映画「相撲道~サムライを継ぐ者たち~」の試写を見に行ってきました。今回の着目点は、映画の音声に「ドルビーアトモス」が使われていることです。スポーツエンターティメントの側面を持つ大相撲に、ドルビーアトモスを採用したことで、まるで国技館にいるかのような臨場感がみごとに表現されていました。

スポーツエンターテイメントに欠かせない立体音響

映画「相撲道~サムライを継ぐ者たち~」に採用された「ドルビーアトモス」

縁あって、映画「相撲道 サムライを継ぐ者たち」の試写を見てきました。監督は、坂田栄治。彼は、TBSテレビの現役社員。大ヒット番組『マツコの知らない世界』『細木数子のずばり言うわよ』をつくりあげたプロデューサー、総合演出をした人です。相撲に関しては番組を通して知り、興味がわき映画まで作ってしまったということです。

今回の着目点は、そのドキュメンタリー映画の音声に、「ドルビーアトモス」が使われていることです。

ドルビーアトモスが使われているということは、平面的ではなく立体的な音場を体感できるということ。今までのサラウンドと違うのは、前後左右の音を中心としたサラウンドに対し、ドルビーアトモスはそこに頭上方向や高さ方向の音情報が追加されています。

そのため、ヘリコプターが頭上を飛び去るように移動する効果音や、雨が上から降ってくる音など、立体的に聞こえるべき音をリアルに再現し、自分が現場にいる様な臨場感を再現します。

日本のドキュメンタリーの音は、「過去の記録」とされるものが多く、よくてステレオ、酷いものはモノラルと言う作品も存在します。このため、実際より地味に見られることがあります。

では、なぜ今回、この映画でドルビーアトモスを使ったかというと、大相撲が「スポーツエンターティメント」の側面を持つからです。

実は、欧州サッカー、米国のアメリカンフットボールなどは、放送でこのドルビーアトモスを使っています。その理由は、ひとえに、よりゲームを楽しんでもらうためです。

国技館観戦をリアルに再現!

映画は冒頭、一人の観にきたお客さんよろしく、国技館入口から通路を抜け、会場に入ります。その瞬間のリアルさからして大違いです。

国技館へ行くとすぐわかるのが、NHKで放送されるものとの違いです。

まず音が違います。拍子木などを「チョン」と打っても余韻がしっかり残ります。観客の声も、通常は雑踏の中と言う感じですが、国技館はすり鉢状の構造。いい相撲がとられ、最高に盛り上がると、歓声が上から下へうねる様な感じで聞こえます。テレビ音声のプアな音ではありません。音と言うより響き、音響です。

野球、サッカーもそうですね。こちらもすり鉢状。どうしても臨場感を出すには、高さ方向と言う概念が必要となります。海外の放送局がドルビーアトモスを導入したのは、これが背景にあるのです。

画像: サッカー場イメージ(画像:Getty Images)

サッカー場イメージ(画像:Getty Images)

アニメの音響は?

人気アニメの戦闘シーンに「立体音響化」希望

鬼滅の刃には、神回と言われる第19話「ヒノカミ」があります。アニメは仮想空間ですから、音は自在に繰り出すことができます。ヒノカミの回は凝りに凝っており、人の声の入ったBGM、声優の声、効果音のバランスがいいのです。

鬼滅の刃の特長の一つに「立体的な戦い」が挙げられます。この回でも、樹の間に主人公・竈門炭治郎の妹・禰豆子が糸で囚われており、炭治郎の水の呼吸の剣も立体ビジュアルで描かれます。(ちなみに、孫悟空をはじめ、アニメの立体バトルは多い)

アニメを第一級の作品、ハリウッド映画の超大作レベルに高めるには、映像だけでなく音声にも是非、立体音響化を考えて欲しいものです。

画像: TVアニメ「鬼滅の刃」ティザーPV youtu.be

TVアニメ「鬼滅の刃」ティザーPV

youtu.be

手持ちのテレビを対応させるには「サウンドバー」がおすすめ

では、今テレビにドルビーアトモスが採用されたとして、手持ちのテレビで対応できるのかということが問題になるでしょう。もちろん、テレビがちゃんとした音を出すようになるのが一番です。しかし、極めて奥行きが取れない平面テレビでは、音はプアになる場合が多いことも事実です。

このためにあるのがサウンドバー。ちょっといいサウンドバーになると、ドルビーアトモス対応になっているはずです。価格も5万円以下のものが多く、リーズナブル。

最後に

地上波のデジタル化という基本が作られたのが、2011年。その後、放送は4K、8Kときましたが、私にとってはお金を出してまで見たいと思うコンテンツがまだまだ多くないです。

相撲などもそう。テレビはもっと相撲の面白さを伝えられるはずです。昔のように、みんなが相撲をして遊び、相撲が身近にあった時代とは違うのです。コンテンツを磨きぬくのと共に、その面白さが伝わる番組作りに期待したいです。

◆多賀一晃(生活家電.com主宰)
企画とユーザーをつなぐ商品企画コンサルティング、ポップ-アップ・プランニング・オフィス代表。また米・食味鑑定士の資格を所有。オーディオ・ビデオ関連の開発経験があり、理論的だけでなく、官能評価も得意。趣味は、東京歴史散策とラーメンの食べ歩き。

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