コロナ禍の影響で、出会いもオンラインへとシフト。マッチングアプリには、マッチングした後、アプリ内でオンラインデートをする機能も新設されています。いきなりリアルで会うのは不安という人も、オンラインなら安心です。一方で、「オンラインだと会話に困りそう」「画面越しに自分をアピールするにはどうすればいいの?」といった新しい悩みも生まれています。マッチングアプリの達人、かおりさん(仮名・27歳)に、今回はオンラインデートのポイントを聞きました。
オンラインデートはした方がいい?
自動で切れてくれるので、切り時の心配がない
最近、マッチングアプリが一つの出会いの形として一般的になりつつあります。マッチングアプリでは、お互いの顔写真やプロフィールで自分の理想に近い人がいれば、メッセージのやりとりを経て実際に会うことになります。しかし、数枚の顔写真とメッセージのやり取りだけで会うのは不安な人も多いでしょう。そこで、おすすめしたいのが「オンラインデート(ビデオデート)」です。
マッチングアプリの達人、かおりさん(仮名・27歳)も、何度かオンラインデートの経験があるそうですが、メリットはどんなところにあるのでしょうか。
「一番は手軽さですね。あと、外で会うと、場所によっては周りの音が気になったり、騒がしい居酒屋だと相手の声がよく聞こえなかったりすることもありますが、オンラインの場合は、たいていお互いの自宅からつなぐので、会話に集中することができます」
昨年の自粛期間中には“オンライン飲み”がはやりましたが、「切り時が難しい」という声も多く聞かれました。
「プロフィールを見ていいなと思ったけれど、オンラインで話してみたらイメージと違った、というケースもあると思います。例えばPairs(ペアーズ)のビデオデート機能は、15分で自動的に切れる仕様になっています。実際に会うと、嫌だなと思っても2時間くらいは話さないといけないので、これはありがたいなと思いました。話が全然盛り上がらずに、お互い沈黙のまま15分を迎えて切れたこともありました(笑)もちろん、相手ともっと話したいと思えば、延長することもできます。
私の感覚値ですが、オンラインのほうがリアルよりも相手から嫌なことを言われるなどの攻撃を受けづらいと思います。リアルで会うほうが、嫌な経験をしたことが多かったですね」
オンラインデートのメリットは分かりましたが、画面だけで相手のことは分かるものなのでしょうか?
「正直、難しいです。会話でなんとなくのフィーリングは分かりますが、例えば自分がきゅんとするポイント、背の高さや手のキレイさだったり、逆に嫌だなと思うポイント、匂いやクセだったりは、実際に会ってみないと分かりません。ただ、それは相手も同じです。オンラインデートでも、お互いに分かり合うための努力はできると思います」
オンラインデートでおさえておきたいポイント5つ
すぐにできる、オンラインデートのポイントをかおりさんに教えてもらいました。
【ポイント(1)】使用する端末は、スマホよりPCで
まずは、オンラインデートができる環境を整えます。テレワークで日常的にオンライン会議をしている人は、同じ環境で問題ありません。声が聞こえづらい、途中で切れるなどのトラブルがあるとテンションが下がってしまうので、安定したネットワーク環境は重要です。
「使用する端末は、スマホでもPCでも問題ないですが、大きく見えたほうが相手の顔を判断できるし、自分の写り具合もチェックできるので、私はPCを使っていました」
【ポイント(2)】生活感が見える背景にする
環境が整ったら、部屋を片付けましょう。部屋の様子が背景に写り込んでしまうので、部屋が散らかっていると、マイナスポイントになってしまいます。
「仕事だと、バーチャル背景を設定している人も多いですが、オンラインデートの場合は、私は背景はつけないほうがいいと思います。ただでさえ入ってくる情報が少ないので、部屋の雰囲気が見えたほうが、お互いの理解につながります。例えば、読書という趣味でマッチングしたのであれば、本棚が映るようにするとか。一度、オンラインデート中に相手が飼っているネコが映り込んできて、かわいすぎてポイントアップでした。動物はずるいなと思いました(笑)」
何度かオンラインデートをしている相手には、少しずつ生活感を見せていくと、より親密になれるとのこと。
「きっちり何時に電話するね、という感じにせず、ヒマなときに電話するね、と言っておいて、敢えてお風呂上がり風に、ドライヤーでいま髪の毛乾かしてるの、みたいなところを見せるとか。実際は全然すっぴんじゃないんですけど(笑)。ご飯を作ってて、やばい、焦げそう!とかってバタバタしていたり。男女問わず、隙が見えたほうが好感度が増しますし、オンラインのときからできるだけ素を見せておくと、リアルで会ったときのギャップが少なくなります」
【ポイント(3)】化粧は濃いめ、角度は斜めがキレイに見える
オンラインでの顔映りも、女性は気になるところ。
「表情がハッキリ見えるように、私は濃い色のリップをつけるなど、化粧はいつもより濃いめにしていました。顔写りをよく見せてくれるライトも、今はたくさん販売されています。
また、態勢ですが、下から写すと威圧的になってしまうので注意したほうがいいかなと思います。一度、オンラインデートした相手の男性が、社長椅子みたいな椅子に座って、下からのアングルで映していて、なんだか採用面接みたいでした(苦笑)。
真正面で1対1で向き合うと敵対感が出てしまうので、少し斜めにしたり、態勢を崩した方がリラックスして話せます。特に女性は斜めのほうが、体のラインが見えますし、立体的で魅力的に見えます」
【ポイント(4)】会話のネタを2-3個用意しておく
15分であっても、話が盛り上がらないと長く感じます。相手のプロフィールなどを見ながら、「こんな話をしてみよう」というネタをいくつか考えておいたほうがよさそうです。
「オンラインで無言になると、本当に気まずいです。リアルだと、ドリンクを飲んだり、周囲のお客さんや店員さんがいたりと同じ場を共有していることでカバーできますが、オンラインは場の助けを借りることができません。なので、会話に困ったときに話せるような、他愛のない話題をいくつか用意しておくと安心です」
【番外編】オンラインパーティのポイント
1対1のオンラインデートのポイントを紹介しましたが、最後に、複数の人と一気に出会えるオンラインパーティ(街コンのオンライン版など)でのポイントも聞いてみました。
「常に全員が画面に写るオンラインパーティをしてみて思ったのは、まず笑顔でいたほうが印象がよくなるなということです。あと、女性は身ぶり手ぶりを大きくしたほうが、かわいく映ります。参加者がたくさんいると、覚えてもらうだけでも大変なので、敢えて珍しいドリンクを用意するなどもポイントです」
まとめ
仕事のオンライン会議とはまた少し違ったテクニックが必要なオンラインデート。今回紹介したポイントを、ぜひ参考にしてみてください!
取材・文◆尾越まり恵
フリーランスライター。1980年、福岡県北九州市生まれ。2002年、同志社大学を卒業後、リクルートの制作会社でブライダル情報誌『ゼクシィ』に携わり、2011年4月からフリーに。『日経ビジネス』『NewsPicks』などビジネス系の記事が多いが、女性向けメディアやエンタメなど、ジャンルを問わず、インタビュー記事を中心に執筆中。