(2020年5月13日更新)新型コロナウイルスの感染拡大防止を目的とした補正予算が成立。これにより、1人あたり10万円の特別定額給付金が配られることに。しかし「細かい情報を知りたい」「申請方法は?」「給付日はいつ?」という人も多いはずです。そこで本記事では、特別定額給付金(10万円)のQ&Aを作成しました。郵送方式とオンライン方式の2種類の申請方法やメリット・デメリットまで解説しているので、参考にしてください。
特別定額給付金(10万円)はいつもらえる?申請方法は?
新型コロナウイルスへの経済支援対策である特別定額給付金(10万円)ですが、2020年5月5日時点で判明している情報をわかりやすくまとめました。「給付額は1人につき10万円」「世帯主にまとめて給付」「郵送方式の受付開始日から3か月以内が申請期限」という基本事項以外にも、重要となるポイントを解説しているので参考にしてください。
Q1:結局給付日はいつですか?
給付日については、国ではなく各市区町村にタイミングが任せられています。総務省の特設ページでは、市区町村ごとの対応状況も現在「準備中」です。最新情報を知りたい方は、各市区町村の公式サイトをチェックすることをおすすめします。また、主要自治体の現在の状況については、記事内でもまとめてあるので確認してください。
Q2:どんな人が給付されますか?
特別定額給付金(10万円)の対象については、「2020年4月27日時点で住民基本台帳に記録されている人」という基準が明確に設定されています。もう少しかみ砕いて説明すると、「4月27日時点で住民票が存在するすべての人」が対象です。ただ、ホームレスなど特定の事情により、住民基本台帳に名前が記録されていない場合もあります。その場合は、特例措置が用意されているので、気になる方はQ4とQ5を参考にしてください。
Q3:どうやって申請すればいいですか?
実際に給付を受けるためには、特別定額給付金(10万円)を各市区町村に申請する必要があります。申請方法については、郵送とオンラインの2種類が用意されおり、それぞれの特徴は下記の通りです。
【特徴】
メリット | デメリット | |
郵送方式 | 申請書類を利用できる | 市区町村ごとにスピードが異なる |
オンライン方式 | 郵送方式より早く申請可能 | マイナンバーカードが必要 |
郵送方式を選択した場合、申請書類を利用することができます。各世帯に市区町村から届けられる仕組みになっており、別途準備するものが必要ありません。ただ、世帯数が多い市区町村の場合、少ない市区町村よりも申請書類の送付に時間がかかる点がデメリットです。
オンライン方式なら、市区町村からの書類を待たずに特別定額給付金(10万円)を申請できます。しかし、マイナンバーカードやICカードリーダーライタを準備する必要があり、インターネットに慣れていない人の場合、操作にとまどう可能性も高いです。
郵送方式とオンライン方式のメリット・デメリットを比較して、最適な方法を選択することをおすすめします、また、記事内でも各申請方法の手順を解説しているので参考にしてください。
Q4:DV被害者への対応が知りたいです
配偶者からDV被害を受けている人で、基準日である4月27日以降に住民票を移した場合でも、転居先の市区町村から世帯主とは別に特別定額給付金(10万円)を申請することができます。具体的には下記要件のいずれかを満たせば大丈夫です。
【要件】
- 配偶者からの暴力に関して、保護命令が出されている
- 婦人相談所によって、「配偶者からの暴力の被害者の保護に関する証明書」が発行されている
- 住民基本台帳事務処理要領の支援措置対象になっている
要件に当てはまる人が申出をする場合、「DV被害を確認できる証明書」が必要になる点も押さえておきましょう。また、基本的には4月24日~4月30日が申出期間ですが、期間後の申出も受け付けており、準じた事務処理を行うとのことです。
Q5:ホームレスへの対応はどうなってますか?
ホームレスといった住所不定の人でも、特別定額給付金(10万円)を申請して受給することができます。また、市区町村に住民登録されていない場合には、実際に居住しているエリアで住民登録を行えば給付の対象です。他にも、自立支援センターなどが、住所として認められるケースもあります
Q6:技能実習生で外国から来ていますが、給付されますか?
技能実習生のような外国人でも、条件さえ満たせば特別定額給付金(10万円)の給付対象になります。基準日である4月27日時点で住民基本台帳に記録されていれば問題ありません。
Q7:帰省中で郵送方式の書類を受け取れません
帰省などを理由に郵送方式の書類を受けとれない人は、日本郵便の転送サービスを利用してください。また、ネットの利用が難しい場合、本人確認書類を持参のうえ、最寄りの郵便局を訪問すれば対応してくれます。
Q8:注意した方がいい詐欺の種類を教えてください
特別定額給付金(10万円)が本格的にスタートすると、関連詐欺の多発が予想されます。「私は大丈夫」と思っている人も、今回は正確な情報を判断しづらい状況なので、普段より注意しておいてください。具体的な詐欺の種類については、ヤフーニュースの記事がわかりやすくまとめられています。
Q9:5月25日でマイナンバー通知カードが廃止されると聞きましたが、急いでマイナンバーカードを発行した方がいいですか?
マイナンバー通知カードが5月25日で廃止されることが発表されました。「マイナンバーカードを急いで発行した方がいいのか」と不安になった人もいると思いますが、通知カードが廃止されても、マイナンバーカード自体の発行は可能なので安心してください。むしろ、確認のために市区町村の窓口を訪れると、新型コロナウイルスの感染リスクを上げることにつながるので避けた方が賢明です。
特別定額給付金(10万円)の申請方法
郵送方式での申請手順
郵送で特別定額給付金(10万円)を申請する場合、書類を作成する必要があります。チェック項目は全部で9つあるので、情報の漏れがないように記入してください。記入後は、「申請書」「振込先口座の確認書類」「本人確認書類」を各市区町村あてに郵送すれば完了です。
オンライン方式での申請手順
オンライン方式で特別定額給付金(10万円)を申請する場合、まず、以下の準備が必要になります。
(1)申請者(世帯主)のマイナンバーカード
・オンライン申請は、世帯主のみ行うことができます。
・世帯全員分の申請を行うことができます(マイナンバーカードを持っていない家族の分も行うことができます)。
・マイナンバーカードは申請から取得まで概ね1か月ほどかかりますので注意してください。
(2)マイナンバーカード読取対応のスマホ(又はPC+ICカードリーダ)
・対応スマホはコチラをチェック
(3)「マイナポータルAP」の検索、インストール
(4)マイナンバーカード受取時に設定した暗証番号(英数字6~16桁)
(5)振込先口座の確認書類
準備ができたら、マイナポータルにアクセスして申請します。具体的な手順は下記の通りです。
最後に、ICカードリーダライタにマイナンバーカードをセットし、電子署名を付与すれば完了です。ただ、今回ご紹介したのは、パソコンから特別定額給付金(10万円)を申請する方法になります。スマホの場合も基本的な操作は同じですが、画面が異なったり、ICカードリーダライタが必要なかったりするので注意してください。(詳しくは下記動画を参照)
パソコンとスマホで申請手順が少し異なるので注意
「オンライン不備」について
2020年5月12日、特別定額給付金(10万円)に関する下記のような指摘があります。調べてみたところ、オンライン方式での申請でトラブルが相次いでいるようです。
10万円給付申請、郵送呼び掛け オンライン不備続出で自治体(共同通信) – Yahoo!ニュース
新型コロナ対策として、1人10万円を配る「特別定額給付金」の申請方法を巡り、国が推奨するオンラインではなく、郵送で行うよう呼び掛ける自治体が相次いでいる。オンラインでの申請内容に不備が続出し、確認作 – Yahoo!ニュース(共同通信)
headlines.yahoo.co.jp
この記事を見て、「オンライン方式って避けた方がいいの?」と思った人がいるかもしれません。しかし、問題が発生している理由は、申請内容に不備があることです。つまり、世帯主以外がオンライン方式で申請したり、口座情報が間違っていたりといったケースが考えられます。SNS上でも、「問題なくオンライン方式で申請できた」といった声もあるので、基本的には大丈夫です。
ただ、一般的なWebサイトの入力システムと比較して、ユーザーが使いやすい仕組みにはなっていません。「ネット上での操作には自信がない」という人は、郵送方式を利用した方が賢明です。
※マイナンバーカードのパスワードはしっかりと保管しておきましょう。万が一忘れてしまった場合、市区町村の窓口で一度リセットする必要があります。
主要自治体別の対応状況
※2020年5月12日時点
特別定額給付金(10万円)の給付に関しては、政府ではなく各市区町村にタイミングを任せられています。実際に主要自治体の中には、すでに申請が始まっているところもあるので参考にしてください。
郵送方式
多くの主要自治体では、申請書の送付日は現在準備中とのこと。ただ、5月中や6月頭をめどにしている情報が見受けられたので、1つの目安にしていただければ幸いです。
オンライン方式
- 東京都(62):千代田区、港区、品川区、世田谷区、渋谷区、北区、足立区、江戸川区、練馬区、八王子市、武蔵野市、調布市、町田市、小金井市、小平市、国分寺市、多摩市など
- 大阪府(43);大阪市、堺市、高槻市、貝塚市、守口市、枚方市、泉佐野市、富田林市、寝屋川市、門真市、藤井寺市など
- 愛知県(54):豊橋市、春日井市、豊川市、江南市、高浜市、岩倉市、豊山町、設楽町、豊根長など
- 福岡県(60):北九州市、福岡市、久留米市、飯塚市、大川市、豊前市、うきは市、糸田町、上毛町など
※注1:総務省「特別定額給付金ポータルサイト」参照
※注2:()内の数字は管内市区町村数
◆平本良太
クレジットカードやキャッシュレス決済の最新情報に明るいWebライター。ファッションやグルメを中心にトレンド記事も手がける。