【人気加湿器6モデルを比較】加湿方式の違いを知ろう!今は「スチーム式」が人気な理由

空調家電

ここ数年、加湿機の需要は上向きで製品も充実してきた。特にインフルエンザ対策の期待度が高いようで、小さい子供や年配者、受験生のいる家庭では感染予防をきっかけに購入するケースが珍しくない。最近はスチーム式の人気が上昇。他方式もハイパワーと使い勝手の向上でアピールしている。

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目指せ!家電選びの達人今回の家電は「加湿機」

暖房による乾燥から肌やのどを守り、快適な環境を与えてくれる加湿機。インフルエンザや風邪の予防にも有効で、冬の生活に欠かせないアイテムとなっている。だが、一口に加湿機といっても、方式や特性はさまざま。今回は、人気の6モデルを集めて、魅力を探ってみた。

監修者のプロフィール

中村剛
「TVチャンピオン」スーパー家電通選手権で優勝の実績を持つ家電の達人。家電製品総合アドバイザー、消費生活アドバイザー。東京電力「くらしのラボ」所長。現在、暮らしに役立つ情報を動画(Facebook)で配信中。

加湿機のメリット

■エアコン暖房の乾燥対策やウイルス予防で人気

エアコンの性能が上がり、メイン暖房として使用する家庭が増えてきた。熱効率がよく、安全性の高いエアコンだが、室温が上がると室内の相対湿度が下がるため、乾燥を感じてしまう。

空気の乾燥は、目の乾きや肌の乾燥、静電気の発生を引き起こし、決して快適な環境とはいえない。エアコン暖房のオフィスや公共の場で、これらに悩まされたことがある人も多いだろう。

また、のどが乾燥すると風邪をひきやすくなるほか、湿度が40%以下になると、インフルエンザウイルスが活発化するといわれている。部屋を適度な湿度に保つことで、これらの事象は回避が可能だが、その役割を担うのが加湿機だ。

特に、インフルエンザ対策の期待度が高いようで、小さい子供や年配者、受験生のいる家庭では、感染予防をきっかけに購入するケースが珍しくない。

また、部屋の湿度を上げると体感温度も上がり、暖房温度を低く設定できて、省エネにも役立つ。これらのメリットが受け入れられ、ここ数年、加湿機の需要は上向き傾向で、製品も充実してきた。

加湿方式の違い

■スチーム式、気化式などそれぞれの特徴を知ろう

それでは、具体的に見ていこう。加湿機は、部屋を加湿する単機能製品だが、加湿する方式によって、いくつかのタイプに分かれる。

最もべーシックなのが、お湯を沸かして蒸気を発生させる「スチーム式」。蒸気でパワフルに加湿するため、即効性が高いのが特徴だ。暖かい蒸気を使うので、ほかの方式より部屋の空気も暖まりやすいが、そのぶん、電気代もいちばんかかってしまう。

逆に、最も電気代が安いのが、「気化式」。扇風機で濡れタオルを乾かすように、ファンで加湿フィルターの水を気化させる方式で、長時間の使用に向いている。作動音は静かだが、パワーは弱めで、即効性に欠ける面もある。

それを補うのが、気化式にヒーターを組み合わせた「ハイブリッド式」だ。濡れタオルをドライヤーで乾かすイメージで、気化式より即効性が得られる。スチーム式のように水を加熱するわけではないので、やけどの心配がない。

なお、気化式とハイブリッド式では、目では確認できないほど細かい蒸気が発生する。そのため、蒸気の飛散力が高めで、比較的広範囲の加湿に向いている。

一方で、ピンポイントの加湿を得意とするのが「超音波式」。水を振動させて細かいミストを作り、モクモクと発生させる方式だ。

ミストは水の粒が大きく、飛翔範囲があまり広くないので、卓上などのパーソナルユースに向いている。いい換えると、広い部屋で使った場合、加湿ムラが発生することもある。

なお、アイリスオーヤマでは、この超音波式に加熱式を追加。加熱した水を使うことで、清潔さをアピールしている。さらに、サーキュレーターを搭載し、部屋の加湿ムラ対策を講じている。

加湿方式の違いを知ろう!

●スチーム式
お湯を沸かして蒸気を発生させる、電気ポットのような方式。ほかの方式に比べて電気代はかかるが、加湿効果や即効性が高い。

●気化式
扇風機で濡れタオルを乾かすように、ファンでフィルターの水を気化させる方式。蒸気の粒が小さいので結露しにくく、比較的広範囲の加湿が得意。

●ハイブリッド式
気化式にヒーターを組み合わせた方式。温風で濡れタオルを乾かすイメージで、加湿スピードが速い。ヒーターのオン/オフは、自動で切り替わる。

●超音波式
超音波振動で水を霧状にする方式。粒が大きいため、周囲の湿度が高くなる。仕組みがシンプルで形の制約がなく、製品デザインに凝れるのも特徴。

●超音波+加熱式
ヒーターで温めたお湯を、超音波振動で霧化して放出。サーキュレーターで部屋中に行きわたらせる新方式。アイリスオーヤマが採用。

超音波+加熱式のイメージ

加湿機のメンテナンス

■手入れの手間を軽減する工夫も増えている

方式によって、加湿の範囲や電気代に差があるが、メンテナンス性にも違いがある。水をためて使う加湿機の特性上、カビや雑菌を防止するため、手入れは必須なので、覚えておきたいポイントだ。

中でも、最もケアが必要なのは、超音波式だ。内部に雑菌がたまると、そのまま空気中に飛散されてしまうおそれがあるため、こまめな手入れが欠かせない。

気化式やハイブリッド式の場合は、加湿フィルターが常に湿った状態にあるので、カビを発生させないように定期的なメンテナンスが必要。説明書を確認して、正しい手入れ方法を把握しておこう。

スチーム式は、カビの心配が少ない。メンテナンスはもちろん必要だが、頻度が抑えられたり、手入れ箇所が少なかったりする。特に、象印は作りがシンプルで、ケアが必要なパーツも少なく、手入れのしやすさに定評がある。

これらの中で、最近、ニーズが上がっているのが、スチーム式だ。一時期は、電気代がネックになり敬遠されがちだったが、加湿機にとっては省エネ性だけでなく、衛生面の確保も重要であることが、改めて理解されてきたということだろう。

もちろん、スチーム式以外のモデルも、清潔に使えるように、さまざまな配慮がなされている。

シャープは、給水口からトレーまで、すべて外して丸洗いが可能。本体の水の経路もタオルを通して拭けて、カビや雑菌の原因となる水汚れを取り去ることができる。

ダイニチは、水をためるトレー部にプラスチックカバーを導入。汚れたら簡単に交換できる。

また、加湿フィルターは蛇腹状のもの多いが、パナソニックでは押し洗いができるスポンジ状フィルターを搭載。運転停止中にナノイーでフィルターを除菌する機能も備え、衛生面を強化している。

なお、お湯を完全に沸騰させる象印以外は、いずれもタンクのキャップや加湿部分に、抗菌加工を採用。雑菌の繁殖を抑えることで、ぬめりやニオイ、カビの発生を防止している。

ただし、メンテナンスに対する意欲は人によって異なるもの。じっくり考慮して選びたい。

チェックしたい四つのポイント!

❶適用床面積
その製品が、室温20℃で湿度60%に維持できる部屋の広さを表す。実際に使用する部屋の広さ(畳数)よりも、少し大きめのものを選ぶといい。

❷加湿量・連続運転時間
加湿量は「○mL/h」で表され、数値が大きいほど加湿能力が高い。連続運転時間は、この加湿量とタンクの容量によって決まる。

❸給水方法
タンクを水道まで運んで給水するものが一般的だが、最近はヤカンなどで本体に水を注げる製品も登場。タンクを着脱する手間がなく、便利に使える。

❹メンテナンス性
イオンなどの除菌機能が付いていても、人の手による手入れは不可欠。タンクやトレーなどの部品は洗いやすい形状か、事前にチェックしたい。

各モデルの特徴

アイリスオーヤマ
RCK-5519
実売価格例:2万4620円

●タンク容量/約3.7L ●消費電力/160W(50Hz)、155W(60Hz)●連続加湿時間/約6.7時間 ●サイズ/幅322mm×高さ395mm×奥行き220mm ●重量/5.3kg

サーキュレーターで効率よく部屋を加湿
加湿機×サーキュレーターで、効率よく部屋を加湿。ヒーターで加熱したお湯を使うことで、通常の水に比べて清潔な蒸気で加湿を行う。サーキュレーターは単独でも使用できる。

●操作ボタン、サーキュレーター
サーキュレーターを搭載。横の吹き出し口から出る温ミストを拡散する。操作部には首振りボタンも装備。

スパイラル気流で、部屋の隅々までミストを拡散。室内の湿度ムラを軽減する。

●タンク、トレー部
タンクを持ち上げ、オレンジ色の排水カップを取り出して、たまった水を捨てられる。本体内に残った水は、付属のスポイトで吸い取る仕組みだ。

シャープ
HV-J75
実売価格例:2万8290円

●タンク容量/約4.0L ●消費電力(最大~最小)/335W(強)~12W(静音)●連続加湿時間/約5.3時間(強)●サイズ/幅272mm×高さ455mm×奥行き220mm ●重量/5.2kg

トレー給水のほか、本体に直接給水も可能
本体に直接水を注げる「直接給水」と、通常の「トレー給水」の両方に対応しているのが特徴。プラズマクラスター機能は単独での運転もできるため、通年の使用が可能だ。

●2とおりの給水方法
本体に上から水が注げる、直接給水構造を採用。タンク代わりのバケツ状トレーでも給水ができるので、水道からでも注ぎやすい。

●パーツが外せる、内部も拭ける
水の経路にタオルを通せる構造。内部に残った水滴までしっかり拭けて衛生的。

吹き出し口や給水カバー、加湿フィルターなど、本体から外せるパーツはすべて丸洗いOK。

象印
EE-RP50
実売価格例:1万5170円

●タンク容量/3.0L ●消費電力/985W(湯沸かし時)、410W(加湿時)●連続加湿時間/約6時間(強)●サイズ/幅240mm×高さ315mm×奥行き260mm ●重量/2.4kg

安全面に配慮したスチーム式の人気モデル
手入れの簡単さに定評のある人気モデル。沸騰させたお湯を約65℃まで冷まして加湿するため、やけどの心配が少ない。転倒湯もれ防止構造の採用など、安全面に配慮されている。

●操作ボタン
沸騰音を軽減する「湯沸かし音セーブ」キーを搭載。本製品は、フタを外して洗える構造のため、操作ボタンはすべて前面に集中している。

●給水の目安になる水位線
運転時間の目安に合わせて給水できる水位線がタンクの内側に記されていて、わかりやすい。

●タンクの手入れ
フッ素加工の広口容器で、ポットと同じ内部構造。フィルターがなく、手入れが簡単。

ダイニチ
HD-LX1019
実売価格例:3万5310円

●タンク容量/7.0L ●消費電力(最大~最小、50/60Hz)/425/435W(ターボ)~23/28W(eco)●連続加湿時間/約7.3時間(標準)●サイズ/幅390mm×高さ405mm×奥行き245mm ●重量/6.4kg

加湿能力&静音性が高いハイブリッド式
加湿機のシェアNo.1を誇るダイニチの新製品。高い加湿能力と、約B4サイズで置ける設置性、最小運転音13デシベルの静音性を実現した。ベーシックでモダンなデザイン性も人気。

●操作ボタン・持ち運びハンドル
加湿状況は1%単位でデジタル表示される。本体ハンドルは、バランスを考慮して付けられており、大型ながら片手で楽に持ち運べる。

●二つの取っ手付きタンク
タンクの上下に取っ手を設置。給水時に持ち上げたり、満水のタンクを両手で運べたりなど、給水作業が安定する。

●取り替えられる「トレイカバー」
トレー用の使い捨てカバーを導入。トレーを水洗いする手間が省け、清潔に保てる。交換目安は1シーズン。

東芝
KA-X60
実売価格例:1万2460円

●タンク容量/約4.0L ●消費電力/510W 連続加湿時間/約6時間40分 ●サイズ/幅264mm×高さ302mm×奥行き257mm ●重量/3.5kg

アロマオイルで、好みの香りも楽しめる
温度と湿度のダブルセンサーで、加湿を自動でコントロール。室温に合わせてヒーターを制御する仕組みで、電気代は比較的抑えめ。アロマオイルもセット可能で、好みの香りも楽しめる。

●本体もタンクも取っ手付き
本体もタンクも取っ手付きで持ち運び可能。また、コードはマグネット着脱式で、本体から簡単に外せて移動が楽。

●手を入れて洗える広口タンク
広口タンクを採用。女性なら、中まで手を入れて洗えるサイズ。タンクの形状が複雑だが、コツをつかめば隅まで洗浄可。

●アロマの香りも楽しめる
付属のポットにアロマオイルを垂らせば、加湿しながら香りが楽しめ、リフレッシュ効果も。

パナソニック
FE-KXS07
実売価格例:2万3490円

●タンク容量/約4.2L ●消費電力(最大~最小)/19W(お急ぎ)~4W(静か)●連続加湿時間/約6.0時間 ●サイズ/幅375mm×高さ375mm×奥行き186mm(+背面凸部10mm)●重量/5.2kg

ハイパワー加湿とナノイーの潤いが特徴
高効率のDCモーター採用により、ハイブリッド方式(ヒーター搭載)の従来機と同等のハイパワー加湿を実現した。加湿とともにナノイーを放出し、肌への潤い効果も期待できる。

●操作ボタン
上面のボタンで操作ができ、前面の表示で湿度状況が確認可能。就寝時などに光が気になる人に向け、「明るさ切替」ボタンを装備した。

●加湿フィルター・除菌ユニット
トレー部に除菌ビーズを搭載。柔らかな立体編み物素材の加湿フィルターは、月に一度、押し洗いするだけと、ケアが手軽。

●奥まで洗える広口タンク
シンプル形状のタンクは、広口タイプ。手首まですっぽり入れられるので、手入れが簡単。

まとめ

加湿機が清潔でも、部屋に黒カビなどが発生していたら、そこから空気が汚れてしまう。加湿のしすぎは結露やカビの原因になるため、湿度センサーを搭載し、過度の加湿を防ぐ機種を選んだほうがいいだろう。

ちなみに今回の6モデルは、すべてセンサーを搭載している。また、水の注ぎやすさ、タンクの洗いやすさなども製品選びの大切なポイント。購入前には必ず、各パーツを実際に確認してほしい。

※価格は記事作成時のものです。
取材・執筆/諏訪圭伊子(フリーライター)

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