どんなスマホでも使える?どうやって入金する?機種変更しても使える?など、初心者が気になる、スマホ決済にまつわるさまざまな疑問や不安に答えていこう。
Q.スマホ決済ってどんなスマホでも使える?
A.
スマホ決済は、QRコードやバーコードを画面に表示できるか、それらをカメラで読み取れればいいので、ほとんどのスマホが対応している。もちろん、iPhone、AndroidのどちらもOK。
おサイフケータイといった電子マネー決済では、FeliCaチップの搭載が必要だが、そのような条件もない。
ただし、各決済サービスごとに専用アプリのインストールが必要で、アプリによっては、OSのバージョンが古いと利用できないこともあるので、事前に対応しているかを確認しておこう。
また、コードはサーバーから読み出されるため、通信環境も必要。通信が不安定なWi-Fiでつないでいる場合は、あらかじめ切断しておきたい。
《ほとんどどんなスマホでも利用できる!》
Q.スマホ以外に必要なものはあるの?
A.
スマホ決済は、店舗との情報をやり取りするインターフェースとして、QRコードやバーコードを使っているにすぎない。実際には各サービスにチャージされた残高なり、クレジットカードなりで支払っていることになる。
そのため、原則としてスマホ以外に、銀行口座やクレジットカードも必要だ。
どちらが必要になるかは、サービスによってまちまち。例えば、PayPayは銀行口座かクレジットカードのどちらでもOKだが、LINE Payは基本的に銀行口座からチャージした残高からでしか支払えない。
逆に、楽天ペイはクレジットカードの登録が必要。また、d払いのように、携帯電話料金と合算でき、銀行口座もクレジットカードも不要で利用できるサービスもある。
《原則として銀行口座かクレカが必要》
Q.どんな店で使える? 利用可能な店は見つけられる?
A.
サービスごとに利用できる店舗はさまざまだが、コンビニやドラッグストア、家電量販店のように、店舗数の多いチェーン店が中心だ。ふだん使いをされることが多く、効率的に店舗数を増やせるからだ。
ただ、こうした店舗は、すでに電子マネーやクレジットカードが対応しているため、スマホ決済を使うメリットが少ない。そこで本領を発揮できるのが、中小の店舗だ。
例えば、PayPayは、クレジットカードが使えない屋台などでも支払えることがあるほど。他サービスも拡大を図っており、今後も店舗数が増えていくことは間違いない。
また、利用可能な店舗は、アプリやサイトにリストアップされているほか、サービスによっては地図と連動し、近くの利用店舗がわかる場合もある。
《スマホ決済可能なコンビニの例》
Q.スマホ決済は、ネットショッピングでも使える?
A.
ネットショップでも利用できるが、現状での対応サイトは少ない。PayPayは、ソフトバンク傘下のサービスが中心。LINE Payも、LINEデリマなどに加え、ZOZOTOWNといった一部の外部サービスが対応する程度。
一方、d払いはキャリア決済が原点なだけに、対応店舗が多い。Amazon(ドコモユーザーのみ)や各百貨店など、バリエーションも豊富だ。
《d払いは対応が多い》
Q.現金で払うのと、どちらの手間がかかる?
A.
支払いの場面や金額にもよるが、現金を渡し、差額をお釣りで受け取るというやり取りをするよりも、画面を見せるだけのスマホ決済のほうが手軽だ。コンビニなどでは、レジ待ちの間に、あらかじめ画面を出しておくと、よりスムーズになる。
実は、さらに素早いのが、電子マネー。スマホを読み取り機にかざすだけで、スピーディに支払える。
《現金払いより手軽》
Q.スマホ決済のお金ってどうやって入金する?
A.
サービスによって異なるが、基本は、あらかじめチャージした残高か、登録したクレジットカードで支払うことになる。どちらが必要かは、サービスによってまちまちだ。
例えば、PayPayは銀行口座、クレジットカードのどちらでも利用できるが、銀行口座などからチャージした残高があれば、送金なども行える。
LINE Payは、決済時には残高かキャンペーンなどで付与されたLINE Payボーナスしか利用できない。ただし、チャージ手段は、コンビニの端末やATMなど多彩に用意されている。
ユニークなのはメルペイで、クレジットカードは利用できないが、メルカリの売上がそのまま利用できる。不要な物を売って得た金額を、コンビニなどの買い物で使える。
《主なスマホ決済の入金方法》
Q.セキュリティが不安。不正利用されたらどうなる?
A.
7Payの不正利用が大きく取り上げられ、不安を感じる人も多いはずだ。ただ、ほとんどのサービスは、携帯電話番号などとひもづける「2段階認証」を実施するなど、本人になりすましてログインするのは非常に難しくなっている。
一方で、プリペイド(前払い)サービスは、全般に補償がクレジットカードより手薄なことも覚えておきたい。
《2段階認証などで対策》
Q.キャンペーンが話題だけど、本当に得なの?
A.
スマホ決済は、20%還元などの大型キャンペーンが魅力。普及促進期のため、各社ともキャンペーンでユーザーを増やそうと躍起だ。有効期限などはあるが、現金と等価で使えるので、お得といえる。
ただし、戻ってくるのは現金ではなくポイントで、そのサービスで使えるもの。銀行に払い戻せるサービスは少ない。囲い込まれることは、覚悟しておくべきだ。
《キャンペーンはお得》
Q.スマホを機種変更しても使える?
A.
機種変更しても、同じアカウント(ID)とパスワードでログインすれば、そのまま残高を引き継ぐことが可能だ。一部の電子マネーのように、残高をクラウドに保存するなどの手続きは不要。
ただし、サービスによっては、再度電話番号による2段階認証をしなければならないケースもある。IDやパスワードは絶対に忘れないようにしておきたい。
なお、複数のスマホでの同時利用については、推奨されていない場合が多く、例えば、d払いでは、端末を切り替えるごとに2段階認証をやり直す必要がある。
《機種変更でも問題なし》
Q.スマホを紛失したり、壊したりしたらどうすればいい?
A.
スマホそのものを紛失してしまった場合は、まず「スマホを探す」アプリなどでデータを削除しておきたい。
これをしておけば、万が一、画面のロックを解除されても、残高などを使われる心配が少なくなる。新端末を用意できたら、ただちにログインし直して、前の端末で利用できないようにしておこう。
スマホを破損した場合は、スマホが動作していれば利用できる。ただし、画面が割れるなどで、コードが読み取れない状態になると、当然利用できない。割れたまま利用している人を見かけるが、決済を利用するには修理が必要だ。
《コードが読み取れないと利用不可》
Q.スマホが電池切れのときはどうなる?
A.
画面にコードを表示する必要があるスマホ決済は、スマホがバッテリー切れだと、当然利用できなくなる。バッテリーの残量には、従来以上に注意を払いたい。モバイルバッテリーなどを用意しておくといいだろう。
その点、同じスマホ利用の決済でも、おサイフケータイ搭載端末(電子マネー)は、残ったわずかなバッテリーでも利用できる(完全放電してしまうと不可)。
なお、Apple Payも、iPhone XS以降は「予備電源」に対応し、エクスプレスカードに設定したSuicaのみ、バッテリー切れ後も利用できる。
《電池切れでは使えない》
解説/石野純也(ジャーナリスト)