8月29日に Fitbit Versa 2(フィットビット バーサ2)が発表されました。発売は、2019年9月下旬。いち早く実機を手に入れた私は、使って2日で、今使っている Fitbit AltaHR(現行 Fitbit InspireHRの前のモデル)からの乗り換えを決めました。その一番大きな理由は「睡眠スコア」が付いていたからです。
睡眠計で一番よかったFitbit
ちょっと前に流行った「睡眠負債」というキーワードにあるように、皆さんも睡眠がどんなに大事であるのか、ご承知だと思います。一日を有効に過ごすには、質の良い睡眠は不可欠です。
睡眠の状態を知るための道具に、「睡眠計」があります。
睡眠計も安くなり、タニタ、オムロン、そしてスマートウォッチにも内蔵されています。
基本全部テストしました。
タニタは、敷き布団の下に敷くタイプ。正確ですが、かなり仰々しいです。
オムロンは、枕横に置くタイプ。簡単ですが、寝返りの時ドスンと当たる可能性があり、かなり気になってしまいます。
そしてスマートウォッチは、腕に付けるタイプです。これは重さにもよるのですが、手に負担が掛かります。
それらを何度となく試し、残ったのが Fitbit AltaHR です。
理由は、細く、軽く、装着したまま寝ても、ほとんど負担がなかったためです。
そして、同時に睡眠グラフを示してくれるのですが、睡眠状態をかなり具体的に把握できるためです。
また、健康ログだけでなく、スマートウォッチとしての機能も中々充実しており、「使えるスマートウォッチ」として愛用しました。
今回の前のモデル、Fitbit Versa が出た時も乗り換えませんでした。
理由は「軽さ」です。睡眠時に、時計などは鬱陶しいものです。その点、Fitbit AltaHR はやさしい付け心地でした。
そうまで惚れたモデル。次は当然 Fitbit InspireHR と言いたいところですが、「ちょっと待ったコール」をかけた新製品がありました。
それが、今回紹介する Fitbit Versa 2 なのです。
[連続使用可能時間]5日以上連続で心拍数の計測その他の機能が使用可能(ご使用の環境や設定により異なります)
[Alexa搭載]搭載された Amazon Alexa を利用して、ニュース速報や各種情報、天気予報をすぐにチェック。スマートウォッチに自分の声で話しかけるだけで、就寝リマインダーやアラームの設定、スマートホーム機器の操作など、他にもさまざまな機能を利用でき…
効果が分かる健康家電
美容・健康家電は、結構値が張る物が多いです。
理由は、失敗すると健康に害を及ぼすことがあるからです。
このため医学アカデミー他との連携が必要ですし、実際、薬機法の認定を受けなければならないモノもあります。
こうやって丁寧に作られる美容・健康家電の泣き所は、効果の「見える化」です。
実際、肌をキレイにする美容家電の効果などは、ほんとうに分かりにくい。
「化粧のノリの良さで分かる」と言うのはガールフレンドの弁ですが、「差は?」と問い詰めると「微妙だよねー」と。
特に、短期での差は掴みにくいです。
中には、ヤーマンの「RF美顔器」のように、肌測定機能を付属させたモノもありますが、正確なデーター収集、医学アカデミーとの連携が必要になったりしますので、その分高くなります。
Fitbit の睡眠グラフは、睡眠をよく知る人には分かりやすいです。
しかし、それには一定の知識、経験が必要です。
睡眠は「浅い睡眠」「深い睡眠」「レム睡眠」「目覚めた状態」に分けられるのですが、ベストの状謡はなかなか分からないものです。
そんな時、頼りになるのがビッグデータ。
Fitbitは、105億夜以上の情報をベースに、個人の眠りに対し「睡眠スコア」を出すことにしました。合計スコアは、最大100。ほとんどのFitbitユーザーは、72〜83のスコアとのこと。
それぞれ、次のように評価されます。
非常に良い: 90-100
良い: 80-89
公正: 60-79
悪い: 60未満
また、元になるデーターは大まかに、次の様なモノです。
(1)継続時間: 睡眠と目覚めの時間、寝た時間
寝るほどスコアが上がります。
(2)品質: ディープスリープとREMスリープ
ディープスリープとREMスリープに費やした時間。これらの睡眠段階で過ごす時間が長いほど、スコアが上がります。
(3)復元:睡眠中の心拍数と落ち着きのなさ睡眠中のリラックス度
睡眠中の心拍数が高いか、投げたり回したりしすぎると、スコアが低下します。
私などは、最近、寝るギリギリまで原稿を書いたりしており、公正の下の方。睡眠ステージでは、曖昧な部分がはっきり数字で指摘され、やばいと思いました。
大学病院も使用するFitbitのビッグデータ
先ほど、Fitbitの健康ビッグデータに触れましたが、現状、世界で唯一無二のレベルです。
これを越すなら、人口の多い中国のような国で、政府が国民に全部装着させ、数年とり続けて、追いつけるかと言うレベルです。
このため、Fitbitは、いろいろな医療機関と提携しています。
病院サイドが、彼らが持つ健康データを使用したいのです。
例をあげると、癌患者。
手術などを受けるわけですが、どうしても回復のために、「睡眠管理」が必要となります。
それは、回復に有効な睡眠が取れているかどうか、ということですが、どうしても、良くなっているから、良い睡眠だったんでしょうと、結果論になりがちです。
睡眠を正確に分かることができる、ということは、回復のために、ここを変えて、より睡眠をイイ方向に持って行こうと決めることができるわけですから、能動的。患者もより早く元気になることが可能なわけです。
何のために提携しているのかは、教えてもらえませんでしたが、T大をはじめ、そうそうたる名前が揃っていました。
プレミアムサービスが開始!
Fitbit は、来年新春から、PREMIUMサービスを始めます。
優良なサービスですが、嬉しいのが血圧データもインプットできるようになります。
健康データは一元管理がベスト。しかし、血圧は別分野として、別アプリでの対応が必要でした。
Fitbit の責任者は、血圧計を Fitbit 本体には載せられないが、と前提を前置きした後で、血圧管理は重要だと考えており、Fitbitはそのデータを取り込むと言っていました。
最終的には、PREMIUMサービスが始まってから判断しなければなりませんが、ようやく健康データが一元管理できるかと思うとちょっと嬉しいです。
Amazon Alexsa、Spotifyとの連携
「睡眠スコア」にほとほと感心し、Fitbit Versa 2と付き合うことにした私ですが、まだ嬉しいことがあります。
一つは Amazon Alexsa との連携です。
健康ログを取るということは、常に身につけている付けているというわけですから、AIスピーカーとつながっているのはプラスです。
Spoify との接続は、ちょっと別の意味を持ちます。
ウォーキングなど、長時間運動を考えたとき、自分で録音した音楽だけだと飽きることがあります。そんな時、Spoify があれば、無制限に音楽が聴けます。「ながらウォーキング」などにはピッタリと言うわけです。
そんなわけで、Fitbit Versa 2 はとても「使える」スマートウォッチなのです。
◆多賀一晃(生活家電.com主宰)
企画とユーザーをつなぐ商品企画コンサルティング、ポップ-アップ・プランニング・オフィス代表。また米・食味鑑定士の資格を所有。オーディオ・ビデオ関連の開発経験があり、理論的だけでなく、官能評価も得意。趣味は、東京歴史散歩とラーメンの食べ歩き。