数を重ねるほど効果的。最初は30回くらいでもよいが、慣れたら徐々に回数を増やす。

この記事は『壮快』2019年8月号に掲載されています。

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