この記事ではファットバイクの魅力やメリット・デメリットをお伝えしつつ、おすすめモデル10選をご紹介します。街中でタイヤがものすごく太い自転車を見かけたことはありませんか?強烈なインパクトが魅力のファットバイクは、通常のロードバイクやクロスバイクとは一線を画すタイプの自転車なのです。
そもそもファットバイクとは?
ファットバイクとは、3~5インチの極太タイヤを備えたマウンテンバイクタイプの自転車です。寒冷地や悪路を走行するための自転車として、2000年代中盤にアメリカの自転車ブランド「SURLY」から初めてリリースされました。春夏秋冬さまざまなシーンで利用できることから、「4seasons bike」とも呼ばれるそうです。タイヤが太いため安定感ある走行が可能で、空気圧を変えることで違った乗り味を楽しめます。
ファットバイクのメリット・デメリット
筆者も実際にファットバイクを購入し、毎日のように利用しています。その経験から感じたファットバイクのメリットとデメリットをそれぞれご紹介します。
メリット(1)
悪路や荒天に強い
ファットバイクならではの魅力が、悪路や荒天に強いことです。大雨でもレインコートなどを着ていれば危なげなく走行でき、泥や雪、砂利などで道が荒れていても舗装路のようにそのまま走れます。
メリット(2)
安定感があり頑丈
極太のタイヤと重厚感あるフレームを備えたファットバイクは、非常に安定感の高い乗り物です。グリップが効くため動作のコントロールもしやすく、スポーツサイクルに乗ったことのない人でも簡単に走れます。
メリット(3)
場所やシチュエーションを選ばない
派手なデザインから、一見用途が限られるように見えるファットバイクですが、街乗りやオンロードでの走行も問題なく行えます。さすがにロードバイクやピストバイクには敵いませんが、十分なスピード感と意外な小回りの効きも魅力です。
メリット(4)
空気圧の差で2種類の乗り心地を楽しめる
通常のMTBの場合、フレームにサスペンションが備わっていることが多いですが、ファットバイクの場合はタイヤ自体がサスペンションとして機能します。
空気圧を下げればサスペンション効果が得られ、高めればスピードを出すことができます。用途や季節によって調整し、異なる乗り味を楽しめるのはファットバイクならではのメリットです
デメリット(1)
ロードバイクに比べると重量感がある
ファットバイクはタイヤの大きさ・フレームの頑丈さから、ロードバイクに比べるとかなりの重量感があります。そのため、漕ぐのにある程度の力が必要です。カーボン素材を採用した高級モデルなどは比較的軽めですが、やはり重さは目立ってしまいます。
デメリット(2)
パーツやアイテムが他の自転車よりも少ない
ファットバイクは特殊な自転車のため、他の自転車と比べるとカスタムパーツやアイテムのバリエーションが少なめです。完成車をじっくり自分仕様にカスタムしたい方はご注意ください。
デメリット(3)
価格が高め
ファットバイクはタイヤ周りをはじめとした各パーツが特殊なため、全体的に高めの価格になりがちです。ルック車と呼ばれる「ファットバイク風」のものを除けば、どれだけ安くても5万円~10万円程度になり、多くのモデルが15~20万円ほどです。
以上のようにメリット・デメリット両方あるファットバイクですが、それでも他に無い乗り心地と迫力は大きな魅力です。
ファットバイクを選ぶ際のポイント
続いて、ファットバイクを選ぶ際のポイントをまとめてご紹介します。
タイヤの太さで選ぶ
ファットバイクの主流は4インチサイズのタイヤですが、3~3.5インチ程度でMTBより若干タイヤ幅が太いセミファットと呼ばれるタイプや、5インチを超える極太タイヤを備えたものが存在します。
フレームの素材で選ぶ
他のスポーツ自転車と同様、主にクロモリ・アルミ・カーボン・スチールが存在します。クロモリやスチールは重さがネックですが頑丈です。アルミは軽くて丈夫な素材ですが、やや振動吸収性の面で劣ります。カーボンは軽く頑丈で振動吸収にも優れる素材ですが、他と比べ格段に高価です。
メーカー・ブランドで選ぶ
ファットバイクの代表的なブランドは以下の通りです。
・SURLY(サーリー)
・Salsa(サルサ)
・Mongoose(マングース)
・Specialized(スペシャライズド)
・Cannondale(キャノンデール)
・Bronx(ブロンクス)
・Garneau(ガノー)
・KHS
・Kona(コナ)
多くがマウンテンバイクやロードバイクなどの本格的な自転車を多数リリースしています。ファットバイクのパイオニアであるSURLYや、マウンテンバイクで有名なSpecialized、Cannondaleなどは高価な分非常に優れたモデルを販売中です。また、国内メーカーの「Rainbow Cycles」のファットバイクブランドBronxは、低価格ながらルック車では無いしっかりした造りの自転車を展開中です。
5~10万円のファットバイク3選
ここからはおすすめのファットバイクを価格帯別にいくつかご紹介します。まずはエントリーモデルに最適な、5~10万円台のファットバイクからチェックしましょう。
BRONX 4.0DD
約5万円
日本のファットバイクブランドであるBRONXは、MTBではなくBMXタイプをべースにしたモデルを多数リリースしています。格安ながらしっかりした造りが特徴で、神奈川県大和市の消防隊に向けてオリジナルのモデルを卸した実績もあります。
KHS ATB-300
約9万円
アメリカと台湾をメインに展開しているKHS社がリリースしているアルミフレームのファットバイクです。26インチ×4センチのベーシックな組み合わせで作られており、シングルスピード化も容易です。
ガノー GROS LOUIS
約7万5000円
ガノー社の自転車と言えば街乗り用の「LOUIS GARNEAU」シリーズが有名ですが、こちらは本格スポーツラインのGARNEAUからリリース。24インチの小径車ながら、9段変速やディスクブレーキを標準搭載しており、コストパフォーマンス抜群のモデルとなっています。スポーティな見た目もインパクト抜群です。
10~20万円のファットバイク4選
続いて、ファットバイクのなかでは通常クラスのグレードとなる10~20万円台のモデルをご紹介します。
マングース アーガス・スポーツ
約11万円
マウンテンバイクで有名なMONGOOSE(マングース)は、約11万円という低価格で本格的なファットバイクをリリースしています。4.8cm幅の極太タイヤに軽量化のための穴あきリムを組み合わせており、デザイン性にも優れています。
Surly karate monkey
約15万円
ファットバイクのパイオニアであるSURLYからリリースされた、3インチ幅のセミファットタイプです。27.5インチという大きさながら、若干タイヤ径を抑えたことでオフロード・オンロード両方に対応可能となっています。
KONA WO
約16万円
マウンテンバイクで有名なKONA初のファットバイクであり、同社を代表する名作です。4.8インチの迫力満点なタイヤはチューブレスレディタイプとなっており、比較的に容易にチューブレス化できます。アルミフレームで12段変速を採用しているため、速さの面でも信頼感抜群です。
Cannondale FAT CAAD
約19万円
キャノンデールのファットバイクを代表するモデルです。シンプルで無骨なフレームのデザインが、ファットバイクの主役とも言えるタイヤの存在感を引き立てるデザインとなっています。3.8インチサイズのタイヤと油圧式ディスクブレーキを組み合わせており、安定感に優れています。
20万円超えの本格ファットバイク3選
最後に紹介するのは、20~30万円クラスの高級モデルたち。ハードルの高い買い物にはなりますが、長年乗りこなしていける抜群のスペックが魅力です。
Surly Ice Cream Truck
約30万円
ファットバイクと言えばSURLY、SURLYと言えばファットバイク。そんなイメージを決定づける名作モデルです。装備したタイヤは何と26インチ×5cm幅の極太タイプ。アイスクリームの名称通り、雪道にも動じない強さが魅力となっています。国内で完成車を手に入れる場合30万円以上かかってしまいますが、一度は手に入れてみたいモデルです。
Salsa MUKLUK
約28万円
SURLYと並んで有名なファットバイクメーカーであるSalsaの定番モデルです。アルミとカーボンを組み合わせた造りになっており、軽さと頑丈さを両立しています。また、様々なタイヤサイズに換装可能という特徴もあり、29インチのビッグタイヤや4.8cm幅の極太タイヤ、セミファットタイヤなどさまざまな組み合わせで楽しめるモデルです。
【eバイク】Kintone Eクルーザー
約22万円
最後にご紹介するのは、近年人気を集めるeバイクタイプのファットバイクです。ファットバイクのデメリットである重さを払拭し、負担なく最高時速24kmで走行できます。バッテリーは最大40km程度持つため、長距離移動にも最適です。
フロントサスペンションや24段変速も標準搭載しているため、どんなシーンでも活躍すること間違いなしでしょう
まとめ
今回は極太のタイヤが迫力満点のファットバイクについてご紹介しました。街乗りからオフロードまで、シーンを選ばず利用できるファットバイクは、意外にも癖が少なく多くの人々におすすめです。日々に刺激が欲しい方、ワイルドな乗り味を体感してみたい方はぜひファットバイクを始めてみてください。