【脳卒中予防】5分間「速歩き」をしてすぐ乳製品をとろう!血圧が下がり発症リスクが40%減少する

美容・ヘルスケア

今回は「1日のうちに5分間の速歩きを2回」行う簡易版インターバル速歩をお勧めします。体力が10歳若返ると、それに伴って最大血圧と最小血圧が下がり、脳卒中を発症するリスクが40%も減少することにつながります。【解説】増木静江(信州大学スポーツ医科学教授・医学博士)

解説者のプロフィール

増木静江(ますき・しずえ)

信州大学スポーツ医科学教授・医学博士。信州大学大学院工学系研究科博士前期課程修了。信州大学大学院医学研究科修了。米国Mayo Clinic 麻酔科博士研究員、信州大学大学院医学系研究科助教、同研究科准教授を経て、2018年より現職。主な研究分野は、「生活習慣病・介護予防のための運動処方」、「遺伝子多型と運動習慣の定着率と効果の個体差」など。
専門分野と研究論文(CiNii)

インターバル速歩とは

体力が10歳若返って発症リスクが40%減少

皆さんに、「歩くことは健康に役立ちます」などというのは、釈迦に説法というものでしょう。すでに、「1日1万歩」を目標に、日ごろから歩く習慣を身につけているかたもおられると思います。

私が所属している信州大学では、20年ほど前から「インターバル速歩」という方法を提唱しています。

これは、私の師匠である能勢博先生(現・信州大学医学部特任教授)が考案したものです。私は、このプロジェクトを2018年に引き継ぎ、さらに広めるための活動に取り組んでいます。

インターバル速歩とは、3分間速く歩き、3分間ゆっくり歩くことを30分間くり返す方法で、1週間のうち4日以上実践することを提唱しています。速歩きのスピードの目安は、「ややきついと感じて、息が切れるくらい」です。

私たちは、これまでに長野県内にお住いの8700人に、このインターバル速歩を実践していただき、過去14年間で蓄積されたデータを分析・研究してきました。

その結果、インターバル速歩を続けると、たくさんの効果・効能が得られることが判明しました。なかでも、ひざを曲げ伸ばすときに使われる筋力や、持久力が10~20%上昇することが導き出されたのです。

1日5分の速歩きを週に4日!

これはすばらしい成果なのですが、もしかすると、「そんなに大したことないのでは?」と思われるかもしれません。

しかし、インターバル速歩によって得られたこの成果は、体力が10歳若返ったことを意味します。年齢を問わず、健康維持のために最も必要な要素は、体力だといっても過言ではありません。

そして、体力が10歳も若返ると、それに伴って最大血圧と最小血圧が下がり、脳卒中を発症するリスクが40%も減少することにつながるのです。

ただし、脳卒中のリスクが40%低減するという成果を得るまでには、少なくとも5ヵ月はかかります。

つまり、1日30分のインターバル速歩を1週間のうち4日以上実践することを5ヵ月継続すれば、体力が10歳若返ります。その効果を5年間維持すれば、その間、脳卒中になるリスクが40%軽減するのです。

まずはインターバル速歩の簡易版「5分速歩」から

「5分速歩」のやり方

私が、講演などでこういうお話をすると、たいていは会場がどよめきます(笑)。「そんなに時間がかかるならやめておこう」という反応があっても無理のないことでしょう。

もちろん、決められた定義どおりにインターバル速歩を実践できれば理想的です。しかし、今回は特別に、インターバル速歩の簡易版である「5分速歩」をお勧めします。

これは、1日のうちに5分間の速歩きを2回」行うことです。この5分速歩を、まずは5ヵ月間続けてみてください。

例えば、近くのスーパーまで歩いて10分かかるなら、そのうち5分間を速歩きにしましょう。そして、買い物が終わってご自宅へ帰る際、同じように5分間を速歩きにするのです。

もし、ご自宅に血圧計があるなら、毎日、数値を記録してみてください。5分速歩を5ヵ月間続けていただければ、血圧が10%程度下がる効果が期待できます。

乳製品の摂取で太ももの筋肉が増えて血管がやわらかくなる

そして、5分速歩を終えてご自宅へ帰られたら、30分以内に乳製品を摂取してください。目安としては牛乳をコップ2杯(400ml)です。苦手なかたは、チーズなら20g程度、ヨーグルトなら80g程度をとっていただければけっこうです。

乳製品をお勧めする理由は、インターバル速歩を終えたあとに摂取すると、大腿(太もも)の筋肉量を増やし、筋力をアップさせるからです。血管をやわらかくするのに役立つというデータも得られています。

先ほどもお話ししたように、筋力が増えることは、体力が若返ることを意味します。加齢とともに筋肉の量は減っていきます。これを放置すれば、老化がいっそう進むのです。

1日に1万歩も歩かなくてもいいでしょう。まずは、5分速歩から始めてみてください。そのうちに歩くことが楽しくなって、インターバル速歩を実践できるようになるでしょう。しだいに体力がアップして、血圧が下がっていきます!

多くの皆さんに、脳卒中に負けない生活を送っていただければ、提唱者としてこんなにうれしいことはありません。

この記事は『壮快』2020年3月号に掲載されています。

 

PR

【ドライブ中に純正ナビでテレビ視聴!】データシステム・テレビキットシリーズから最新車種対応のカー用品『TTV443』が登場!
長時間のドライブで同乗者に快適な時間を過ごしてもらうには、車内でテレビや動画を視聴できるエンタメ機能が欠かせない。しかし、純正のカーナビは、走行中にテレビの視聴やナビ操作ができないように機能制限がかけられているのがデフォルト……。そんな純正...

PRガジェット