11月になり、街はイルミネーションやクリスマスの装飾・音楽が増えてきた。暗くなるのも早くなり、家の中で子供と過ごす時間が増えたら、絵本をたくさん読み聞かせしてあげたい。年中行事の中でも、クリスマスの絵本は特に豊富。ここでは、子育て中の私が経験し、かつママ友の間でも評判のよい絵本を紹介する。サンタクロースの謎に迫ったり、クリスマスの夜に起こるワクワクする話など、プレゼントしたい、読んであげたい絵本を紹介する。
クリスマス絵本の選び方と種類
クリスマスの切り口を変えて絵本を選ぶ
一言でクリスマスの絵本と言っても、大きく分けて4つのジャンルに分かれる。
- (1)クリスマスの意味を教えてくれる話
- (2)サンタクロースの話
- (3)クリスマスの日の話
- (4)クリスマスを楽しむための本
クリスマスの話を読みながら、子供と一緒に家を飾り付けたり、一緒にお菓子を作ったり。絵本の世界を実体験として子供が経験することで、よりクリスマスを楽しむことができる。お話し会などでも人気のクリスマス絵本の世界をのぞいてみよう。
クリスマスの意味を教えてくれる話
『クリスマスおめでとう』
かわいいイラストとともに、キリストの誕生がわかりやすい文章で書かれている。クリスマスの本当の意味を子どもに教えるのにぴったりな本。大人でも改めてクリスマスについて考えるきっかけになる
ひぐち みちこ(著)
こぐま社
サンタクロースの話
『サンタのいちねんトナカイのいちねん』
表紙から読むと「サンタのいちねん」。裏表紙から読むと「トナカイのいちねん」の物語が始まり、本中央ページで、1つのお話として完成する。サンタとトナカイの私生活をのぞくような内容に、子供も興味深々。同じ場面でも、サンタ側・トナカイ側から見るのでは絵の描き方はどう違うのか。ページをパラパラ見比べながら楽しむことができる。
きしら まゆこ(著・イラスト)
ひさかたチャイルド
『100にんのサンタクロース』
100人のサンタクロースの絵に温かみがあり、とてもほんわかした気持ちになる。プレゼントを配り終えたサンタたちが自分たちのクリスマスパーティーをする場面では、「サンタさんもパーティーするんだね!」と、子供も嬉しそう。100人それぞれ個性があり、どのサンタさんが好き?お母さんは誰に似ているかな?と、絵を眺めるだけでも会話が弾む一冊。
谷口智則 (著)
文溪堂
『だれも知らないサンタの秘密』
「サンタクロースはどこに住んでいるの?」「どうやって世界中の子供たちにプレゼントを配るの?」そんな子供ならだれでも考える疑問に丁寧に答えてくれる絵本。細かく描かれているイラストが、真実味を帯び、サンタクロースって本当はいないのでは…と考え始めた子供にも、「やっぱりサンタさんはいる!」と思いなおすきっかけとなるような内容。大人が読んでも、なるほど…と納得してしまう?!
アラン スノウ(著) 三辺 律子(翻訳)
あすなろ書房
クリスマスの日の話
『まじょのぼうし』
クリスマスが嫌いな魔女がかける意地悪な魔法が、動物たちに幸せを運び、それを知った魔女は…。動物だけでなく、サンタクロースにまで魔法をかける魔女だが、なぜだか憎めない。怒ったり泣いたり笑ったり、様々な表情を見せる魔女は、人間味が溢れている。
さとう めぐみ
ハッピーオウル社
『ゆかいなゆうびんやさんのクリスマス』
郵便屋さんから届けられるお手紙を実際に本のポケットから取り出すことができる楽しい仕掛け絵本。お手紙を開く時のドキドキ感をそのまま味わえるため、子供は、手紙がボロボロになるまで出したりしまったり繰り返すはず。そこは是非何も言わずに見守ってあげて欲しい。筆者の子供は、ジグソーパズルが入っている手紙がお気に入り。クリスマスプレゼントにぴったりの本。
ジャネット アルバーグ(著) アラン アルバーグ(著) 佐野洋子(翻訳)
文化出版局
『はたらくくるまたちのクリスマス』
乗り物が大好きな子どもに贈りたい絵本。ブルドーザーやミキサー車が、今年最後の仕事を終えるとプレゼントが目の前に。プレゼントをもらうだけではなく、誰かに贈りたくなる絵本。はたらくくるまたちシリーズに共通して言えるのが、車たちの表情が生き生きしていること。そして、昼・夜の外の明るさの描き方がきれいだ。「ニューヨークタイムズ」ベストセラーリスト第1位。
シェリー・ダスキー・リンカー(著) AG・フォード(イラスト)福本友美子(翻訳)
ひさかたチャイルド
『ぐりとぐらのおきゃくさま』
クリスマス時期になると、必ず読みたくなる定番の一冊。ぐりとぐらの家にいるお客様は、いったい誰?大きな足跡、ブーツ、コート…もしかして、サンタさん?!と、子供でなくても心が躍る。筆者は、「サンタさんって、若くてスマートで、ケーキも作れてかっこいいではないか!」と幼児期に思った記憶が鮮明に残っている。
なかがわ りえこ (著) やまわき ゆりこ (イラスト)
福音館書店
クリスマスを楽しむための本
『チャレンジミッケ! 4 サンタクロース』
プレゼントがつまったサンタさんの袋、空を飛ぶそりに乗ったサンタさん…など、クリスマスらしい探し物に、大人も子供も夢中になる。我が家では3歳からミッケ!にはまり、どこに何があるかどんどん覚える子供の記憶力に驚く。美しい写真には、見るたびに新しい発見がある。小学生へのプレゼントにもぴったり。
ウォルター ウィック (著) 糸井 重里 (翻訳)
小学館
『クリスマスソングキーボードブック:○と★のがくふでかんたんにひける!』
幼稚園や保育園で歌うクリスマスの歌が、自分で弾けてしまうソングブック。音符がわからなくても、〇と★印を歌に沿って順番に押していけば、弾くことができるため、ピアノが弾けないお父さんが子供と一緒に弾いて歌うことも。今年のクリスマスは、みんなで歌って楽しい夜を過ごしましょう!
○と★のがくふでかんたんにひける!
サム タプリン (著), レイチェル スタップス (イラスト)
東京書籍
まとめ
クリスマスプレゼントとしてもらうと、ロングセラーの定番絵本も、遊び心満載の絵本も、ちょっと特別な本になる。たった一冊の本でも、その本をきっかけにして子供との間に生まれるコミュニケーションは無限だ。お気に入りの一冊と出会い、子供と一緒に素敵な時間を過ごしてみては、いかがだろうか。
◆小嶋彩葉(フリーライター)
医療系広告代理店の勤務を経て、編集兼ライターとして独立。現在は、子育て・旅行・映画関連記事などを中心に執筆活動を行う。また、2児の母として、育児に奮闘中。