電気圧力鍋が人気だがどこも「似たり寄ったり」
ティファールの新型電気圧力鍋が他とは違う!
電気圧力鍋が今流行っています。私としても現状で一番お勧めのキッチン家電です。確実に楽できますし、時短になりますからね。しかし、思うのが「どれも似たり寄ったり」ということ。構成が「基本調理」+「自動調理メニュー」でできているから、どのメーカーが作っても一緒なんです。まぁ分かりますね。
そんな中、ティファールが新型電気圧力鍋を上市しました。ティファールといえば、クックフォーミーという電気圧力鍋が有名です。ほとんど小人数用の電気圧力鍋の中にあって、唯一の大型。メチャメチャ分かりやすい差別化ポイントです。そして、使いやすさが魅力です。今回出た「ラクラ・クッカー」は、サイズを落としてきた上に、仕様が全く異なります。実は、私、これすごく気に入っており、いきなりいうのもなんですが、推奨します! 何処が、そんなにすごいのかこの記事でレポートしましょう。
ティファール「ラクラ・クッカー」
ラクラ・クッカー コンパクト電気圧力鍋
▼品番:CY3501JP▼電源:100V 50-60Hz▼定格消費電力:700W▼本体寸法:幅260mm×奥行285mm×高さ283mm▼本体重量:4,180g▼容量:3L▼付属品:レシピブック(50レシピ) 、炊飯用軽量カップ 、蒸し台
料理初心者に便利な「自動メニュー」機能が実は使いづらい…
自分好みで調理をしたいニーズも
今のキッチン家電は、何かと言うと「自動メニュー」です。自分には、自分の好きなレシピ、作り方があると叫んでみても、その声は届きません。とにかくメニューの多さがステータスです。
ところがレシピは多くなればなるほど、値段が嵩みます。理由は簡単。監修者がいるからです。多くの場合、料理研究家さんが務めます。しかし、その人の料理を毎日食べたいですか? 私はそうは思いません。単純に全てが自分の好みとは同じとは言えないからです。
例えば関西の人に、昔風の東京うどんを出したとします。あのツユがまるで醤油の様に黒かった時代のうどんです。「食えへん!」と大阪の人なら言う(?)でしょうし、京の人なら「お口に合わしませんどす。」(?)とでも言うでしょうか。しかし、東京の人は、それを美味い美味いと食べていたのです。
また、レア好きな人に、よく焼いたステーキを出したらどうでしょうか? これも口に合いませんね。
自動メニューが増えるのは、それなりにイイと思う反面、やはり自由度に欠けると思うわけです。特に、冷蔵庫の有り合わせ素材で、上手にやりくりするのが、主婦の腕前ですが、自動メニューばかりだと、これが中々に使いにくい。
そんなわけで、自動メニューもいいのですが、私は、基本調理が使いやすい、「圧力調理」「蒸す」「煮る」を、簡単に制御できる電気圧力鍋が欲しいのです。
5つのマニュアル調理を採用
しかし、そうかと言って無闇矢鱈に、温度、時間が設定できるのも考えものです。こちらも面倒臭い。
大体、一番重要とされる火力でも、基本は、トロ火、弱火、中火、強火の4種類しかないわけで、特殊な料理を考えなければ、4種類で済むわけです。
調理を大雑把にまとめ、簡単に調理できないか? ラクラはその考え方に基づいて作られています。
ラクラで採用されたマニュアル料理は、「圧力調理」「蒸す」「煮る」「炒める」「低温調理」の5つ。
このうち、温度は「圧力」「蒸す」は、114℃に、「煮る」は約95℃に固定してあります。これらは、時間設定だけで使えます。時間設定もメジャー時間は予め設定されていますので、それでイイ場合は、ボタンを2回押すだけで事足ります。
「炒める」と「低温調理」は温度設定可能です。画面隅に赤で時計マークが出ると「時間設定」、温度計が出ると「温度設定」ですから、迷うこともないと思います。
これがすごく便利で、今まで使ってきたレシピのまま、より簡単に調理できます。
ラクラ・クッカー コンパクト電気圧力鍋を使ったレシピ | オリジナルレシピ | CLUB T-fal
www.club.t-fal.co.jp
ラクラ・クッカーの自動メニューはたったの「3つ」
さて、10メニュー、50メニューと内蔵されているのが当たり前の自動メニューですが、ラクラは、3つだけ。「カレー」「肉じゃが」「豚の角煮」です。共通はみんな大好きということと、ご飯が進むということでしょうか。
自動メニューには重きを置いていないとは言え、人気メニューは残しておく。バランスのいいモデルでもあります。
ラクラ・クッカーのメリット・デメリット
美点が多いモデル
またラクラは美点が多いモデルでもあります。中でも大きいのは、コンソール画面の大きさです。大きい。そして見やすい。ティファールがこれまで、売ってきたクック・フォー・ミーと大きく違います。一気通貫のポリシーがないと言えばその通りですが、見やすいことは、扱いやすいことと同じですから、文句なしです。
次の良さは、内鍋の形状です。ツボの様なかたちをしています。これは炊飯器効率を考慮されて作られた形だそうですが、イイなと思ったのはカレーのためにお肉の表面に焼きを入れた時。ちょうど、フライパンではなく、火力は弱いですが、中華鍋のイメージが湧きました。食材が扱いやすい中央部に寄ってきますので、とても使いやすいのです。一番最初は深鍋で周りに食材がよると、見えなくなりから面倒だなぁと考えていたのですが、ラクラでは中により、周りに逃げません。炒め易いのです。
また小型電気圧力鍋の難点、中の蒸気を外に放出するための開閉弁の操作がボタンでできるようになっています。開閉弁は一定の蒸気圧に保てる様に、重りを弁として使います。、解放時にはこれを持ち上げてやり、隙間から蒸気を逃します。幾ら安全設計としても、開放弁ですから、扱うときはやはりプレッシャーがあります。ボタン操作は、それに対する対策ですが、かなり気が楽になるシステムでもあります。
何かと美点が多いモデルです。
デメリットは、フタの扱いがちょっと厳しい?
では、短所はないのかというと、ラクラの場合は、フタでしょうね。
圧力調理をした後など、当然のことながらすごく熱くなりっています。で、裏返しにして置くのですが、この置き場所を確保して置く必要があります。また厚いので、普通の鍋フタより扱いにくい。とにかく、横、もしくは後ろにフタを置くスペースを確保する必要があります。個人的には、ティファールで、水受け皿の付いたフタ置きを用意してくれないかと思っています。
ラクラ・クッカー
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まとめ
ラクラ・クッカーなら自分のレシピで時短調理が可能!
今、STAY HOMEで、毎日のご飯作りに困っている人は大勢いると思います。しかし、新しい家電を買ってみると、新しいレシピに沿ったメニューで、しかもマニュアルが使いにくいモデルが多いです。
ラクラは、今までのレシピが楽々使えるモデル。レシピをいっぱい持っている人はもちろん、初心者にもやさしい。自炊していろいろ食べたい人に優しいモデルです。
ちなみに、安くて美味しいメニューに、鶏むね肉を使った鶏ハムがお勧め。低温調理 65℃で、できる上、鶏むね肉は、余分な脂肪が少なく、40円/100gと安い。この低温調理が得意なのも、お勧め理由の一つです。
◆多賀一晃(生活家電.com主宰)
企画とユーザーをつなぐ商品企画コンサルティング ポップ-アップ・プランニング・オフィス代表。また米・食味鑑定士の資格を所有。オーディオ・ビデオ関連の開発経験があり、理論的だけでなく、官能評価も得意。趣味は、東京歴史散歩とラーメンの食べ歩き。