バルミューダが火をつけた「高級トースターブーム」は数々の名機を生み出し、確実にトーストの世界を引き上げました。そのオーブントースター界でどんどん実力を増しているメーカーが、シロカです。シロカの高級オーブントースター「すばやきト-スター」で焼いたトーストは、パンの水分を保ったまま、表面がさっくり均一に焼けていて、端から端までほんとうに美味しいのです。
高温の熱を徹底的に封じ込める「炎風テクノロジー」
オーブンの隅から隅まで均一に高温にして、焼きムラをなくす。シロカはこれを今回、徹底して煮詰めました。名付けて「炎風テクノロジー」。炎風テクノロジーを搭載したオーブントースターの新製品が、「すばやきトースター」です。
例えば、大きな肉をフライパンで焼くときに、よく起こるのが「焼きムラ」。焼けているところと、生のところが混在した状態です。火が当たる部分の温度は高くなるため、ある程度しかたないのですが、料理としてはあまり褒められません。端から端まで、同じ様に美味しいのが望ましいわけです。
オーブンも同様です。熱源に近い部分だけ早く火が通ってしまうことを避けるため、高級と言われるオーブンには、小さくても「コンベクション」と呼ばれる機能がつけられています。コンベクションとは「対流」のことです。ファンで熱を循環させ、オーブンの隅から隅まで均一の温度にします。この機能をコンベクションと呼ぶのです。
「すばやきトースター」は、即加熱する1400Wのカーボンヒーターを、上に1本、下に2本配置。コンベクション・ファンで循環させます。そして、この熱を上、下、左、右、奥の5面に設けたヒーターリフレクター(熱反射板)で均一化。残り一面のドアは、熱が下がらない様に二重ガラスにするという徹底ぶり。すべてが熱を閉じ込める方向に働いています。
この「熱源」「反射均一」「対流均一」「熱逃げ防止」にこだわり、「パンのおいしさ理論」を追求したシロカの独自技術が、「炎風テクノロジー」なのです。
庫内がすばやく高温になるので、パン内部の水分は、焼かれた表面で閉じ込められます。バルミューダが、水分を加えて環境湿度を上げることでパン内部の水分流出を阻害するなら、こちらは素早い熱処理により、同様の効果を得ています。
食してみると、端と中央で食感がほとんど変わらないことに驚かされます。焼きムラはゼロ。どこを食べても、外はサクサク、中はモッチリです。一般的なトースターでは、焼いているうちにパンの水分が蒸発していきますが、「すばやきトースター」は、強い火力で焼き上げることで表面に薄い焦げ目をつけ、それがふたとなってパンの水分を逃さないとのこと。シロカの従来品と比べても、食パン中心部の水分含有率が14%アップということですから、どれだけモッチリか、おわかりいただけるでしょう。
自動調理メニューには焼きいもやポットパンも
今ドキのオーブントースターたるもの、トーストが焼けるだけではダメです。多彩なメニューをオートで焼くことができなければ、注目されません。
シロカもそこはよく心得ていて、自動調理メニューとしては次の9メニューを用意しています。
「トースト1枚」「トースト2枚」「冷凍トースト1枚」「冷凍トースト2枚」「厚切りトースト/ポットパン」「クロワッサン」「チーズトースト」「フレンチトースト」「焼きいも1本」。
余り見かけないメニューが、「厚切りトースト/ポットパン」と「焼きいも1本」。
3代目モデルの特徴の一つが、「庫内の高さがある」という点です。厚みのあるものを調理できるのです。そのため、メニューに「厚切りトースト」があるわけですね。「ポットパン」というのは、パンをくりぬいて器にし、中にシチューなどを入れて焼き上げる料理です。美味しいうえにインスタ映えもします。
もう一つは「焼きいも」です。コロナ禍で外出自粛が長引く中、手間のかからないおやつとして注目されています。早速焼いてみたところ、石焼きいも並みにホックリ焼けて、実に甘い。熱の通りが見事で、繊維を余り感じさせません。
シンプルな操作性と手入れの簡単さも魅力
家電は直感操作したいものです。それを踏まえた「すばやきトースター」は、なんと操作ボタンが2つだけ。ダイヤルを回してボタンを押すだけなので、実に簡単です。表示パネルも文字が大きく、温度・時間・メニューがひと目で見やすくなっています。朝の忙しいときに、手間なく使えるのは助かります。
さらに、実はこれが大事なのですが、お掃除が楽。毎日使うものだから、こまめにお手入れをして清潔に保ちたいものですよね。「すばやきトースター」は、焼き網を取り外すと扉が大きく開きます。庫内も高さがあって広く、手を入れやすいので拭き掃除が簡単にできます。また、パンくずトレーも取り外して洗えるので、いつでもすっきりです。
まとめ
シロカの小型オーブンは、昔からかっちりした作りで、常にお勧めできる製品です。今回ご紹介した「すばやきトースター」は、今までにない出来。ブレたところがありません。
また、シロカの製品は価格が良心的。「すばやきトースター」も2万円しません。これは大きなプラス要因です。
シロカの「すばやきトースター」は、「デザイン」「機能」「使い勝手」「値段」、どれもが高次元でまとめられています。この春、お勧めの逸品です。
周波数:50/60Hz
◆多賀一晃(生活家電.com主宰)
企画とユーザーをつなぐ商品企画コンサルティング ポップ-アップ・プランニング・オフィス代表。また米・食味鑑定士の資格を所有。オーディオ・ビデオ関連の開発経験があり、理論的だけでなく、官能評価も得意。趣味は、東京散歩とラーメンの食べ歩き。