日本で初めてヘバーデン結節外来を開設した富永ペインクリニック院長の富永喜代医師。ヘバーデン結節の患者は、何年、何十年と痛みに悩まされ、「痛み慣れ」している人もいるという。しかし、日常生活で少し工夫をすることで、その症状がかなり緩和されるという。ヘバーデン結節の人が積極的に取るべき食品について、また痛みや症状の改善に役立つハンドクリームや近年話題のエクオールなどについて話を伺った。

解説者のプロフィール

画像: 解説者のプロフィール

富永喜代(とみなが・きよ)

富永ペインクリニック院長。医学博士。日本麻酔科学会認定麻酔科専門医、産業医。1993年より、聖隷浜松病院などで麻酔科医として勤務し、延べ2万人を超える臨床麻酔実績を持つ。2008年には、愛媛県松山市に富永ペインクリニックを開業、ヘバーデン結節外来を開設する。経済産業省「平成26年度健康寿命延伸産業創出推進事業」を委託され、新しい痛み医療のリーダーとして注目される。「中居正広の金曜日のスマたちへ」などテレビ出演多数。近著『指先の激痛・腫れ・しびれ「ヘバーデン結節は自分で治せる!」』が好評発売中。
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へバーデン結節の人におすすめの食べ物は?

大豆イソフラボンを1日1回は摂る

ヘバーデン結節は、女性ホルモン・エストロゲンの影響が大きい疾患です。
更年期以降、エストロゲン分泌が減少してくると、手指の血管が収縮して血流が悪くなってきたり、手指の骨や腱がかたまって関節の動きが悪くなってきたりするのです。

また、もともとエストロゲンには、自分でつくる「天然の痛み止め」のような働きがあり、これが減少してくると、だんだん痛みを感じやすくなる傾向があります。
このため、閉経してエストロゲンが減少すると、ヘバーデン結節の患者さんは、より指先の痛みをキャッチしやすくなってしまうわけです。

ですから、ヘバーデン結節の人は、日々の生活でなるべく女性ホルモンの働きをアップさせたいところ。そこで、食事で積極的に摂っていただきたいのが大豆イソフラボンです。

よく知られるように、大豆イソフラボンは、納豆、豆腐、豆乳、おから、油揚げなどの大豆食品に含まれる成分。エストロゲンと似た働きをして、さまざまな不調を軽減してくれます。

1日の摂取量の目安は、豆腐なら3分の2丁、納豆なら1パック、豆乳ならコップ1杯です。
ただ、大豆イソフラボンは、摂取後たった1日で体外に排出されてしまうので、ちゃんと効果を上げたいなら、毎日欠かさず摂るようにしなくてはなりません。

できれば、1日3食のどこかに大豆製品メニューを入れて、継続摂取していくように心がけたいもの。「豆腐」「納豆」「豆乳」をローテーションにして朝食メニューを回していくなど、工夫して摂っていくといいかもしれませんね。

画像: 大豆イソフラボンを1日1回は摂る

ハンドクリームも効果的

嗅覚も触覚も同時に癒される

ヘバーデン結節の人には、毎日ハンドクリームを塗る習慣が欠かせません。
別に高級なものでなくとも、「市販の、いつものお気に入りのクリーム」で十分。
そのクリームを、ゆっくりやさしく、手のすみずみにまで塗り込んでいくのです。

ハンドクリームには、保湿成分をはじめ、さまざまな有効成分が配合されています。
それらの成分には、痛みをやわらげる効果も期待できるでしょう。
ただ、効果はそれだけではありません。

私は 「ハンドクリームを塗る」という行為は、究極の「指リラクゼーション」だと考えています。クリームにはローズ、シトラス、ミントなどさまざまな香りがついていて、嗅覚経由で神経が癒されます。
また、やさしくなでるように塗ることで触覚が刺激され、皮膚経由で心身がリラックスします。

それに、「痛いのに1日よくがんばったね」と、自分の手指をいたわるような気持ちで塗れば、へこたれずに明日もがんばろうという心理的なケア効果も期待できるでしょう。
ぜひみなさん、この究極の「リラクゼーションタイム」を大事にしてください。

女性ホルモン・エストラジオール(エクオール)を配合した美容液も

最近は、女性ホルモン・エストロゲンの一種である「エストラジオール」を配合したタイプ(エクオール含有タイプ)の美容液や健康食品も販売されています。

手指の美容と健康にとって女性ホルモンの減少は大敵。
でも、これを手指に塗れば、直接皮膚からエストラジオール成分が吸収されることになるのです。
へバーデン結節にお悩みの方には朗報といえるのではないでしょうか。

画像: 女性ホルモン・エストラジオール(エクオール)を配合した美容液も

へバーデン結節Q&A

へバーデン結節は遺伝するのですか?

はい。遺伝傾向があります。
ヘバーデン結節は、遺伝する傾向が顕著だとされています。
実際、クリニックにいらっしゃる患者さんに聞いても、「母親もヘバーデン結節だった」「おばあちゃんもそうだった」という方が少なくありません。

心当たりのある方は、手指が変形してしまう前のケアが大切。
早い段階から「10秒神経マッサージ」を実践しましょう。

へバーデン結節は若い人でもなるのですか?

30代でなる人もいます。
ヘバーデン結節の患者さんの大多数は40代以降の女性です。
ただし、なかには30代でヘバーデン結節になる方もいますし、男性にも患者さんがいらっしゃいます。
ですから、「ヘバーデン結節=高齢女性の病気」「ヘバーデン結節=女性だけの病気」という括り方はしないほうがいいと思います。

ヘバーデン結節は、通常、何科を受診すればいいのですか?

最初は整形外科かリウマチ科で。
手指の痛みや変形が気になってきた場合、原因がリウマチである可能性もあるので、まずは「整形外科」か「リウマチ科」を受診して診断を確定させることをおすすめします。

ただ、問題なのは、ヘバーデン結節の診断が出た後です。
どんな対応や治療がなされるかは医療機関によってさまざま。なかには、本当に何もしてくれないような病院もあるというのが現状です。

重度のへバーデン結節でも、治せるのでしょうか?

はい。治すことができます。
「痛みをとる」「手指を動かしやすくする」という点で言えば、どんなに重度に進行したヘバーデン結節であろうとも治すことができます。

実際、「ヘバーデン結節外来」には、症状を重度に進行させてしまった患者さん方が大勢いらっしゃいます。
でも、どの患者さんも「痛み解消」「関節の動き回復」という点での治療効果をたいへんよろこばれ、十分に満足されてお帰りになっています。

外科手術で変形を治すことができるのでしょうか?

可能ですが、かなり覚悟が必要です。
ヘバーデン結節の外科手術では、患部を切開してトゲの部分(骨棘・こつきょく)を削ったり、人工関節を埋め込んだりするなどの方法がとられ、これにより変形を修復することも可能です。

ただし、指はまっすぐになっても、痛みがとれなかったり、しびれが残ったりすることもあります。また、手術後はしばらく手指を使えなくなり、日常生活に支障も出るため、それ相応の覚悟が必要です。

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◆富永喜代(とみなが・きよ)
富永ペインクリニック院長。医学博士。日本麻酔科学会認定麻酔科専門医、産業医。1993年より、聖隷浜松病院などで麻酔科医として勤務し、延べ2万人を超える臨床麻酔実績を持つ。2008年には、愛媛県松山市に富永ペインクリニックを開業、ヘバーデン結節外来を開設する。経済産業省「平成26年度健康寿命延伸産業創出推進事業」を委託され、新しい痛み医療のリーダーとして注目される。「中居正広の金曜日のスマたちへ」などテレビ出演多数。近著『指先の激痛・腫れ・しびれ「ヘバーデン結節は自分で治せる!」』が好評発売中。

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