本来なら、今の時期はネットや新聞では「花粉症」の文字が賑わいますが、どのメディアも「新型コロナウィルス」一色。感染力が高いとされ国内でも感染者が出ていますが、ワクチンはまだ開発の途中。「パンデミック(世界流行)」を防ぐために、医療をはじめ、関係者が何とかしようと頑張っています。そんな中、空気をキレイにする「空調家電」でできることはないだろうか、と空気清浄機をはじめとする空調家電の使い方を、もう一度見直してみたいと思います。

空気中の有害な浮遊物の種類

まず、空気中の浮遊物で、考慮すべき大枠は6つ。「花粉」「ハウスダスト」「PM2.5」「細菌」「ウィルス」「揮発性化学物質」です。

画像: 空気中の有害な浮遊物の種類

「スギ、ヒノキ花粉」は、ご存じの通り「花粉症」の原因。また、ホコリダニの死骸、脱皮カス、フンを含む「ハウスダスト」は「アレルギー性××(××は、「喘息」など病名が入る)」の原因となります。
「PM2.5」は肺がん他、呼吸器系の病気の発症率を上げ、「細菌」も風邪などの病気の源。ウィルスも細菌に似てはいますが「インフルエンザ」「肺炎」などの感染症を引き起す原因となります。
「揮発性化学物質」の代表例は「ホルムアルデヒド」でハウスシック症候群を引き起こします。

まぁ、総じて言うと「身体に悪い」となるわけですが、この6つのものを除去するためには、それぞれ別の手段が必要だと言うことを、ご存じでしょうか?

サイズで分ける必要がある

浮遊物の「サイズ」で分けると4つにグルーピングできます。

①花粉、ハウスダスト
サイズ:10μm以上が多いですが、大きい分だけ、まだ粉砕の余地があり、サイズ的にはこれ以下になる可能性があります。また大きい分、それなりに重い。このため、他の浮遊物に比べて比較的短時間で地面、床に落ちるとことが特徴となります。

②PM2.5、細菌
サイズ:1〜10μm。このサイズになると、なかなか地面、床には落ちてくれません。

③ウィルス
サイズ:100nm以下。マイクロで表すと0.1μm以下です。インフルエンザウィルス、コロナウィルスなど、最小にして、人類最大の敵でもあります。

④化学物質
こちらは、分子単位から、まとまった状態までいろいろな状態があります・

空気清浄機で「できること・できないこと」

空気をキレイにするなら「空気清浄機」があればいいだろうと思うでしょう。しかし、空気清浄機には苦手なモノもあります。

ここでは、まず、主流であるフィルターを使用するタイプの空気清浄機で、話を進めたいと思います。今使われているフィルターは、「HEPA(ヘパ)フィルター(並)」といわれるものです。

「HEPAフィルター」とは、High Efficiency Particulate Air Filterの略で、エアーフィルターとつくように、空気を濾すためのフィルターです。今でこそ、掃除機、空気清浄器にと、家電にも使われていますが、元々半導体製造のクリーンルーム用などで用いられていた高性能フィルターです。並の技術ではできないフィルターです。

当然、厳密な規定があり、日本工業規格、いわゆるJIS規格では、「定格風量で粒径が0.3 µmの粒子に対して99.97%以上の粒子捕集率をもち、かつ初期圧力損失が245Pa以下の性能を持つエアフィルタ」と規定されています。このため、300nm(0.3μm)以下のモノを網目でトラップすることはできません。

また、これだけ目が細かいと、スグ目詰まりを起こします。このため、メーカーの多くは、このフィルターの手前に、プレフィルターを付け、大きなホコリはここでトラップし、本フィルターの負担を少しでも軽くしようとしています。

またフィルターの寿命を延ばすために、各社いろいろなことをしています。さきほどHEPAフィルター並と書きましたが、厳密な試験をクリアしたHEPAフィルターは、それなりに高いのです。このため、同等性能を持つフィルターに、各メーカー独自の技術で同等以上の性能を出そうとしています。

例えば、世界でもトップメーカーと言われるスウェーデンのブルーエアーの場合、フィルター穴径は少し大きめにします。代わりに、浮遊物を帯電させ、帯電トラップをさせます。こうするとウィルスサイズでもフィルターでトラップさせることができると言うわけです。

画像: ブルーエア独自の空気清浄技術 「HEPASilent®(ヘパサイレント)テクノロジー」 store.blueair.jp

ブルーエア独自の空気清浄技術 「HEPASilent®(ヘパサイレント)テクノロジー」

store.blueair.jp

とはいえ、空気清浄機の基本性能は、やはり「フィルター」で決まります。補助技術を使ったところで、フィルター性能の良しあしをひっくり返すほどのことはないでしょう。

花粉、ハウスダストの場合

花粉、ハウスダストをキチンと除去しようとする場合は、「空気清浄機」と「掃除機」の連携が必要です。要するに、床に落ちた花粉やハウスダストを踏んだりして、細かく粉砕してしまったり、再び舞わせないことが必要です。

ここでのポイントは、まず、排気フィルターにHEPAフィルターを採用した掃除機を使うことです。

次に必要なのはゆっくり掛けることです。花粉はトゲで覆われています。ダニなどのハウスダストもそうです。これがいろいろなところに引っかかりやすいのです。
このため、ゆっくりかけるのがコツです。20秒/平方メートルが目安。
これは喘息予防のガイドラインの値ですからハウスダストに関しての情報です。(また花粉症予防のガイドラインは現在作成中とのことです。)

花粉の場合は、外から人と共に侵入してきます。ハウスダストのように家の中で増えると言うことはありません。このため、玄関を関所に見立て、コートを叩くなど、少しでも室内持ち込みを防ぐのがコツです。空気清浄機も戸口に置くのが正解となります。

しかし外への出入りがない場合は、自分に近い方が効果が上がりやすいです。特に体を休めなければならない寝室では、重要です。

PM2.5、細菌の場合

これらは、空気清浄機で対応します。

ただ、細菌に関しては、別の観点も付け加えて欲しいです。極小生物である細菌が繁殖するには、温度、水、栄養が必要です。ご存知の通り、結露すると冬でもカビが生えます。それは水があるからです。相手も生物ですから、必ず生き延びようとします。フィルターにトラップされても生きています。水から切り離すことが重要です。

ウィルスの場合①
極小サイズへの対応

ウィルスと細菌は明確に違います。それはウィルスは、生物の最小単位である細胞をもたないからです。細胞は、DNAを含む核があり、それが細胞膜(植物の場合は細胞壁)で覆われています。たかが膜一枚と、バカにしてはいけません。いろいろなモノから護ってくれます。あるとないとでは、ずいぶん違うのです。

ウィルスは、この細胞膜がありません。つまりは、核が剥き出しの状態なのです。
別の言い方をすると、ウィルスはタンパク質の塊とも言えます。非常に弱いのです。が、とても小さくて、フィルタリングしにくい。それがウィルスなのです。

で、この弱いウィルス。時間が経つにつれ、勝手に死んで行きます。紫外線にも強くないですし、酸素にも弱い。

空気清浄機は、この時何をするのかというと、ウィルスが減る速度を早めてやるのです。

CMで有名なシャープのプラズマクラスターは、化学活性がありますので、このイオンがウィルスに当たるとウィルスはやられてしまいます。パナソニックのナノイーなども同様の効果を持ちます。空気清浄機に付いているイオン発生機は、フィルタリングで足らない部分を補うのです。

これをもっと強めたのが、パナソニックの空間清浄器。こちらは、消毒液「次亜塩素酸」を人体に影響がないレベルで空気中に放出します。ウィルスに対しては、より脅威となります。また、消毒薬ですから細菌にも十分効果があります。

画像: 次亜塩素酸 空間除菌脱臭機 ジアイーノ F-MV4100 商品紹介【パナソニック公式】 www.youtube.com

次亜塩素酸 空間除菌脱臭機 ジアイーノ F-MV4100 商品紹介【パナソニック公式】

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気をつけなければならないのは、イオン、薬剤とウィルスが遭遇するのは、あくまでも偶然であることです。高濃度の方が効果がでます。が、当然タンパク質を壊すと言うことは、高濃度すぎると人体へも影響が出てくると言うことです。大まかにいうと、人体へ影響を及ぼす、1/100以下で用いられているのが現状です。

ウィルスの場合②
感染経路から考える

ウィルスに関しては、もう一つ理解しておくことがあります。

それはインフルエンザウィルスの場合、感染は「飛沫感染」「接触感染」で起こるということです。「飛沫感染」というのは、くしゃみ、咳などで、ウィルスを含んだ体液(多くの場合は細かい唾)により、感染することです。「接触感染」は、その人、その人の体液などに接触した時、移されることです。

このため、厚労省がアピールしているのが「咳エチケット」。マスク、ハンカチ、腕の内側などで、体液の飛散を抑える方法です。

今回のコロナウィルスも、感染はインフルエンザと同じ感染経路と予想されています。

そう考えると、空気清浄器のウィルスに関する機能は、余り強調すべきモノではないのかも知れません。ただ、ウィルスの絶対量が少ないということは、「ないよりはいい環境」であることには違いありません。

ウィルスの場合③
加湿に関して

インフルエンザは基本冬場に流行します。それは低温低湿の方が、死滅しにくいからです。冬場マスクをしてインフルエンザの感染を防ぐのは、大きくは「飛沫」の防御ですが、鼻、口というウィルスの侵入経路を、加湿するためでもあります。

逆に乾いた喉などは、ウィルスの絶好のターゲットです。粘液保護ができませんので、襲ってくださいと言わんばかり。ウィルス対策としては「加湿」はかなり有効な方法です。

細菌のことも考えると、結露しないレベルの加湿が適切です。

化学物質の場合

ニオイを含む化学物質はフィルターでトラップできません。このため「吸着」を使います。いわゆる活性炭です。古くからよく知られた性質です。

またウィルス撃破で活躍するイオン、薬剤は、化学物質にも効果があります。変なニオイなどにも対応できます。パナソニックが、先述の空間清浄機(ジアイーノ)を、新宿駅の公衆トイレでの公開実験した時に、トイレ臭がしなかったのには驚きました。またプラズマクラスターイオンは、自宅トイレ(公衆トイレより狭いです)で効果を確認済みです。いずれの場合も、ニオイ分子との邂逅は偶然で、こちらもある程度の濃度が必要となります。

画像: 【ウイルス対策に】空気清浄機は有効か?知っておきたい空調家電の基礎知識
パナソニック
ジアイーノ
F-MV4100-SZ
▼本体サイズ:約 高さ710mm×幅398mm×奥行240mm
▼消費電力:強(55W)、中(16W)、静音(10W)
▼菌・ウイルス・ニオイ対策を本気で考える方に。
▼本体重量(kg):11.2

最後に

空気清浄機は、空気をキレイにする家電ですが、十分な効果を発揮するためには、掃除機、加湿器などと上手く組み合わせる必要があります。

花粉症、インフルエンザウィルス、コロナウィルスと、大変な時代ですが、私はスマートに対応していきたいと思います。

◆多賀一晃(生活家電.com主宰)
企画とユーザーをつなぐ商品企画コンサルティング ポップ-アップ・プランニング・オフィス代表。また米・食味鑑定士の資格を所有。オーディオ・ビデオ関連の開発経験があり、理論的だけでなく、官能評価も得意。趣味は、東京歴史散歩とラーメンの食べ歩き。

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